外国人留学生に支払うアルバイトの源泉徴収

コンビニやファミレスのようにアルバイトで外国人留学生を雇っている店舗を見かけます。

この外国人留学生に支払うアルバイト代は源泉徴収をする必要があるのでしょうか?

アルバイト代を支払うときの注意点

外国人留学生にアルバイト代を支払う際に、パスポートや学生証・在留カードなどを確認するとともに以下の3点を確認する必要があります。

  1. どの国から来た?
    アルバイト代が源泉徴収される国(課税)と源泉徴収されない国(免税)がある
  2. 日本での滞在期間は?
    居住者か非居住者かで源泉徴収の取り扱いが異なる
  3. どの学校に通っているか?
    免除が適用される学校が限られている

なので、外国人留学生のアルバイト代については慎重に取り扱わないとミスしてしまう可能性があります。

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事例

この3点を踏まえて実際に事例でよく比較される2つの国から来た留学生のアルバイト代についてみていきたいと思います。

コンビニを運営している私が、中国とインドからの留学生をアルバイトとして雇うことになりました。留学生に支払うアルバイト代は源泉徴収しなければなりませんか?
アルバイト代は給与ですから源泉徴収が必要になるのは日本の所得税法で決められています。
まず、中国からの留学生の場合、日本と中国との間で定められている租税条約では、生計・教育・訓練のために受け取るものは日本の租税を免除すると規定されています。
この場合、日本の所得税法よりも租税条約のほうが優先されます。
日本での生活費や学費に充てるためのアルバイト代はこの「生計・教育・訓練のために受け取るもの」にあたり、所得税は課税されず源泉徴収も不要です。
次に、インドからの留学生ですが、日本とインドとの間で定められている租税条約では、生計・教育・訓練のために受け取るものは日本の租税を免除するとなってはいます。

ただし、そのあと以下の但し書きがくっついています。

日本以外の国から支払われるものに限る

と。

インドからの留学生の場合、日本以外の国から支払われるアルバイト代は課税されませんが、日本で支払われるものは所得税は課税され源泉徴収が必要です。

このような規定は、ベトナムやシンガポール・マレーシアも同じ規定になっていて、中国のような規定ぶりは少ないです。

中国人留学生で免税の規定を適用するためには

中国人留学生のアルバイト代で所得税の免税の規定を受けるためには、アルバイト代の支給を受ける日の前日までに「租税条約に関する届出書」を提出する必要があります。

具体的には、「租税条約に関する届出書」を給与の支払者を経由して支払者の所轄税務署に提出する必要があります。

事例の場合ですと、「租税条約に関する届出書」をアルバイト代の支給を受ける日の前日までにコンビニを経由してコンビニのある所轄税務署に提出することになります。

免税にならない場合の源泉徴収

では、留学生に支払う給与で免税が受けられず所得税が課税される場合には、居住者か非居住者かを判断することになります。

留学生の居住者・非居住者の判定は、例えば学業の取得のために日本に1年以上居住する場合には、来日の時から居住者と判断します。

居住者の場合には、日本人のアルバイトと同じように源泉徴収をします。扶養控除等申告書を提出していれば税額表甲欄で源泉徴収をしたうえで年末調整をします。

一方で、非居住者の場合には、アルバイト代の支払い時に20.42%の税率で源泉徴収をします。

免税の対象となる学校とは

学生とは、学校教育法第1条に規定する学校の学生であり、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学・高等専門学校等を指します。

専門学校や日本語学校の学生は、租税条約で定められている学生にあたりません

そのため、租税条約により免税とはなりませんので注意しましょう。

「租税条約に関する届出書」を提出する際に学生証を確認すると専門学校だったりすることがよくありました。この場合は免税にはなりませんので源泉徴収が必要です。

まとめ

今回は、外国人留学生のアルバイト代の源泉徴収について書いてみました。

4月以降留学生の採用されている会社などもあると思いますので対応は慎重にしたいところです。

では。

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