国税専門官採用試験

私は、公認会計士試験を3回受験し失敗した時に、公務員試験の1つである国税専門官採用試験を受験して税務職員になりました。

毎年5月に筆記試験、7月に面接試験が行われます。

(今年はコロナの影響で8月に筆記試験だそうです)

15年間でたくさんのいい経験や辛い経験をしましたが、結果的に税理士資格も取得できましたしよかったかなと。

給与も他の公務員に比べて高いですし、休みも取れますから。

しかも、この試験、他の公務員試験より採用人数が多く、倍率は低いです。

(私が受けたときも、今もです。)

近年はさらに採用が増加しているもようです。

そこで、今回は国税専門官試験について書いてみます。

*国税専門官試験は大卒向けです。高卒税務職員や経験者採用もありますので今回は国税専門官試験前提で書かせていただきます。

目指してほしい人

公認会計士試験になかなか合格できず行き詰っている人

私がこのパターンで、大学卒業しても合格できず先の見えない不安な生活をしていました。

実は、この試験で課される科目、公認会計士試験の勉強がかなり活かせるので意外と最短で準備できます。

国税専門官採用試験(筆記)は、

基礎能力試験(マークシート)と専門試験(マークシート+記述)で1日で行われます。

このうち基礎能力は、一般事業会社の試験でいうSPIのような数的処理や文章読解、歴史などの科目があります。

公認会計士受験生で有利なのは専門試験です。

専門試験(マークシート)のうち、民法・商法・会計学は必須科目 選択科目として経営学

専門試験(記述式)として、民法と会計学

会計士試験で民法選択は少ないかと思いますが、経営学も科目として独立していますし、とにかく会計学は必須ですからかなり優位に立てます。

この会計学があるだけで、他の公務員受験生は国税の試験を避けるとも言われています。

試験のレベルは、会計学は日商簿記2級や財表をかじったくらいの方なら満点取れますし、記述式も相当高得点が取れます。

商法や経営学も比較的簡単なので、勉強時間は減らせるはずです。

体力のある人、お酒好きな人

実は税務署の職場は、体育会系のところがあります(以前よりはましですが)。

調査部門は出張がメインですし、調査から帰ってきて書類をまとめて上司に報告するので相当体力気力が必要です。

また、内部部門は膨大な紙の書類の管理をしているので、定期的に箱詰め作業をし運び出して別倉庫に持っていくなど、体力仕事が多いです。

定期的にスーツからジャージに着替えひたすら作業をすることも。

若い体力のある人は重宝がられます。

税務署でクラブ活動などもあり、ソフトボール大会や駅伝大会が開かれたりするので、経験者とかはすごく喜ばれます。

あと、お酒好きの方が非常に多いです。

全体で人事異動直後に1回、忘年会または新年会、人事異動前に解散会と少なくとも3回。

個別に部署内で頻繁にあるところも(週1とか)。

上司はとにかくお酒好きじゃないといけないような雰囲気があります。

打合せや幹部会で飲んでますからね。

お酒好きにはコミュニケーションが上司と取れるのでいいかと思います。

ただし、酔いつぶれて事件を起こすと大変ですのでご注意を。

コミュニケーションがうまく取れる人

やはりこれ大事かと。

私は残念ながらうまくできる方ではなかったので苦労しましたね。

上司の意見を聞き入れつつ自分で考え行動し、上司や身近な先輩と意見を交わしながら時には談笑したり。

税務署の仕事は、単独ではなく何人かで組んでやる仕事が多いです。

特に調査では、大規模法人になるほど1人ではなく数人で対応したりします。

そこで、コミュニケーションが取れないと完全に浮いてしまうことになり、部署で居づらくなってしまいます。

コミュニケーション取れないと周りもどう対応したらいいか分からないですし。

試験対策(筆記試験編)

今ではTACや大原・LECなど、どこの予備校でも公務員試験講座が開講されています。

公務員試験は国税以外にも国家公務員・地方公務員・都庁などたくさんの試験を併願して受験する方が多いです。

最初からこの試験しか受けないと決めている人は少ないかなと思います。

私は、国税専門官が本命でしたので、他の試験は試し受験のような感じで普段の勉強も国税メインでした。

また、併願することで、試験によっては科目を多く勉強しなければならなくなるので、受けたいところが決まっているのであれば一本にすべきかなと。

私は、実は予備校は直前期の専門記述対策と面接対策のみ利用し、普段は過去問をひたすら繰り返しました。

私が使っていた過去問集はこのシリーズのものでしたが、

 

今現在はこちらの本の方が試験職種ごとでいいのかもしれないです。

 

あと、国家一般職は傾向が似ておりここから国税専門官試験に出る問題も多いのでこれも買いました。

これらの過去問をひたすら覚えるまで解き、自分で買ったテキスト(何でもいいです)にチェックして、これを繰り返しました。

正直、公務員試験は過去問です。

特に国税の試験は、過去問を見ると傾向がはっきり表れていて、重要分野とそうでない分野が明らかです。

予備校に通うなら私は国税専願コースにします。

TACでもどこでもいいと思います。どれだけ過去問に当たれるかだと。

基礎能力試験は予備校に通っておいたほうがよかったかなと思います。

独学だと解き方が分からないので応用が利かないのです。

まあ過去問で出たものを自分のやり方で解ければいいか思いますが。

ただ、一つ、基礎能力試験は選択科目なので、すべての科目を勉強する必要はありません。

自分が嫌いな科目やとっつきにくい科目は切っていいです。

時間をかけるところとそうでないところは区別していきましょう。

記述対策は、予備校にお任せするのがいいかなと。

過去問でも傾向がつかめることもありますが。

直前期の講座や模擬試験で練習する感じでいいと思います。

正直、会計士受験生ならばできて当然のような問題が出ますから。

試験対策(面接編)

筆記試験に合格すると、面接試験に進みます。だいたいの公務員試験がそうです。

国税専門官試験の場合、この面接がかなり重要なものとなります。

筆記試験(マークシート)で高得点であっても不合格はザラにいますし、合格点ぎりぎりでもこの面接と記述の結果合格し採用される人もたくさんいます。

面接の試験に占めるウエイトは相当高いと思います。

私は、筆記試験(マークシート)の点数が悪く、ギリギリの合格でした。この面接で挽回しなきゃと思っていました。

直前期に予備校TACの面接対策講座を受講して面接シートの書き方や面接態度なども指導していだだきました。

また、過去の面接体験談のシートを予備校で見せてもらえたので参考にしましたが、

1つ、面接試験で絶対に言うなと言われていたことを本番で言いました。

それは、「公認会計士試験を受けていたこと」です。

実は、他の試験を受けていて無職があった期間のことは言わないほうがいいと言われていました。

働いたとしても公認会計士試験を受けいずれ辞めるだろうと思われるためです。

ただ、私の場合受けていたことは事実でしたし、その結果として国税専門官への道を見つけられたので、嘘はつきたくないなと思ったので正直に言いました。

正直に言ってダメなら向いてなかったんだなと割り切れますしね。

結果、合格しました。

総合順位も相当上位でしたので、本音で話したのがよかったのかもしれません。

以上、私の体験談です。

参考までに。

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