病気やケガにより障害を負って日常生活に支障がある場合には今後の生活補償のために障害年金を受け取ることができます。
しかし、その際には判断に迷うことも多いため障害年金を専門にしている社会保険労務士に依頼されることもあります。
その際依頼するかどうかの目安について私見を踏まえて書いてみたいと思います。
障害年金を受け取るための要件
障害年金を受け取るためには3つの要件をすべて満たさなければなりません。
- 初診日要件
- 保険料納付要件
- 障害程度要件
この中でも実はとても大変なのは初診日を確定することです。
初診日ははじめて病気やけがで病院へ行った日ですけど、この初診日から1年6か月後の障害状態で障害年金が受け取れるかどうかが決まります。
そして、初診日に加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)で障害年金の金額等が決まりますので初診日がとても大事になります。
【事務所お知らせ】障害程度がはっきりしているものは自分でも可能
ケガや病気の中で障害の程度がはっきりしているものは初診日も判断しやすいです。
例えば、人工関節とか心臓ペースメーカーを入れたなどは手術があったりしますから外見でも障害の程度が大きいことがわかります。
障害年金の請求時に必要な診断書を書くのは医師ですけど、どの医師が見ても障害が残っていると判断できるようなものは自分でも請求は比較的しやすいとされています。
実際障害の程度の目安として障害認定を判断する基準が公表されていて、この障害なら何級程度かは判断できるようになっています。
- 人工骨頭・人工関節を挿入置き換え:上肢三大関節または下肢三大関節に人工関節を挿入置換した場合は原則3級
- 在宅酸素療法:3級(24時間常時使用の場合)
- 心臓ペースメーカ装着:3級
- 心臓移植:1級
- 人工透析療法:2級
- 人工肛門造設・尿路変更術:3級
など。
ただし、あくまで初診日要件と保険料納付要件を満たしている前提となります。
他人から見ても判断するのが難しいものは専門家へ
一方で、うつ病や発達障害など、外見からは病気なのかどうか判断が難しいものについては専門家にお任せするほうがいいと思われます。
というのは、うつ病になってはじめて病院に行った日が初診日になるとは限らないからです。
例えば、うつ病より前に体調不良で内科を受診していたことがある場合には、この内科を受診した日が初診日になることもあります。
また、障害の程度については診断書を書く医師に左右されるといっても過言ではありません。
医師の前で元気に受け答えをしていたら診断書でも元気だと書かれてしまうでしょう。
そうなったら障害の程度は軽く見られてしまうことになり障害年金を受け取れないという可能性も考えられます。
この点、うつ病や発達障害についての障害年金の請求についてはその業務に精通している専門家である社会保険労務士に頼っていったほうがいいかと思います。
社会保険労務士に頼む理由として、自分で年金事務所等に足を運ばなくてもいいという点があります。
障害年金の請求にあたっては通常3回程度年金事務所等に足を運んでいく形です。
うつ病や発達障害をお持ちの方の特徴として、時間通りに行動できないとか外出も億劫だという場合が多いです(私もそうでしたから)。
そんなときに代理で手続きを進めてもらえる方がいると安心だと思うんですね。
もちろん社会保険労務士に依頼をすれば報酬が発生するため躊躇される気持ちもわかりますけど、年金のもらえる可能性が高くなるのなら依頼するべきでしょう。
もちろん確実に障害年金を受け取れるかどうかはわかりません。
しかし、まず障害年金を専門に扱っている社会保険労務士は経験値が異なります。
このほか、障害年金の請求においてがんも非常に難しいとされています。
がんになった場合でも日常生活は普通に過ごせる場合もありますので外見からだけでは判断しづらい場合があるからです。
まとめ
医師(または他人)から見て明らかにケガや障害を負っていることがわかる場合は自分でも請求を進めていきやすいです。
ただ自分で請求を進める場合、年金事務所等に何度も足を運んでいただくことになりますので負担に感じるのなら専門家に依頼いただいたほうがいいかと思います。
では。