年末調整と法定調書 担当部署が違うのはなぜか?

1月20日は源泉所得税を半年に1回納付する事業主が納付する期限になっています。

また、1月末までに法定調書合計表など法定調書の書類を提出する期限になっています。

どちらも源泉所得税に関係する一連の流れのイメージですけど、実は税務署内で担当部署が違っていることをご存知でしょうか?

なぜこんなことになってしまったのでしょうか。

管理運営部門ができて事務の一部が移行した

もともと年末調整など源泉所得税の計算が終わると法定調書を作成する、という流れになるかと思います。

一連の流れなのに同じ部署じゃないのかと思われるかもしれませんね。

実は私が税務署に採用されたころはこんな感じでした。

・年末調整の計算や質問:法人課税部門の中にある源泉所得税担当
・法定調書の作成や質問:個人課税部門の中にある資料情報担当
しかし、その後組織が変わって窓口部門として「管理運営部門」が新たにできました。
その際、源泉所得税担当の仕事の一部と資料情報担当の仕事の一部が管理運営部門へと移行することになったのです。
具体的にはこんな感じに。
・年末調整の質問:法人課税部門の中にある源泉所得税担当
年末調整に関しての納付書の作成や納付方法:管理運営部門
法定調書の作成と質問:管理運営部門
・法定調書未提出者の調査指導:個人課税部門の資料情報担当
ですので、一部の仕事を移行したためにこんな出来事が起こるようになりました。

電話を掛けると…

例えば、税務署に年末調整の質問をしたとします。

年末調整をするかどうか・扶養に入れるのかどうかなどの質問は、法人課税部門にある源泉所得税担当が対応します。

ちなみに、個人事業主でも従業員を雇って給与を支払い源泉所得税を納めている場合があるかと思います。その場合の源泉所得税の質問も法人課税部門の源泉所得税担当が行います。つまり、「個人」だけど「法人」課税部門が対応しますので違和感があるかもしれませんね。
話が進んでいくと、年末調整をしたあと源泉徴収票の書き方など法定調書の話題へと進むのが通常かと思いますが、そうなると管理運営部門が担当になってくるのです。
源泉所得税担当は管理運営部門へと電話を交代することになります。
まあ、電話を転送するわけですね。
お客様としたらなぜ一緒に答えてもらえないのかと不思議に思われたり、電話を転送することで待たされる可能性もありますのでイライラされます。
管理運営部門は源泉所得税の納付書の書き方も扱いますので、1月中は電話がひっきりなしにかかります。
そのため源泉所得税担当からの転送もなかなか受け付けてくれなかったりするのです。
そうなるとお客様としたらたまったもんじゃないですよね。
だって税務署の内部事情なんて知ったこっちゃないですから。

源泉所得税部門と管理運営部門とのかけひき

税務署内部では、仕事をどこまで相手の部署に振るかの駆け引きが行われます。

電話の転送もそうですけど、「そちらの仕事でしょ!」と言わんばかりに。

一応、1月中は事前に双方部署の統括官が話し合って電話対応の方法を検討したりすることもありますが、たいていは適当です。

まあ税務署内部でのやった・やらないトラブルは非常に多いです。

特に人数の多い都心税務署では大変でした。

あと、管理運営部門にいるベテラン職員の中には、もともと源泉所得税担当だった職員もいます。

あえてわかっているからこそわざわざ源泉所得税担当に電話を回してくる。

「そっちで対応できるでしょ」と。

1月は部署間で亀裂が入ったりします。

私のホンネ

正直電話が鳴らなかったり仕事に余裕があるのなら法定調書の書き方の質問も源泉所得税担当で引き受けてもいいのかなと思ったりしていました。

しかし、そんなことをすると管理運営部門の存在がなくなってしまいます。

結局周りに合わせるしかないんですよね。

同じ源泉所得税が絡む仕事だけど部署が分かれてしまった以上は。

法定調書の質問を回答しないといけないときは国税庁ホームページにあるパンフレットで独学していました。

研修などもちろんなかったですし。

不安を感じながらたまに答えることはありましたけど、もし間違ったことを言うと管理運営部門に怒られますので簡単なことだけ答えたりしていました。

まとめ

年末調整と法定調書、一般的には一連の仕事に見えます。

しかし、税務署内では対応してくれる部署が異なります。

正直このままではよくないんじゃないかなと思ってしまうのは、退職したからでしょうか。

では。

[事務所お知らせ]

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