令和5年10月からインボイス制度がスタートしています。
今回は私が今サポートさせていただいている個人事業主のうちネイリスト・美容師・農家・漫画家の方がインボイスを登録するかどうかについてまとめてみたいと思います。
インボイス制度とは
まずインボイス制度について簡単に。
インボイスとは、消費税の金額や税率・事業者の登録番号などが正確に記載された請求書のことをいいます。
インボイスを発行するには、税務署に申請して「適格請求書発行事業者」として登録しなければなりません。
2年前の売上が1,000万円以下の個人事業主は消費税の申告をする必要は従来ありませんでした。
しかし、インボイス登録をした場合には、2年前の売上が1,000万円以下であったとしても消費税の申告と納付をしなければならなくなります。
インボイスを登録するかどうかは売上先がどのような人なのかにより大きく影響を受けることになります。
国税庁ホームページには、インボイス登録をするかどうかを検討するためのチェックシートが掲載されています。
ネイリスト・美容師の場合
先ほどのチェックシートから一部抜粋しました。
消費者~である売上先は、インボイスを必要としません
と書かれてありますように、消費者を相手にする場合には基本的に登録しなくても大丈夫です。
消費者は税務署へ消費税の申告・納税をする必要がないからです。
消費者とはいわゆる「一般のお客様」です。
美容師やネイリストの方の場合、施術をするのは一般のお客様だと思いますのであえてインボイス登録をする必要はありません。
農家の場合
農家の場合には、JAに販売を委託しているかどうかで対応が変わります。
売上先が例えばスーパーなど消費税を申告する事業者である場合には一般的にインボイス登録をすることになります。
しかし、農家の場合にはJAに作物の販売を委託しているケースがあります。
この場合、JAから作物を買う事業者はJAのインボイスをもらうことができますので農家はあえてインボイス登録をしなくてもいいという特例が設けられています。
ただし、以下の2つの方式を適用していることが前提となります。
- JAに販売を委託する際に、売る値段や時期・販売先を指定することなくJAにお任せする(無条件委託方式)
- 農作物の品質が同じでも日や市場別に価格差が出るため、一定の時期内で平均価格を取って農家が受け取る方法(共同計算方式)
農家がJAと取引をする場合には、「無条件委託方式・共同計算方式」であることが多いため、必ずしもインボイス登録をする必要はありません。
漫画家の場合
漫画家の場合は、売上先である出版社や販売委託している書店・イベント主催者が消費税を申告する事業者であるかどうかで対応が異なります。
出版社や販売委託している書店・イベント主催者が消費税を申告する事業者であればインボイス登録が必要です。
まとめ
今回は、ネイリスト・美容師・農家・漫画家の方でインボイス登録をするかどうか迷われている場合に参考になればと思って書いてみました。
では。