19歳から22歳までの子どものバイト収入が見積額を超えていた場合の対応

令和7年12月からの所得税法の改正により、特定親族特別控除が新たにできました。

勤務先にすでに提出してある特定親族特別控除申告書に書いた子どもの所得見積額が12月を過ぎた段階で異なっていた場合はどうしたらいいのでしょうか。

特定親族特別控除とは?

まず、特定親族特別控除について整理しておきます。

本人と生計を一にする19歳から22歳までの子どもで、令和7年中の所得金額が58万円超123万円以下の人を特定親族といったりします。

給与収入でいいますと123万円超188万円以下であれば特定親族特別控除を受けることができます。

控除額は、子どもの所得金額に応じて段階的に決められています。

所得金額58万円以下の場合には、特定扶養親族として扶養控除63万円が控除されます。

【事務所お知らせ】  

特定親族特別控除申告書

令和7年分の年末調整関係書類の中に、特定親族特別控除申告書があります。

勤務先から提出を求められたかと思います。

特定親族が今年中に受ける所得の見積額を記入することになっているのですが、まだ1年たっていないですよね…。

また、控除額の計算を見ていただくと所得が5万円(3万円)違うだけで控除額が変わってしまうんですね。

つまり、提出時点で1年分の所得を見積もった場合には確定額との差が生まれたときに控除額が変わってしまうことがあるのです。

見積額と確定額の差

見積額と確定額の差が大きい場合には当然特定親族特別控除の控除額が変わります。

年明けに勤務先から源泉徴収票が交付される前までに再度年末調整を勤務先にお願いするか、本人が確定申告をして修正をすることになります。

ただし、所得の見積額が58万円以下(給与収入123万円以下)だと思っていたけど所得は85万円以下(給与収入150万円以下)で確定した場合はどうでしょうか?

  • 所得の見積額が58万円以下:特定扶養親族として扶養控除63万円
  • 所得85万円以下で確定:特定親族特別控除として控除額63万円

名称は違えど控除額は変わりませんのでそこまで気にする必要はありません。

配偶者控除38万円と配偶者特別控除38万円というケースと似ていますね。

子どものバイト収入はどこでチェックする?

子どものバイト収入の見積額を仮に子どもからヒヤリングしても正しい回答かどうかはわかりませんよね。

1年間の給与明細をもらって確認をするということもあるかもしれませんけど果たしてそれをもらえるかどうか。捨てているかもしれませんし。

であれば、来年1月以降にバイト先からもらう源泉徴収票を確認することが大事です。

源泉徴収票でいいますと、支払金額が給与収入、給与所得控除後の金額(調整控除後)が給与所得を意味しています。

ただ、この段階では本人の勤務先からも源泉徴収票を受け取っているはずですから、勤務先に再度年末調整をお願いすることはできません。

この場合には、本人が確定申告で修正をしていく方法しかありません。

本人が確定申告をしなければ扶養是正へ

もし本人が確定申告で修正をしなかった場合、この源泉徴収票の情報をもとに市区町村で住民税の計算が行われます。

住民税の計算の際には、子どものバイト先からの源泉徴収票の情報も届いていますので所得要件のチェックが行われます。

そこで、もし所得が越えていたら控除額が違っているという連絡が市区町村から本人の勤務先に届きます。

住民税の修正とともに所得税について勤務先は年末調整を行った結果追加の税金を従業員が支払う形になります。

これを扶養是正と言ったりするのですがこの手間を勤務先にできるだけさせないためには、

  • 子どもの所得の見積をできるだけ正確に行う
  • 見積額と確定額に差があれば本人で確定申告をする

控除額が細かく決められているためこのような割り切った対応をしていただくほうが安全な気がします。

まとめ

19歳から22歳までの子ども場合、給与明細や源泉徴収票は置いてあったり保管していることも多いと思います。

ヒヤリングだけではなくて現物を見ながら確認をすることも大事なのかなと思います。

では。

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