年金を受け取っており確定申告をしている方が年の途中で亡くなった場合には、相続人が代わりに準確定申告をしなければなりません。
その際、死亡日まに支払われたその年分の年金に係る源泉徴収票が交付されます。
この「準確定申告用の源泉徴収票」について今日は書いてみたいと思います。
準確定申告用の源泉徴収票の交付
死亡した方が確定申告をする必要がある場合、相続人は相続の開始のあったことを知った日の翌日から4カ月以内に申告をしなければなりません。
これを準確定申告といいます。
日本年金機構では、相続人の申請に基づき、年金を受け取っている方に死亡日までに支払ったその年分の年金に係る源泉徴収票を交付します。
相続人(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)が死亡届を提出した場合、「準確定申告用の源泉徴収票」を死亡届を提出した方宛に原則自動的に送付されます。
準確定申告用の源泉徴収票は、死亡届や未支給年金の手続き後おおむね2~3カ月で発送されます。
しかし、年金を受け取っている方が12月15日から翌年2月15日までに亡くなった場合は通常の公的年金の源泉徴収票が送付され準確定申告用は送付されません。
年金の支払月と未支給年金
公的年金の支払月は原則偶数月の15日となっていて、2か月分を完全後払いで受け取ります。
つまり、12月15日支払は10月分・11月分の年金ですし、翌年2月15日支払は12月分と翌年1月分の年金です。
未支給年金とは、年金を受け取る権利があるものの本人が亡くなったことにより支払われていない年金のことです。
年金を受けている方が亡くなった場合には、亡くなった月まで年金を受け取る権利があります。
この未支給年金は生計を同じくしていた遺族の方が請求をすることで受け取ることができます。
ここから、亡くなった日が2月15日前後でどうなるのかを考えてみます。
2月15日より前に亡くなった場合
2月2日に亡くなった場合には、2月分まで年金を受け取ることができます。
そのため、2月15日支払の年金(前年12月分と1月分)と4月15日支払の年金(2月分のみ)が未支給年金となり遺族の方が受け取ることができます。
しかし、2月15日支払の年金はすでに振込手続きに入っていて亡くなった方の口座に振り込まれることが一般的です。
この場合には、
- 2月15日支払の年金(前年12月分と1月分)
- 未支給年金(前年12月分・1月分・2月分)
この2つが「相殺」されることになり、別途2月分の未支給年金が請求した方に振り込まれることになります。
ということは、2月15日支払分の年金は未支給年金と相殺されてしまっていますので、亡くなった方が亡くなった年にもらえる年金をすでに全額受け取っていることになります。
したがって、通常通り「公的年金の源泉徴収票」が送付され、準確定申告用の源泉徴収票は送付されません。
2月15日より後に亡くなった場合
2月20日に亡くなった場合も同じように2月分まで年金を受け取ることができます。
しかし、2月15日支払の年金が振り込まれた後で亡くなっていますので、2月20日までに受け取ったその年分の準確定申告用の源泉徴収票が送付されることになります。
この準確定申告用の源泉徴収票には2月15日支払の前年12月分と1月分の年金額が記載されています。
まとめ
手続き後2~3カ月経過しても準確定申告用の源泉徴収票が届かない場合は亡くなった方の基礎年金番号を準備のうえ手続きをしたご本人から年金事務所へ問い合わせます。
意外と準確定申告用の源泉徴収票の発行に時間がかかりますので相続税申告の際には慎重に対応したいですね。
では。