国外居住親族を扶養控除等の対象にするときの注意点

国外に住む親族を配偶者控除や扶養控除(以下、扶養控除等)の対象とするためには、親族関係書類や送金関係書類が必要であることを昨日のブログで書きました。

では、国外居住親族を扶養控除等の対象にするための注意点はどこにあるのでしょうか。

制度ができたときからの問題点

私が税務署で源泉所得税担当をしていたときに国外居住親族の扶養控除等の制度ができました。

制度ができたときから親族関係書類や送金関係書類とは何を指すのかが問題となっていました。

配偶者控除や扶養控除を受けるためには、生計を一にすることと配偶者または扶養親族で所得金額が58万円以下であることが必要です。

このうち所得金額については外国に住む人ならば非居住者になりますので国外で得た所得は関係ありませんのでこの要件は満たすことが多いです。

ということは生計を一にすることと、配偶者または扶養親族であることの証明ができるかどうか。

その証明のために、親族関係書類と送金関係書類があります。

生計を一にする(相当額の生活費を送金していること):送金関係書類
配偶者または扶養親族:親族関係書類

このうち、親族関係書類については証明しやすいほうだと思います。

というのは、1つの書類で足りない場合でも複数の書類を組み合わせることで証明をすることができるからです。

書類を準備いただくことの手間はあるにせよ、国外居住親族であることが確認できれば親族関係書類はOKです。

したがって、扶養控除等を受けられるのかどうかの判断には、

①送金関係書類を揃えることができるのか
②求めた書類が送金関係書類の要件を満たすのか

という送金関係書類のほうがポイントになってきます。

【事務所お知らせ】  

送金関係書類で間違えやすいもの3つ

では、ここから送金関係書類で間違えやすいものを3つご紹介してみたいと思います。

生活費を現金で手渡ししている

国外居住親族を扶養控除等の対象にするためには、送金関係書類の提出が必要になります。

「送金」という言葉の通り、現金での手渡しは送金関係書類にはあたりません。

例えば、現金で手渡ししていることの受取書や申立書などを自分たちで作成したとしても送金関係書類にはなりません。

送金事実が明らかな書類としての証拠力に欠ける、というイメージです。

この場合には、扶養控除等の適用をせずに年末調整などを行うことになります。

複数年分をまとめて送金

送金関係書類は、その年において国外居住親族の生活費等にあてるための支払いを、必要な都度各人に行ったことを明らかにする書類をいいます。

そのため、令和7年中の送金関係書類とは、令和7年中に送金をしたことが明らかな書類を準備することになります。

例えば、令和6年12月に令和7年分の送金をすでにしてしまっている場合の外国送金依頼書の控えを持ってきた場合、令和7年中の送金関係書類とすることができません。

代表者にまとめて送金

例えば、日本で仕事をしている外国人従業員がおり、妻と子ども(16歳以上30歳未満)は現地に住んでいるため国外居住親族にあたります。

従業員は妻に2人分の生活費をまとめて妻名義の口座に送金しています。

この送金関係書類を妻と子ども両方の送金関係書類として、妻と子ども両方とも扶養控除等を受けることができるのかというのが問題です。

送金関係書類は、その年において国外居住親族の生活費等にあてるための支払いを必要な都度各人に行ったことを明らかにする書類をいいます。

ポイントは、「各人に行った」という部分です。

今回の例では、妻にまとめて生活費を送金していますので、妻の送金関係書類にはなりますが子どもの送金関係書類にはなりません。

したがって、妻の配偶者控除は受けられますが、子どもの扶養控除は受けられないということになってしまいます。

この例が問い合わせやミスも多かった印象です。今も専門書を見るとQ&Aとして取り上げているものが多いです。

まとめ

今回は国外居住親族を扶養控除等の対象にするときの注意点として、特に送金関係書類で間違いやすい点をお伝えしました。

参考になれば幸いです。

では。

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