税大講本を活用してみよう

「税大講本」というものをご存知でしょうか?

税務大学校講本(税大講本)は、税務職員採用後初めて税法に触れる研修生に税法の基礎的知識を学ばせるための研修テキストです。

毎年改訂されているのですが、今年も令和5年度版が国税庁ホームページに公開されています。

私も何かと機会を見つけては眺めるようにしています。

「税大講本」を作っているのは誰か

研修生向けのテキストですが、法人税や所得税に加えて国税通則法や間接諸税などもあります。

特に国税通則法に関しては、期限の話や加算税・延滞税の話、税務調査手続きについても書かれてある大切な法律ですがあまり解説されている書籍が見当たりません。

この税大講本は誰が作っているのかというと、税務大学校において研修生を指導する「教授」と呼ばれる方たちが作っています。

教授は税務署の幹部や国税局において活躍されてきた方でその分野を専門的に経験されてきた方が異動されてきます。

税務調査に長けている方もいれば審理分野に長けている方もいまして、1つの科目に複数人いらっしゃいます。

私が国税専門官として採用されて最初に受けた研修での担当教授は資産税担当(相続税・贈与税)でした。

その後ある専科研修での担当教授は法人課税部門の消費税担当でした。

その教授たちが知恵を絞って毎年改良を重ねられている教材です。

【事務所お知らせ】  

基礎的知識だけど抜け落ちている

「初めて税法に触れる研修生に税法の基礎的知識を学ばせるため」と冒頭に書きましたけど見直すと意外と抜け落ちている自分に気づきます。

特に普段使わない税法は。

国税通則法は税理士試験では出題されない部分かもしれませんが、研修中は国税通則法の理解にかなりの時間をかけていました。

法人税法や所得税法の各論は後からです。

税理士試験のアプローチとは一線を画していました。

もちろん基礎的知識ですので読むと思い出しますけどやっぱり見ておかないと不安ですね。

無料でダウンロードできる

税大講本は国税庁ホームページから無料でダウンロードできます。

税大講本|国税庁

1科目ごとのボリュームはそこそこありますが、全部を読むのではなく忘れていた部分だけをピックアップするでもいいでしょう。

国税通則法における延滞税の計算などは一瞬忘れそうになるので見返すようにしています。

こんな感じで設例と図解で解説されています。

税大講本 国税通則法(基礎編) 令和5年度より

あと、全体像を把握するために使用するというのもありです。

このような体系図も入っています。

税大講本 国税通則法(基礎編) 令和5年度より

どうしても細かいところに意識がいきがちですので。

個人的には、国税通則法を無料で勉強できるので活用させていただいています。

税金を知るのにどの本を読んだらいいか分からない方に

税の専門家だけでなく税金を知りたいけどどの本を読んだらいいのかよく分からければこちらの税大講本をひとつずつ読むのもいいかと思います。

研修ではこの講本と条文を引く練習をしますのでこの範囲から外れることはありません。

講本を読むことで基本的な部分を知ることができますので専門書を買わなくてもいいのかなと思います。

ただ言葉が多少難しく感じることがあるかもしれませんので、ネットで調べるなどしながら読み進めることをおススメします。

まとめ

私が税大講本を見るときは、前年とどこが変わっているのかという確認や税制改正があった部分のチェックそして普段使わない税法の確認にあてています。

税大講本にはこのほか専科研修で使う講本もありますがこれは非公開です。

しかし、正直そこまでいらなくて公開されているものだけでも充分な情報を得ることができます。

税大講本をうまく活用して実務に役立たせてもいいと個人的に思います。

では。

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