税務署勤務をしていたとき、退職した職員がいると「代わりはほかにもたくさんいるから仕事は絶対回っていく」と周りの上司や先輩がよく言っていました。
この言葉を聞くととてもつらかったです。
職員の人手不足
現在税務署に勤務する職員の人手不足が叫ばれています。
年配職員と若手職員が多く間でサポートすべき40歳前後の先輩職員が少ない状況になっています。
税務調査の能力が下がっていると言われているのも指導すべき職員がいないという現状もあるようです。
若手職員も指導してもらえる職員がいないために早期で退職をしてしまったりしてなかなか人材育成に苦労している様子がうかがえます。
なので、「代わりはほかにもいる」という考えは通用しなくなってきている気がします。
【事務所お知らせ】プロパー職員がいない
同じ担当をずっと続けている職員は私が退職するまではけっこういらっしゃいました。
私が最後に在籍していた法人課税部門の源泉所得税担当では、源泉所得税を長年担当している「プロパー職員」が必ずいらっしゃいました。
源泉所得税事務に長年携わっているため
- 事務の流れを教えてもらえる
- 非居住者源泉の話なら自分に聞いて
- 源泉所得税審理をずっと担当している
このような職員がいらっしゃったからこそ事務が回っていたような気がしますが、現在は別の部署へ異動をさせたりしているようですね。
その分野に長けた職員がいなくなっているため仕事も進みませんし、若手職員も育ちません。
仕事のやりがいを見いだせなくなり退職を決意するという職員も増えていると思われます。
人を雇っているときの「NGワード」
うつ病とパニック障害を発症して休職をしていたときにある上司から、

代わりの職員はほかにもたくさんいるからゆっくり休んで
と言われたことがあります。
一瞬ありがたいなと思ったのですが実は非常につらい言葉だなと感じたんです。
ほかにも・たくさん・いる=自分は組織には要らないんだ…と。
確かに休職をしてしまったので私の担当していた仕事は同じ部署の職員にお願いすることになります。
申し訳ない気持ちがあります。
でも、自分に与えられた仕事だったので自分がその経験を積めば後輩や先輩に仕事について聞かれたときに話ができるかもしれません。
ほかにもたくさんいるとなると自分の存在価値がないと言われたようなもの。
必要な人間ではないという判断を下されたのかなと思ってしまいます。
もし復帰したとしても自分の席はなく仕事もない可能性が高いですよね。
「代わりはほかにもたくさんいる」という言葉は人を雇っていたら使ってはいけない言葉だなと感じます。
人を雇えない
今はひとりで税理士社労士事務所を運営しています。
ひとりにこだわっているのは、人を雇えないと思っているからです。
組織が苦手だったこと、人間関係を築くのに時間がかかる性格であること。
仕事をお願いするほどの仕事量もないですし、何をお願いしていいのかも分からない。
代わりはいない、「自分のみ」です。
ただ、自分で臨んだことなんですよね。
代わりがいるという考えは残酷だなと。
切り捨ててもいいと思っているという風に私は受け取ってしまうからです。
なので今後も雇わないでしょうね。アルバイトもきっと。
まとめ
税務署勤務時代によく上司や先輩が言っていた言葉に違和感を抱いていました。
「代わりはほかにもいる」と言っていられないのが国税の現状かもしれません。
その考えが変わらない限りは人手不足も解消しないだろうなと思います。
では。