ネイリストなど美容関係の仕事をされていると次回以降も来ていただくためにお客様にポイントカードをお渡して利用してもらうことがあります。
ポイントがたまったら割引きのような形で。
その際の経理方法について書いてみたいと思います。
売手と買手
ポイントカードの利用を考えるうえで大事なのは、どちらが売手でどちらが買手なのかです。
今回は、売手はネイリストであり買手(サービスを受ける側)はお客様です。
ネイリストがネイルをすることでお客様から施術料金を受け取ります。
その際に発行したポイントカードを利用いただいたときにどう経理するのかを考えていきます。
【事務所お知らせ】ポイントカードの使い方
お客様にポイントカードを渡し、今回や次回以降のお会計金額によりポイントが付与されます。
一定のポイントがたまるとお会計から値引きするという形を取っているとします。
ポイントが付与されたとき
ポイントが付与されたときは、経理は行いません。仕訳をしないということです。
なぜかというと、この時点で付与されたポイントがいますぐ利用されるかどうかわからない(利用されない)からです。
付与されたポイントは把握しておく必要がありますけどこれはサロンボードなどで管理することができます。
そのため、経理としては売上が発生したことを仕訳するだけとなります。
ポイントが利用された場合
お客様からポイントが利用された場合には、経理として2つの方法のどちらかで仕訳をします。
- ポイント分を「売上の値引」とする:一般的な割引は経理をする際には値引きで仕訳を行います
- ポイント分を「販売促進のための費用」とする:販売促進費
売上値引は売上をマイナスするものであり、販売促進費は経費にするということです。
ということは、結果的にどちらの方法を取ったとしてもトータルの利益(もうけ)は変わりません。
売上値引とする場合の仕訳
売上10,000円のうち、ポイントを1,000円分利用したあとの残りを現金で受け取った場合は以下のようにします。
(借方)現金 9,000円 (貸方) 売上 9,000円 ○○売上
(借方)売上値引 1,000円 (貸方) 売上 1,000円 ○○ポイント利用分
売上は合計すると10,000円ですが、あえて私はこのように値引き分があることを仕訳で表現するようにしています。
販売促進費とする場合の仕訳
売上10,000円のうち、ポイントを1,000円分利用したあとの残りを現金で受け取った場合は以下のようにします。
(借方)現金 9,000円 (貸方) 売上 9,000円 ○○売上
(借方)販売促進費 1,000円 (貸方) 売上 1,000円 ○○ポイント利用分
売上値引ではなく販売促進費という経費の勘定科目を使います。
サロンボードに合わせる
サロンボードには売上を管理できる画面があります。
売上情報画面を見ると、総売上としていくらと表示されています。
施術分・店販分・オプション分など内訳ごとにいくらかも表示されます。
その総売上から割引分を差し引いて純売上が表示されます。
この「割引分」というのがお客様がポイントを利用したときに値引きした分です。
このようにサロンボードの表示に合わせる形で経理したほうがわかりやすいと考え、売上値引として売上をマイナスする方法にしています。
まとめ
今回はポイントカードを発行し利用してもらったときの経理について書いてみました。
自分が売手なのか買手なのかの立場を把握しておかないとヘンテコな経理をしてしまいますので注意したいところです。
では。