内縁の妻と青色事業専従者給与~税理士をつけていたら…

先日、とある方から以前税務調査があって指摘を受けたという話を聞いたのですが、税理士をつけていたら何も言われなかったのにな…と思うことがありました。

聞いた事例

税務調査で受けた指摘について一部加工して書いてみますね。

私は青色申告者で建設業を営む一人親方です。妻はいませんが別住所に住む内縁の妻がいます。内縁の妻には事業の経理周りを担当してもらっており従業員へ支払う給与として経費に計上していました。しかし、数年前の税務調査で調査官から内縁の妻は事業専従者にあたり、「青色事業専従者給与の届出書」が事前にされていないため給与は経費として認められないと指摘されました。
この方は税務署から指摘を受けたことが正しいと思って修正申告書を提出しました。
双方の主張は以下の通りです。
  • 一人親方側:内縁の妻とは別住所で生活をしており他人という認識があり従業員へ払う給与と同じように経理をした。
  • 調査官側:内縁の妻は配偶者であり事業専従者にあたる。事業専従者に対する給与は「青色事業専従者給与の届出書」を事前に提出していないと払った給与は経費にできない。
【事務所お知らせ】  

内縁の妻に支払う給与

所得税法では、配偶者は民法で決められたものとされており法律婚であることが前提となっています。

そのため内縁の妻は配偶者にはあたりませんし、通常親族にもあたりません。

いわば「他人」です。

そのため、内縁の妻に支払う給与は従業員給与と同じように払った分を経費にすることができますので一人親方側の主張が正しいと判断できます。

でも、調査官側がなぜこのような指摘をしたのか。

税務調査に入る前の準備調査の段階で決算書や確定申告書を確認したうえで別住所であることを確認し住民票で内縁の妻であることを確認できるはずです。

また、条文を読むと、「配偶者その他の親族を事業に従事させる」と書かれてありますので、配偶者とは何かも確認するでしょう。

税務調査が進んで調査終了時点で上司である統括官や、法律面でのチェックをする審理担当が気づくと思うんですけどね…。

税理士に依頼していたらどうなっていたか

税理士に税務調査の立会いを依頼することができます。

もし今回の指摘が調査官からあれば、税理士が条文などを調べたうえで反論することができたでしょう。

調査官に意見を主張したうえで確認させるという交渉ができたかもしれません。

調査官も人間なので間違った主張をすることはありえます(私も調査官時代に謝罪したことがあります…)。

でも調査官の言い分が正しいと思ってしまいますよね。

そんなとき税理士がそばにいると安心できるかと思います。

税理士に依頼するメリット・デメリット

今回のケースではおそらく税務調査の終盤でも調査官の主張を覆すことができたかもしれません。

ただ、一般的には事前に税理士に依頼をしたうえで過去の申告書や決算書のチェックから調査官との調査の交渉などを合わせて請け負っていただくといいでしょう。

その分税理士報酬が高くなるケースがあるのでその点デメリットではあります。

しかし、調査官との間にたってお客様自身のことを理解したうえで調査官と話し合いができるのは依頼するメリットのひとつかもしれません。

まとめ

調査官の言うとおりにしたら実は間違っていた、という今回のケース。

一歩立ち止まって税理士に依頼していたら調査官側に反論し問題なく調査が終わっていたかもしれませんね。

では。

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