4月で契約更新となった年金相談員の仕事ですが、実は私以降に新規で年金相談員になる方がいません。
年金相談員が足りないという現状が浮き彫りになっています。
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年金相談員になるには?
私が所属する和歌山県会では、以下のような手順を踏むことになっています。
①年金相談実務者(初心者)研修を受講:2日間のWEB研修+東京での実習3日間(大阪でもあるようですが私が時期的な関係で東京を選択)
②OJT研修:実際に街角の年金相談センターの窓口で相談を行う(年金事務所での相談もあるが契約される方のみ)
→①②を終了すると「年金マスター」となり年金相談員としての契約が可能
③年金相談員として街角の年金相談センターや年金事務所に入って相談対応
私の場合は、
①:令和3年10月~11月
②:令和4年5月~8月
③:令和4年9月~
でした。①~②の間の期間が空いているのはOJT研修で挫折したからです。
WMというパソコン操作のほか請求書のチェックや相談対応など多岐にわたりますが、①の研修は「基本のキ」しか教わりません。
なので、②は最初令和4年12月から入っていましたがついていけなくなり一度お休みさせていただきました。
しかし、せっかく研修を受けてきたのに放っておくのはもったいないと思って5月に復帰しその後はOJT研修も終わって年金相談員として契約をさせてもらっています。
OJT研修が厳しい
私の後2名ほど年金相談へ応募があって、年金相談実務者研修を受講されてOJT研修を受けられていましたけど、その後相談員になられませんでした。
理由は推測ですけど、OJT研修になると難易度が一気に上がってしまうからなのかもしれません。
年金相談の知識もないのにパソコン操作や画面の見方、相談対応の難しさ、請求書などのチェックの確認の仕方などやることがたくさんあります。
最初は先輩社労士の隣に座っているだけですが徐々に自分ひとりで対応するようになるとまったくできないわけです。
相談前日になると不安と恐怖で押しつぶされそうになるのは今も変わりませんけど、当初はもっとひどくて眠れず相談中は手汗をかいていたくらいです。
「あの東京でやった年金相談実務者研修は何だったんだろう?」と自分のふがいなさに落ち込む毎日だった気がします。
ただ、私がOJT研修を始めた時期が老齢年金の受給権が発生する人が多くなかったため、先輩社労士に指導していただける時間が長かったようです。
時間に余裕があったのでバックにいるセンター長も親身になって指導していただけました。
昨年の令和5年は受給権が発生する人がかなり多かったので教えていただける時間が少なかったという影響があるかもしれませんね。
先輩社労士に声掛けを
私がここまでなんとか年金相談員として続けられている理由が、先輩社労士と話をして助けてもらえているからだと感じています。
社労士登録直後、「年金相談でもやってみようかな」と思って応募したら、当時の副会長や年金相談担当の社労士とご挨拶させていただけることになりました。
その後年金相談でつらい時期には皆さんに相談できる環境があるので大変ありがたく思います。
あと、これは後付けですけど私が税理士資格を持っていたことでみなさんから話しかけてもらえるようになったことです。
年金相談をしていると税金の話題になることが多いのですが、自分で回答したい・さらっと案内できるようになりたいとおっしゃっています。
私は年金相談の経験が少ないので教えていただきつつ、私は税金面で気になることなどがあればお伝えさせていただくこともありますね。
毎月1回勉強会が開催されるのも有意義ですね。
結局、自ら年金相談に飛び込んでいった結果今では年金相談員のほかの社労士と世間話も交わせるようになりました。
このほか、最近は私の経験不足を知ってくださった先輩社労士が「基本から勉強する会をやろうよ」と声をかけていただきZOOMで会議をさせてもらっています。
年金事務所の問題・お金の問題
そもそも前提として、年金事務所側のスタンスがちょっとおかしいなと感じています。
どこか上から目線で、社労士になんでもさせたらいいやって思っているところがあるように感じます。
余計な仕事を増やす傾向にあるのでそれを阻止するのも外部の専門家である社労士の役目だと思います。
年金業務に協力している社労士を適当に扱うことのないように、日々社労士会役員の方は動いてくださっています。
それでも年金相談員が増えないのはお金の問題もあるのかなと。
時給2,000円、交通費1日500円はかなり安いかもしれません。
私はまだ経験年数が浅いですし勉強させてもらっている身なので仕方ありませんが、せめて交通費は全額出してほしいなと。
私が住んでいる最寄り駅から街角の年金相談センターがある和歌山市まで電車で往復で2,340円かかりますから、1,800円ほどを自分で出しています。
ベテランの先生でも時給はさほど変わりませんので正直割に合わないのかなと。
相談対応は大変だなと実感するのでその分報酬に還元してもらわないとやってられないというのがホンネではないかなと思います。
まあ行政協力なのでお金云々ではないと言われればそうなんですけどね…。
まとめ
和歌山県会ではこのほか、和歌山市役所で年金相談対応をする社労士を募集しています。
こちらは特に年金相談実務研修やOJT研修を受ける必要がないため応募する社労士が増えているようです。
実際、年金事務所や街角の年金相談センターに従事されていた年金相談員がそちらに移られたケースもあるようで。
年金事務所が求めている人材への要求(研修や相談対応)が高すぎるのも一因かもしれませんね。
それに見合った報酬でもないので「やる気が起こらない=年金相談員やらない」となるのかもしれません。
では。