税務署で勤務していたときに、一番最後まで嫌だなと思っていたことがあります。
それは、横とのつながり。つまり、他部門との関係があまりよくないことでした。
他部門というのは、税務署で分かれている担当部門のことをいいます。
税務署では大きく5つの部門と総務課に分けられています。
- 法人課税部門
- 個人課税部門
- 資産課税部門
- 徴収部門
- 管理運営部門
それぞれ担当する業務が異なるので普段は接点はそれほど多くありません。
しかし、たまに一緒に仕事をすることもあるのですが、それがうまく進むこともあればその時にお互いの業務を主張してもめることもあるのです。
今回はその横とのつながりについて書いてみます。
ぜったいその部署にお願いしないといけない
この部門の中で、「管理運営部門」というのがあります。
今まで他部門がやっていた窓口的な業務を寄せ集めてできた部門という感じです。
税務署へ行くとまず目にする「総合窓口」。
この窓口を担当するのが管理運営部門です。
税金納付、申告書や納付書を受理して処理する、などなど。
まずこの部門でいったん書類を受け取って各部門へ連絡してくるので、ここに絶対仕事をお願いしないといけない部門なのです。
しかし、この管理運営部門はつい10年ほど前にできた新しい部門で、もともと他部門経験者が寄せ集められてきているので、専門に経験してきた人はいまだ少ない状況です。
そのため私がいた法人課税部門の仕事が、管理運営部門の担当者によって処理スピードが大きく変わってしまい、申告書が部門に回ってこない・処理されていないなどという事態になります。
管理運営部門も法人課税部門の仕事だけをやっているわけではないので強くは言えないのですが、組織として対応してもらえないのかなと思ったりしていました。
しかし、実際はその部門任せ。いくら言っても改善してもらえませんでした。
他にも、徴収部門と仕事するとき。
調査に行った会社で税金が払えず分割納付をしたいときに連絡して徴収部門へ案内するのですが、調査をした部門の情報がうまく引き継がれないと文句がきます。
まあ当然なんですけどね。
伝えたつもりが聞いていない、初めて知ったから、など理由をつけて責任転嫁をしてくることも。
まあお互いさまなのですが。こちらの責任でもあるのでできる限り応えるようにはしていましたけど。
私は退職前内部で仕事をしていましたので、他部門と仕事をすることが比較的多くありました。
できるだけ関係性を保ちたいと思っていたほうでしたので、
- 他部門へ顔を出しに行って処理の状況を聞く(書類を取りに行く、渡しに行く)
- 雑談もかねて情報収集(人間関係を築く)
ということをやっていました。
そうすると、その部門での仕事の進め方も理解できてきて文句も言われないようになりましたし、その部門ならではの人間関係も知ることができました。
やはり仕事をお願いする立場。文句ばかり言っても意味はないので、できるだけ交流をもつようにしていましたね。
確定申告期ー組織全体として取り組むと毎年言っているが…
一番問題なのが、2月16日から始まる確定申告時期。
税務署ではよく「組織一丸となって取り組む」と言って、全部門へ対応をお願いするのです。
もちろん、法人課税部門も確定申告期は税務調査へ行くことは基本的にありません。
この期間は確定申告会場で申告書作成の相談・窓口での申告書収受・申告書の審査などのお手伝いをするわけです。
全部門でお手伝いをして、残業をしたりすることも。
確定申告は、メインとして個人課税部門が仕切ります。
こういう事務をお願いしたい、どれだけの人数をここにおいてほしいなどと依頼されます。
ただ、部門の関係性がよくないと、この人数の割り振りや事務の流れが悪くなってしまうのです。
上司同士でよく言い争いしてましたし、部下である私たち職員同士も嫌な印象を持ち続けていました。
「なぜ自分の都合ばかりで動くのだろう?」とお互い思っていたと思います。
他部門へ仕事をお願いしているのに自分たちはのんびりしていたり休暇を取得したりすることも。
そういうのを目にすると、「こっちも手伝わないよ!」となるわけです。
確定申告期間中に、組織が一体となったなと思うことは私が知る限り一回もありません。
適度な関係でいいような気がする
正直今後もこういう人間関係や組織は変わっていくことはないと思います。
だって、自分の意見を言えば反発はきます。
それを乗り越えていくのも必要だと思う一方で、意見を聞き入れるということも必要だなと。
これはどの仕事・どの会社でも当てはまるかなと思うのです。
協力できるときに協力する。そのくらいの適度な関係性があればいいのかなと今は思います。
私はある時期、管理運営部門の仕事の一部を手伝っていたことがあります。
仕事が遅れていたので私がやっていました。
ただそれはやりすぎだったな、と今になって思います。
その部門全体の仕事の流れを無視して、自分の部門の仕事を優先してほしかったというのがあったからですが、正直周りから見たら嫌なやつだなと思われていたかもしれません。
お願いしているのであればそれが終わるまでいったん待ってみる、でよかったのかなと。
ただ、管理運営部門の方からは手伝ったことですごく親切にしていただけましたけどね。
まとめ
今回は、税務署における横のつながりについて書いてみました。
正直、どうしても頼らざるをえないのが税務署の他部門です。
そこでいかにぎくしゃくせず適度な関係を保つか。
組織って面倒だなと思うことのひとつですね。
では。
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