一人親方の税務調査ポイントの11回目。
今回は、一人親方がやってしまいそうな所得のごまかしについてです。
所得のごまかしはいわゆる脱税として重たい罰金が科されます。
【事務所お知らせ】一人親方がやってしまいがちなごまかしとは
一人親方が所得をごまかす方法はいくつかあります。
所得とは、売上から経費を差し引いた「もうけ」のことで、所得をもとに税金が計算されます。
所得を少なくすれば税金は減りますので、税金を減らすために行うごまかしとしては、
- 売上を少なく申告する
- 経費を多く申告する
- 申告しない
を考えてしまいがちです。
売上を少なく申告する
売上を少なく申告することはよく行われています。
売上を少なくしたら税金は減りますので。
多くの場は、元請けから支払われる分(一人親方が受け取る分)を少なく記録することでごまかしが行われます。
この場合、税務署は元請けの調査に入れば一人親方への支払記録がわかりますので芋づる式にばれていくことになります。
経費を多く申告する
売上の逆で経費を多く申告することで税金を少なくできます。
経費はあくまで仕事で必要である分だけ計上することができますが、経費を増やすためにプライベートで使う分も経費に入れてしまうことあります。
ほかには、払っていないものまで経費に入れるということも。
これも支払先の税務調査で分かります。
確定申告をしない
一人親方は自分の所得について毎年確定申告をしなければなりません。
しかし、中には確定申告をしないことで税金の支払いを免れるケースがあります。
いわゆる「無申告」と呼ばれる状態です。
ごまかしがばれてしまう場合
収入や経費をごまかしていてもばれることはないだろうと考えていたらダメです。
税金の支払いを免れようとするとどこかで不審な点が生まれてしまい税務署に気づかれてしまいます。
よくあるケースを見ていきます。
税務署の情報収集
税務署は税金のごまかしがないように常に情報収集をしています。
情報収集にはいろいろありますが、一番多いのは取引先への税務調査で発覚するケースです。
税務調査の際に集めた資料などから不審な点があれば一人親方に向けて税務調査がスタートしてしまいます。
また、無申告の調査で多いのは、税務署内で職員が実際に現場や事務所を見に行ったり事務所ホームページを確認したりします。
実際、私がやっていたのは地元のフリーペーパーから情報を仕入れたりもしていました。
無申告者であったとしても採用情報を載せていたりするんですね。
「採用を行っている=事業活動をしている=無申告だ!」となるわけです。
あと、税務署の外で商号が書かれた車両が通過するのを目撃して無申告の情報を収集したこともあります。
資産状況から
税務署や一人親方の資産状況も調べています。
不動産購入などの大きな金額のお金の動きがありますと、法務局から税務署に情報が伝わります。
その際に所得の申告内容と比べて不審点があれば税務調査に踏み切ります。
例えば、所得が300万円しかないのに、買った不動産が3,000万円だったらお金がどこから出てきたのか確認したくなりますよね。
税務署はお金の出どころまで調べてごまかしを見つけようとします。
税務署は一人親方の税務調査でお金の動きに不審点がありますと一人親方が保有する銀行口座を調べます。
申告と合わないような入出金が口座にあればごまかしを見つけられる可能性が高いです。
タレコミ
意外と多いのが、元請・下請の従業員や他の一人親方など第三者からのタレコミ情報です。
情報提供は税務署で呼びかけられており誰でも行うことができます。
以下、国税庁ホームページにある情報提供のフォームです。
もちろんデマもありますのでじっくり検討を重ねたうえで税務調査をするかどうかは判断されます。
実際情報提供からこんなタレコミがあったとされています。
- 売上や経費をごまかし所得を少なく申告した
- 他人名義で取引を行って事実ではない領収書や請求書を作成した
- ごまかしをおこなっている人に協力している
情報提供をしたからといってプライバシーは厳重に保護されていますので、一人親方側に漏れることがありません。
一人親方からしたら思わぬところで税務署にばれてしまう可能性があるということです。
まとめ
今回は、ごまかしをしてしまうケースとなぜばれてしまうのかついてまとめてみました。
税金を減らしたいというところだけを求めてしまうと無茶なことをしてしまいがちです。
そうなるとつじつまが合わなくなって、どうしようと考えているうちに税務署から連絡が来てしまうことに。
嘘は必ずばれます。
調査官はそこまで馬鹿ではありませんので、嘘をついていたら徹底的にやられます。
もしごまかしをしているのなら今からでも適正な申告をし直すことをお勧めします。
では。