今年の記帳指導を振り返って

先週、今年の記帳指導がすべて終了しました。

昨年8月からスタートしていましたが今回は少し様子が違ったので感想を書いてみたいと思います。

【事務所お知らせ】  

記帳指導3年目

記帳指導とは、税務署から依頼を受けた税理士が、小規模の個人事業主に対して経理記帳から決算書・申告書の作成と送信までをサポートするものです。

全4回で行い、1回は90分。

各回で指導内容は決められていますが、主に、

  • 1回目:経理記帳の仕方
  • 2回目:1回目の復習
  • 3回目:これまでの復習と決算書の作成方法
  • 4回目:これまでの復習と決算書・申告書の作成と送信

という感じです。

1回目は初回ということもあって個人事業主の方がどこまで経理を理解されているのかがわからずそのヒアリングから入るため時間がかかります。

また、4回目は国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」の操作が初めての方ばかりですので90分で終わった試しがありません。

3年もやっていると1回目と4回目に関しては事前に90分で終わらないことはご説明させていただいています。

ただ税務署側からできるだけ「全4回・90分以内で終わらせてほしい」ことは言われていますが事前に了解をいただいたうえで臨機応変に対応させていただいています。

今回の記帳指導

令和5年は4件の記帳指導を担当させていただきました。

令和4年は5件でしたので1件減少です。

しかし、個人事業主のわりに規模がある程度大きいところが選ばれていました。

というのは、昨年10月から始まったインボイス制度により新たに消費税の申告が必要になった個人事業主の応募が多かったようなのです。

記帳指導は確定申告時期に希望する方が応募する仕組みです。

希望者の中から税務署側が選び私たち税理士に割り当てられます。

私が指導させていただいた方は、一人親方・農家・工事業など。

税務署側からの要望で今年はインボイス制度の説明に時間を割いてほしいと言われていました。

8月から12月で全4回のうち3回をやるので2か月に1回のペースです。

今年はおひとりを除いて対面での実施となりました(最終的にこのおひとりも対面実施)。

ご自宅や事業所にお伺いして実際に帳簿などを確認させていただいたり、こちらで事前に作成したレジュメをもとにお話しさせていただきました。

1回目からインボイス制度の説明を盛り込めるよう税務署で配布されたパンフレットを見ながらパワポでレジュメを作成しました。

1回目を実施した段階でそれぞれの個人事業主の状況が把握できました。

昨年と違って、決算書や申告書の作成・送信を商工会に依頼されている方が多かったんですね。

経理記帳は自分で行い最終的に決算書や申告書を商工会に頼んでいると。

この場合は本来決算書や申告書の作成を指導する第4回目はいらないはずなのですが、一応最後まで自分でできるようになるのが目標です。

そのため、決算書や申告書作成の流れをレジュメベースではありますがご案内させていただきました。

商工会に依頼されている方が多かったこともあり一方的にこちらがお話するよりも疑問点や不安を解消していただく時間にあてることにしました。

  • 経理のここがわからない
  • この仕訳はどうしたらいいの?
  • 会計ソフトの操作がわからない(私もわからない場合は一緒に操作させてもらいながら)
  • インボイス制度に対応した請求書や領収書の準備ってどうしたらいいの?

など、何がお困りなのかは毎回確認させていただいていましたね。

ある農家の方は、毎年手書きで決算書・申告書を作成して提出されていました。

今後は手書きではなくExcelで管理したい気持ちがあり決算書や申告書も確定申告書作成コーナーで作って電子で提出をしたいとおっしゃっておられました。

当初ZOOMで対応していたのですが、徐々に説明が難しいと思うところもあったのと、作成コーナーの操作に時間がかかりそうな予感がしていました。

2回目が終わったとき、令和5年から息子を専従者とし給与を支給しているが給与の源泉徴収の仕方や年末調整などがわからないというお話をお聞きしました。

そこで、3回目は急遽源泉徴収と年末調整だけを説明する回に変更させていただきました。

4回目で決算書と申告書作成の流れをご説明したところ、確定申告書作成コーナーの操作と電子での提出まで見届けてほしい、と。

税務署に相談した結果、追加で5回目を行うことになりました。

5回目はZOOMではなく対面での実施を提案させていただき、隣で操作をしていただくのを見守りながらアドバイスをさせていただく形を取りました。

臨機応変に

毎年思うのは、指導内容はある程度決められているけれど臨機応変に対応することかなと思っています。

一方的に説明するだけでなくご本人がお困りなことを事前に把握して指導内容を変えていくのは全然かまわないと思っています。

全部が全部その方に必要な知識とは限りませんから。

今回皆様が協力的で終わったあとお褒めの言葉をいただきとてもうれしかったです。

まとめ

令和6年の記帳指導ですが、さすがに4年連続はあるんでしょうかね。

もちろん依頼があれば従事させていただこうとは思っています。

従事できることはありがたいこと。

お客様が少ないというのもありますけどそれよりも個人メインで仕事をしている私にとってはこれも営業のひとつになると考えています。

実際記帳指導からご依頼につながることも増えてきていますので。

では。

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