こわいなと感じるとき

先日ふと税務署勤務中に怖かったことを思いだす機会がありました。

というのは、建設会社をやっていると道路を整備したりするときに、資材の確保のためにその地域の方から借地をして賃料を払ったりします。

その地域の方から猛反発されて工事の邪魔をされたり嫌なことを言われたりすることもあるらしく、そうなると工期に遅れてしまうこともあり今後の入札申請などに影響が出る恐れがあります。

その地域の方の心情も分からないわけではありませんから、どう交渉していくのか。

決裂すれば怖いなと感じたのです。

実際、揉めたりしたこともあるそうです。

私も、とある建設会社の税務調査で似たような話を聞いていました。

近隣対策費として交際費多額計上

この建設会社は、急成長を遂げている法人でした。

建設会社は受注工事がメインですので、売上金額を大きく不正することは少ないような気がしていました。

そこで、経費項目を重点的にチェックします。

事前に準備調査というものをして、申告書や決算書から不審な動きをしている科目がないかどうかなどを検討するのですが、明らかに前期より大幅に異なる経費科目があったのです。

それは、「交際費」。

比較的毎年多く計上されているものでしたが、ある年だけ数千万円の計上がありました。

しかもラウンド数字(1000万円のような0がつくきれいな数字)で、法人税申告書で全額損金不算入処理していました(これを「自己否認」といいます)。

あまり税務調査が分かっていなかった私でも「あれ、これおかしくないか?」と思うわけです。

内容をきちんと確認すべくいざ調査に向かいました。

実際調査に伺うと他の処理は問題なかったのですが、この交際費がやはり問題となりました。

税理士事務所の担当職員も、「その処理どうしようか迷ってたんです」と一言。

そこで会社の方に証拠書類の提示を依頼したのですが、拒否されてしまったのです。

確かに元帳にも誰に対しての支払なのか記載されていませんでした。

社長から話を聞くと、建設現場での近隣対策のために「ある住民」に支払ったとのこと。

でもその方の名前は明かせない

本当に支払っている事実があるのかどうかという問題も出てきます。

さらに、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、「使途秘匿金課税」というものの対象になる可能性が出てきます。

そもそも、使途秘匿金とは、金銭の支出等のうち相当の理由がなくその相手方の氏名等を帳簿書類に記載していないことをいいます。

帳簿書類に記載せず経費として処理しているために不正行為となりますが、さらにこの使途秘匿金に該当すると40%の追加税額、さらに重加算税が賦課されます。

結局、最後の最後まで社長は名前を明かすことはなく、重加算税賦課はやむを得ないこと・使途秘匿金課税も最終的には受け入れてもらいました。

社長いわく、ある非社会的勢力の方に支払ったものだったそうです。

他にもいろいろあって詳細は書けませんが、半年くらいかけて決着した事案でした。

仕事の上ではつきもの

こういうことを経験したのもあるので、私も今後独立していくと怖いことにも遭遇してしまうのではないかと思ってしまいます。

仕事をすると、どうしても怖い思いはします。

税務署にも暴れる方が来たり、窓口で怒鳴られたりするところを見ています。

私も大声を張り上げられて周りに助けを求めたこともありました。

そういうことをできるだけ避けたいなと思うのです。

そのために今考えていることがあります。

対面でなく最初はネットから

対面でいきなりお会いするのではなくネットから依頼を受けようと考えています。

その際には、ホームページに電話番号やメールアドレスは公開しないつもりです。

ある程度お客様との連絡が取れ始めてから対面でお会いするのがいいかなと。

自分のことを分かってもらってから依頼いただいた方がミスマッチも防げるかなと思って、今こうやってブログを書かせていただいています。

このブログやプロフィールなどを見ていただいて、私に興味を持っていただけた方と一緒にお仕事したいなと思うのです。

やらないことリストを作って公表する

お客様とのミスマッチを防ぐために、こういうのはやらない・お受けしないというリストを作ってホームページに事前に公表しようと思っています。

ひとり税理士の方もよくやられていて、参考にさせていただこうかなと。

脱税行為や無理難題な依頼は絶対やらないですし、値下げの依頼もやりません。

とにかくもめたくないのです。

そのために、事前にこれらも見ていただいて依頼しただくようにお願いしたいなと思っています。

お互いのためにも何ができて何をやらないのか明確にしておきたいですね。

お断りする勇気を

もし依頼を受けても納得できないときは無理にお引き受けするのではなくお断りするのもお客様のためなのかなと思ったりしています。

私はどうしても言い込められると拒否できない性格なので引き受けてしまいそうなのですが、こちらも納得したうえで仕事したいですし、理性を失ってまで売上を得たいという気持ちはありません。

きっぱりとお断りすることも考えていかなければ。

厳しいところも持っておく必要があるかなと思っています。

まとめ

こわいなと感じることは今後多くなると思います。

人間ですのでいろんな方がいますから。

どうしても対応しなければならない、なくなく受けてしまったという場合ができるだけないようにしていきたいです。

でもおそらく最初は巻き込まれるのでしょうね。

それも経験していけば対処できるのかなと思っています。

まずは事前にできることをやってこわいと思うことをできるだけ避けるようにしていきたいですね。

では。

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