老齢年金と給与収入がある場合は確定申告が必要だと思って

年金相談で毎回お話して驚かれるのは確定申告の話題をしたときです。

自分で確定申告をしていただく必要があるため顔色が曇ってしまったりめんどくさいと言われることもあります。

なぜ確定申告が必要なのか

原則65歳から受け取る老齢年金には税金がかかります。

さらに勤務先から給与をもらっていると確定申告をご自身でしていただくことが一般的です。

勤務先から受け取る給与やボーナスについては、会社で年末調整という手続きを踏んで1年間の税金の精算をすることにより源泉徴収票が発行されます。

給与やボーナスのみを受け取る方は税金の精算が年末調整で終わっていますので確定申告をする必要はありません。

一方、老齢年金も税金がかかりますのでその1年間の税金について記載された源泉徴収票が日本年金機構から送られてきます。

給与やボーナスは給与所得・老齢年金は公的年金等の雑所得として2つの所得(もうけ)が発生しています。

お金を受け取っていますし、どちらも税金がかかっているものですので2つを足して改めて税金の精算をする必要があります。

2つの所得を足して税金の精算をするのが「確定申告」なのです。

給与やボーナスのみの場合は勤務先で年末調整をしてもらえば済みましたけど、確定申告はご自身でやっていただきます。

自分でやらないといけないというめんどくささと不安を年金相談の場で訴えられます。

では、もし確定申告をしなかったらどうなるのでしょう?

確定申告をした情報が市区町村に送られて税金(住民税)や国民健康保険料や介護保険料などが計算されます。

2つの所得を合わせるという作業をしていなければ、勤務先から市区町村に提出された給与やボーナスの情報(給与支払報告書)しか反映されていません。

つまり、老齢年金の情報が漏れていることになります。

ちなみに、日本年金機構からは老齢年金を受け取っている情報が送られているため、本来確定申告をしなければならないの申告をしていないという状況になります。

申告をしていないため後日税務署から連絡が来て申告をするように指導を受ける可能性も考えられます。

なので、一般的に給与・ボーナスと老齢年金両方を受け取っている場合には確定申告が必要だという案内はするようにしています。

よくある相談

実際年金相談の対応をすると以下のような相談をお受けします。

勤務先に老齢年金の源泉徴収票を渡せばいいよね?

勤務先が行う年末調整は給与所得のみです。

年末調整は老齢年金は行うことができませんので、勤務先に老齢年金の源泉徴収票を渡したところで何もやってもらえません。

ご自身で確定申告が必要です。

確定申告がめんどくさい。やらなくていいよね?

実はめちゃくちゃ多いこの質問…。

老齢年金を受け取っている人の中で年金収入が400万円以下であれば確定申告をしなくてもいい制度があります。

しかし、老齢年金を受け取っているほかに1年間の給与収入が85万円を超える場合は確定申告が必要だと思っておいてください。

年金受給者の確定申告が不要となる制度はあくまで所得税のみです。年金収入や給与収入がいくらであったとしても原則住民税の申告は必要です。

給与やボーナスのみの方は年末調整が終わったら何もしなくてよかったので自分で確定申告をすることに不安を覚える方は少なくありません。

給与の源泉徴収票と老齢年金の源泉徴収票2枚を合わせて税務署や税理士に相談をして作成することになります。

ただ、税務署は混雑しているし税理士に頼むとお金がかかるからめんどくさい・やらなくてもいいと考えている方がおられます。

確定申告をすることにより税金や保険料が上がってしまうことを知っていてあえてしたくないという方も。

しかし、2つの所得のうち1つを申告していないことになりますので本来やってはいけないことです。

もちろん市区町村には2つの所得があることは把握されています。

税金や保険料への影響が少ないからたまたまバレていないだけ。

バレなければいいやではなく間違っていることをしているので、年金相談の場では原則どおりのお話をさせていただいています。

まとめ

給与と老齢年金両方もらっている方で確定申告の話をすると「知らなかった」と言われます。

確定申告をしなくてもいいのは、極端な話「老齢年金のみを受け取っている人」だと思っていただけたら忘れないと思います。

では。

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