令和7年12月から所得税法の改正により本人の基礎控除等が見直されることになりました。
12月15日に振り込まれる老齢年金には注目をしたいところです。
12月15日の老齢年金の年金振込通知書
令和7年度税制改正により、12月から所得税の基礎控除額の引き上げが行われます。
令和7年2月~10月までの振込みで天引きされた改正前の所得税額を「旧所得税額」とします。
基礎控除と額の引き上げにより再計算を行った改正後の所得税額を「新所得税額」とします。
今回の改正により令和7年12月の年金振込時に、新所得税額と旧所得税額の差額を還付することになりました。

令和8年以降は新所得税額が年金から天引きされていきます。
送付される年金振込通知書の見本は次の通りです。

ポイントをお伝えしますと、
- 改正後の金額で再計算をした結果所得税の還付がある場合に「所得税額及び復興特別所得税額」欄にマイナスを付してその金額を表示する
→「マイナスされている」ということは天引きしすぎたので還付される
→12月15日の振込額が増える - 令和8年以後は、改正後の所得税額が表示される
裏面の図を解説
年金振込通知書の裏面に書かれている内容を解説してみたいと思います。

引用:日本年金機構ホームページ 「かけはし」第97号 より一部抜粋
所得税が天引きされる年金は「老齢年金のみ」です。
令和7年2月振込みから10月振込みまで(=旧所得税額)の5回分については1回あたり6,500円が所得税として天引きされていました。
今回の改正により、新所得税額で2月振込みから10月振込みの5回分を再計算します。
新所得税額は1回あたり3,500円です。
1回の振込につき、
多く所得税を天引きしすぎていたことになりますので還付になるわけです。
令和7年2月振込みから10月振込みまで5回分ありますので、3,000円×5回=15,000円が還付額となります。
令和7年12月振込みは新所得税額3,500円が天引きされるため、還付額15,000円と相殺されます。
還付額15,000円ー新所得税額3,500円=11,500円が精算後の還付として年金振込通知書にマイナス表示されてきます。
年金相談時の問い合わせが増える?
毎年年末から年始にかけて年末調整や確定申告の影響からか年金相談でも問い合わせが増えてきます。
今年は12月15日の年金振込通知書の見方がわからないという問い合わせが増えるのではないかと考えています。
年金振込通知書を普段から見ていない方が意外と多いんですね。
見たところで何が書いてあるのかよく分からないからと言って放置されていたりします。
ただ、今回はいつもと違います。
12月15日に振り込まれる年金額がいつもより増えている可能性が高いからです。
まあ増えていたら何も文句はないという場合もあるのでしょうけど、不思議に思った方からの問い合わせはあるでしょうね。
そのときにどこまで説明をするべきか。
簡単に答えるのであれば、「税制改正により所得税額が再計算された結果です」と言うだけでもいいような気がします。
あくまで年金相談がメインですからさらっと触れるだけで充分であり、詳細は税務署に確認でもいいかと思います。
もちろん時間があったらできるだけ説明をしてあげるのもいいと思います。
まとめ
12月15日の年金振込通知書がそろそろ届き始めるころかなと思ったので解説してみました。
これにより来年1月に送付されてくる公的年金の源泉徴収票も注意したいところですが、それは次回説明したいと思います。
では。
