記帳指導を終えてみて

先週金曜日、記帳指導が最終回を迎えました。

正直終わった実感がありませんが予定日程はこなした感じです。

初めての経験でしたし、どうやったらいいのか毎回試行錯誤を繰り返しました。

そこで、今回経験したことを備忘録として残しておこうと思います。

記帳指導とは

記帳指導とは、個人事業主のうち、記帳指導の受講を希望した者が記帳及び決算の仕方から確定申告書の記載の仕方まで税理士が指導するものです。

対象となる人は税理士が関与していない個人事業主の方が対象となっていて、税務署が対象となる方を選んで税理士へ依頼してきます。

事前に税務署から依頼を受けたときには、

  • 税理士ひとりにつき2件
  • 受講者は基本的にパソコンが使えてZOOMでオンラインで受講が可能

という説明を受けておりました。

昨年10月から今年の2月までの5か月間に全4回実施することになっていました。

1回90分間という時間目安があります。

また、毎回やるべきことが事前に示されていて全4回を計画的にやっていかないといけません。

1人はZOOM・1人はZOOM⇒対面に変更

10月から開始するにあたって事前にZOOMの設定チェックをすることになっていて、事前に2人の方と打ち合わせをさせていただくことになりました。

しかし、1人が回線が不安定なのでZOOMが使えないため対面にしてほしいとの希望がありました。

コロナ感染予防の観点から事前に税務署と支部会の税理士とも話し合った結果、例外的に対面でやることになりました。

実施場所も守秘義務の関係もありますし数字を扱うものは公にしないほうがいいと判断し事務所(ご自宅)へお伺いさせていただくことになりました。

お伺いする場所は山間部にあり、バスで片道1時間かかります。

私が住むところでも相当な田舎ですので一度行ってみたいなという気持ちもあり毎回軽い旅行気分だなと思いながら楽しみにしていました。

事前に準備したもの PowerPoint資料と案内文

毎回ある程度やることが決まっているわけですが、記帳指導自体やったことがありません。

なのでまずは「やらなければならないこと」を資料化してみようと思いつきました。

PowerPointで毎回やることを整理して図解も加えていきました。

10月第1回が始まる前までに全4回分をいったん完成させておきその後は微調整を加える感じにしておく作戦です。

実際に作ったものはこんな感じです。

なぜ資料を作ったのかというと、お伝えし忘れないように整理しておきたかったことと今後対象者の方が申告するときに参考にしていただきたいなと思ったからです。

初回には書籍から引っ張りだしてきた事業でよく使う勘定科目リストと、記帳の流れが分かる資料を別途添付しました。

あと、記帳指導が始まる前に、今後の記帳指導の流れを把握していただくために私から案内文を作成してお送りしました。

案内文には、

  • 実施日前にPowerPoint資料を送付すること
  • 1日前にZOOM IDとパスコードを送付すること
  • 連絡手段

などを入れておきました。

これも私がスケジュールが混乱しないように事前に整理しておきたかったためです。

失敗談

ここからは実際に起こった失敗について書いてみたいと思います。

私の要領の悪さが前面に出てしまいました。

資料を作り込みすぎた 相手に合わせて説明省略を

実際に予定されていたものをすべてやらなければならないと思い込んでいて、資料にいろいろ盛り込みすぎました。

特に第1回目・第2回目は同じ内容でしたが、今されている事業に関係のないことまで資料にしてしまっていました。

例えば、消費税。

例えばインボイス制度ですが、ご本人様が相手とされるのは一般のお客様でしたので実際あまり影響がありません。

もちろん免税事業者ですし。

また、源泉所得税。

ご本人様おひとりで事業をされているため給与を支給するという場面がありません。

年末調整も関係ないですし法定調書も関係ありません。

なので本当に今必要なところだけをまずお伝えすればよかったなと反省しました。

すべてをお伝えしようとして混乱されているところもありましたので。

ただその逆で源泉所得税でも報酬を受け取った時の源泉所得税の記帳方法はもっとご説明するべきだったなと感じます。

実際資料には少ししかふれていなかったのですが、お二人とも質問されましたので。

結局第2回目からはご本人の事業に合わせて資料の説明を省略しました。

実際、第1回目をやってみて思ったのは、結局何がお困りなのかということかなと。

第2回目はまずご本人の記帳状況を確認させていただき、どういうところが難しかったのかをお聞きすることから始めました。

資料説明を後回しにしたんです。

結果として、資料はほとんど説明しなかった部分があります。

正直今それを説明されてもきっと忘れるでしょうし。

最初からすべてを説明するのは第1回目で諦めました。

方向性を変えて結果よかったのかもしれません。

時間通りに終わらない

資料どおりやると全く時間が足りませんでした。

説明をすると時間ばかりが気になってしまい早口になったり。

あまり資料を作りすぎるのもよくないなと感じます。

また、突然何が起こるのか分からないものです。

  • 手元にないから取ってきます(⇒事前に用意してもらうべきだった)
  • まだ届いていないことを知る(⇒事前に確認すべきだった)
  • 操作が分からなくなる(⇒調べておくべきだった)

まあすべて準備不足が原因なんですけどね。

ZOOMの操作(画面共有)

ZOOMの操作、特に画面共有がうまく行かずに時間を無駄にしてしまいました。

私の設定がいけなかったわけではなかったのですが何をしてあげることもできず。

ZOOM操作も税理士会から操作マニュアルをいただいていましたがそのとおり操作をしてもうまくいかないこともありました。

パソコンが使える前提で話を進めてしまった

これが最大のミスですね。

対象者全員がパソコンを使えるという認識でいたのです。

使えるにも程度があると思いますが、私も得意ではありませんがExcelでの数値入力や国税庁ホームページの操作はできると思っていたのです。

しかし、今回パソコンが本当に苦手な方がいらっしゃいました。

Excelでの入力で四苦八苦されていてコピペすらままならない感じ。

パソコンといってもタブレット程度の小さなもので入力もうまくいきません。

結果、「パソコン教室」と化してしまい2回分ロスしてしまいました。

最終的にその方は日々の記帳はExcelで、決算書と申告書は手書きで提出していただくことになりました。

当初の税務署の説明はいったいなんだったのでしょうか…。

連絡がこない・キャンセル

よくあることのようです。

当日にキャンセルになることもありましたし、連絡がまったく取れなくなったこともあります。

その時は税務署の担当者に逐一報告をしたり報告書を作ってお送りしたりしていました。

状況を知っておいていただいたほうがいいと思いますので。

お礼のメッセージ

ひととおり申告書の送信が完了したある日、対象者の方からお礼のメッセージをいただきました。

まさか感謝されるとは思っていなくて正直うれしかったですね。

まず税務署勤務中にお客様からほめられたことなんてほぼありませんでしたから。

記帳指導をやってみてよかったなと思います。

まとめ

来年以降はまだどうするか決めていません。

ただ経験してみてよかったと思います。

何がお困りなのか。

そして記帳を少しづつでもやっていく大切さをお伝えできたらそれでよかったのかなと感じています。

では。

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