「提供していない業務・やらないこと」を明確にした理由

事務所ホームページを作成するにあたって、これは作っておいたほうがいいのではないかと思ったのが、

  • 料金表
  • 業務メニュー
  • お申し込みフォーム
  • 提供していない業務・やらないこと

でした。

そのなかで特に「提供していない業務・やらないこと」を挙げるという、ほかの事務所ホームページとは変わった考えを取っています。

今日は、なぜそのことを明確にしようと思ったのかついて書いてみます。

事務所お知らせ→業務メニューの中にある「提供していない業務・できないこと」に明記しています。

「なんでもできます」はほんとうか?

税務職員でしたので税務調査や内部事務の経験がありますが、どうしても得手不得手があります。

もともと法人課税担当でしたので基本的には法人税・消費税・所得税(源泉所得税)は経験していますが、相続税や贈与税の実務経験はありません。

一般的な税理士事務所ですと、「なんでもお問合せください」と言っているところもあるようですが、本当にすべて対応できているのでしょうか?

事務員がいたら仕事を分担したりして、すべてのことに対応できたりするのでしょうが、私はひとりで事務所を運営することにしたのでそこはあきらめました。

お客様には申し訳ないのですが、私ひとりではどうしても限界があります。

それに、自分が不得意な分野のご依頼をいただいたとき、自分も苦しいしお客様にとってもそれは喜ばしいことなのだろうか、と疑問がありました。

お客様のためでもありますが、自分がこれから生きていくために考えた結果です。

勉強したい仕事・やってみたい仕事を業務メニューにしたいとずっと考えてきました。

その一方で、お引き受けできないこと・こういうご依頼はお断りしますという線引きは持っておいたほうがお互いのためにいいのかなと思うのです。

できるだけミスマッチを避けたいというのもあります。

ご依頼いただけるならその時はできる限りご期待に応えたいと思い、あえてできないこと・やらないことを明確にしておこうと思いました。

開業当初なのに「提供していない業務・やらないこと」を明確にするって…

開業してまだ間もないのに、提供していない業務・やらないことを明確にしておくことで「やる気がないんじゃないか」と思われてしまうかもしれません。

確かにお仕事をいただけないとお金が入ってきませんので生活していくことができません。

多少安くしてでも、またできないことでもできる限りご依頼を受けるのが本来なのかなと思ったりします。

しかし、私はその部分は仕方ないと割り切ってしまいました。

すべてのお客様のご依頼にこたえたい気持ちはありますけど、果たしてそれは自分にとって幸せなことなのかって。

もしすべてのご依頼にお応えし無理難題を言われても対応する。急ぎでも対応する。。

身体ひとつでは足りません。それは避けたいところです。

精神上もよろしくありませんし。

もちろん売り上げは増えていくとうれしいかもしれませんが、それで自分の時間がなくなってしまうのはつらいなと。

自分の時間を確保したいのなら、すべてのご依頼にお応えするのではなくこちらが提供するメニューでご依頼をいただいた方に真剣に向き合おうと思ったのです。

開業当初からできないこと・やらないことを明確にするのには勇気が必要でした。

お客様の数を減らしてしまうのも想定できたからです。

でも自分のスタンスを決めてからはそんな悩みは吹っ切れました。

個人事業主&フリーランス調査専門として

事務所ホームページには「個人事業主&フリーランス調査専門」と名乗らせていただいています。

これは提供していない業務・やらないこととは逆で、今後ずっとこれを専門にしていきたいと思っている・本当にやりたいこと・勉強していきたいことです。

個人事業主とフリーランスをメインにしたのは本当に税理士が必要じゃないかと思う方たちだと思うからです。

個人事業主とフリーランスを関与する税理士は法人に比べるとかなり少ないです。

私の勝手な想像ですが、税理士にご依頼いただかなくても自分でなんとかできると思われていることが多いのかなと。

しかし、実際は税務調査で大変な目にあうという話はよく聞きました。

個人事業主とフリーランスの方に税理士・社会保険労務士を知ってもらいたい、ご依頼いただいたら対応したい相手だと思ったからです。

税務職員だったからこそ、調査に限らずその後の調査官との対応も経験したことの強みを生かそうと思いました。

それとともに、調査に関連する申告書・届出書の作成も、内部事務をしていた経験を踏まえて確認しながら作成することができるのではないかと。

もちろん、定期的にお客様と接触して対応する「顧問業務」というものもありますが、私はその時限りの対応にしています。

相談と申告書作成、内容のチェック、税務調査・年金事務所労働基準監督署調査対応をして、必要な部分だけご依頼いただけるようにしています。

これも事前にお客様ご本人に選んでいただけることのひとつかなと思っています。

専門を明確にする、できないこと・やらないことを明確にする。

自分の中でも本当にやりたいことに集中できるような気がしています。

まとめ

今回は、提供していない業務・やらないことを明確にしている理由について書きました。

その裏返しで、できること・やることを業務メニューに掲げています。

それらを明確にしたことでお客様にご選択いただくことも可能なのかなと思っています。

「提供していない業務・やらないこと」を見ていただくことでやめておこうと思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、それはそれでいいんです。

もしその部分も納得していただいてご依頼いただけるお客様がいたら、ご希望に沿うようにお仕事させていただけたらと思っています。

そのための線引きとして事前にご確認いただこうと思って、最初から明確にしているわけです。

では。

[事務所お知らせ]

編集後記

昨日は午前中、家業の経理を集中してやっていました。

ほかの家族の仕事の進捗度合いからなかなか経理を毎日できる状況ではなく、最近は数日分をまとめてやることが多くなっています。

幸いなことにそれほど件数が多いわけではありませんので数時間すれば一区切りできるのですが。

その後は調査マニュアルの作成とフォルダの整理をしていました。

ダウンロードしたものがたまってきているので。

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