「年末調整計算シート」で手間を減らす

国税庁ホームページに、年末調整計算シートというものが公開されています。

給与計算ソフトを使わずに金額を集計されていたりしますと、手書きで計算をするのはなかなか大変です。

端数の切捨て処理や計算間違いなど起こりやすくなります。

令和4年分から公開されていて、もし年末調整計算に不安があるのなら導入してもいいのでは?と思って今回ご紹介させていただきます。

【事務所お知らせ】  

年末調整計算シートとは

国税庁ホームページには以下のような説明があります。

 「年末調整計算シート」は、給与所得者(従業員)の給与の総額や控除対象扶養親族の人数などを入力することで、その給与所得者(従業員)の年末調整の税額計算を効率的に行うことができるものです。
なお、控除対象扶養親族の人数などの入力は、従業員から提出を受けた「給与所得者の扶養控除等申告書」などの申告書を基に行いますが、この「年末調整計算シート」の中では、その入力のしかたや、「控除対象扶養親族」などの専門用語の意味についても説明しています。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/nencho_keisan/index.htm

「年末調整計算シート」は「Excelブック(拡張子「.xlsm」)」のデータです。ご利用にはMicrosoft office Excelがインストールされたパソコンが必要と書かれてあります。

以下から適宜の場所にダウンロードをして使います。

シートは黄色の部分に数字を入力することで自動計算されていきます。

シートの見出しには入力のしかたの説明があったり、

各種申告書のどの数字を入力すればいいのかが案内されています。

配偶者控除や配偶者特別控除など配偶者や本人の所得により金額が変わる場合、正しい控除額が入力されていないとエラーが出るようになっています。

例えば、

配偶者控除額を入力する際、「配偶者の合計所得金額を先に入れてください」と案内がでます。

例えば、配偶者の合計所得金額を1,300,000円で控除額38万円と入力したとします。

すると、「配偶者の合計所得金額と配偶者(特別)控除額⑰欄の金額が対応していない」というエラーメッセージが出ます。

このほか、国税庁ホームページに掲載されている情報をクリックすることで確認することができます。

具体的に入力をしてみます。

まず、扶養控除については、扶養控除等申告書のとおりに入力をしていきます。

黄色の部分に該当する人数を入力すると、自動計算されます。

このほか、生命保険料控除額や地震保険料控除額については、青色文字部分をクリックすると「入力のしかた」画面に移動します。

「申告書の該当部分を見る」をクリックすると保険料控除申告書の画面が出てきて自分で支払った金額を計算したあとの金額を入力することがわかります。

支払金額から控除額を計算しないといけないので個人的にはめんどうだなと感じます。

自動計算してくれればいいんですけどね。

このほか、基礎控除についても、基礎控除申告書で求めた控除額をドロップダウンリストから選ぶようになっています。

そしてすべての入力が完了したら自動計算をして、年調年税額が計算されています。

年末調整計算シートが活用できる場面

手書きで計算されている場合もこのシートは有効ですが、特に私がおススメするのは扶養控除の見直しのお尋ねが税務署から届いた場合です。

扶養控除や配偶者控除に誤りがあると想定されるため、もし訂正が必要であれば給与の支払者側である会社や事業主側で再度年末調整をしなければなりません。

その際、当初の年末調整書類はそのままで、こちらの年末調整計算シートを使って修正後のものを入力するとその差額分を計算することができます。

例えば、所得超過により扶養控除を受けられなくなった大学生がいたら、特定扶養親族を1人減らしてシートに入れさえすればいいのです。

年末調整ソフトでされていた場合には呼び出して修正…なんてしなくてもこの計算シートがあれば充分対応することができます。

まとめ

今回は、年末調整計算シートについて解説してみました。

個人的には扶養控除の見直しを依頼されたときや年末調整計算のチェックをするときに使うのが効果的かなと感じます。

では。

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