建設業経理から学ぶ税務調査 ③外注費

今回は、建設業経理から学ぶ税務調査の第3回目。

材料費・労務費・外注費・経費の中で特に問題となりやすい外注費について取り上げてみようと思います。

ではなぜこの外注費が注目されるのでしょうか?

まず外注費の特徴から書いてみようと思います。

外注費とは

外注とは、ChatGPTではこう回答しています。

外注とは、企業や組織が自社で行う業務の一部または全部を、外部の専門業者や個人に委託することを指します。 外注により、企業は自社のコアビジネスに集中することができ、非コア業務を効率的かつコスト効果的に処理できるようになります。また、外注先は専門的な知識や能力を提供し、高品質の業務を行うことができます。業務には、ソフトウェア開発、データエントリー、カスタマーサポート、人事管理などが含まれます。

建設工事をしていると、自社でどうしても対応できない仕事があるとそれを専門に扱っている会社(事業主)に外注を依頼します。

外注先には工事が完成したらお金を支払います。

工事が完成することが条件です。

よく外注と比較されるのは雇われている従業員です。

従業員は、雇用契約に基づいて会社の指揮命令に基づいて支払いを受けるものです。

この雇用契約に基づき支払われるものはいわゆる給与となりますが、この場合は工事の完成とは関係ありません。

ここで、外注費と給与を明確に区分できるのかというと難しい場合があります。

例えば、自分で事業を営んでおり、会社に従属しておらず継続的な利益を得ているなどであれば外注費にあたるとされています。

一方で、会社の指揮命令に属しており、作業時間や作業場所が決められている場合には給与にあたるとされています。

これらは一般的な考え方であり区分が明らかでない場合にはこれらをひとつひとつ当てはめていって考えていくことになります。

税務調査で問題となること

外注費で問題となるのは、外注先に支払うものが本当に外注費なのかどうかです。

外注費か給与か

先ほども書きましたけど、外注費か給与かというところは必ず確認されます。

というのは、外注費を支払うか給与を支払うかで消費税と源泉所得税で取り扱いが大きく異なるからです。

  • 外注費:消費税は仕入税額控除ができる・源泉所得税は10.21%で計算
  • 給与:消費税は仕入税額控除ができない・源泉所得税は給与の税額表で計算

源泉所得税の場合、外注費の支払のうち源泉徴収の対象となるものに限られています。

つまり、調査官としては、外注費ではなく給与だと主張して間違いを認めさせたのなら消費税と源泉所得税両方の誤りを指摘できるので調査事績を稼ぎやすいのです。

ただ外注費と給与は明確に区別できない場合のはどうしても時間がかかります。

調査時間が限られていることもあって正直調査官も指摘しづらい部分ではあるのは確かです。

しかし、個人的な見解ですけど、

  • 会社からもらう明細に時間や単価が書いてある
  • 雇用契約書がある
  • 会社から指示された現場で働いている

は給与の可能性が高いのかなと感じます。

現金払い・遠隔地

外注を依頼する際、完成まで時間や費用がかかるのであれば契約書を交わすことが一般的です。

しかし、ちょっとした手直し程度のものですと現金でその現場で手渡しするだけということもありえます。

それを外注費として処理した場合に、本当に支払ったのかというのが問題となります。

また、支払先が現場より遠い方や1回限りお願いした外注先などは特に注意が必要です。

外注費の支払ではできるだけ現金は使わないこと、もし現金を使う場合には領収書の交付はすべきです。

領収書を受け取る際には必ず住所や氏名は記入してもらいます。

できれば連絡先電話番号なども記入してもらうといいでしょう。

なぜかというと、この支払に関して税務調査の際に問い合わせがあったときに外注先にも問い合わせが行く旨を伝えることができるからです。

領収書や明細書を作らない

現金払いの場合は領収書や明細書を作成し忘れてしまうこともあるかもしれません。

「外注費です」と主張したとしても証拠となる書類が残っていなければ調査官も確認しようがありません。

本当に外注先に支払われているのかどうかを、調査官は外注先にまで調査範囲を広げることがあります。

これを反面調査と言ったりしますが、反面調査が行われると外注先も気を使いますし下手したら取引関係に影響を及ぼすこともありえます。

ですので、反面調査が行われないように領収書や請求書の保存は大切ですし曖昧な回答をしないように気を付けるべきです。

まとめ

外注費は建設工事では特に問題となりやすい項目かなと思います。

材料費で問題となることは多くないですし、労務費(給与など)は源泉所得税の計算が問題となることはありますけど外注費ほどではありません。

支払っていない架空の外注費を計上して自分の生活費に充てるなど不正しやすい項目なのです。

領収書を作って払ったことにする、ということは簡単にできるものです。

しかしこれが調査で指摘されてしまうと不正ですので重加算税という重たい罰金が科されていくことになります。

架空外注費に関してはよく報道もされていますように調査では要注意ポイントになっていますので気を付けておく必要があります。

では。

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