最近になり従業員5人までの法人の顧問業務を始めました。
個人事業主の方には確定申告書作成のみを受ける業務もあるのですが(期間限定でしか受けていません)、法人の年1回の確定申告書作成のみを受ける業務はありません。
なぜそうしているのかついて書いてみたいと思います。
年1回で対応できる分量ではない
私見ですけど法人のほうが個人事業主よりもかなり取引量が多く、個人事業主よりもさらに慎重に対応をしないとミスをしてしまう可能性が高いと思っています。
もともとひとりで対応していることもあり、年1回の確定申告書作成のために一気に資料やデータを送られてチェックや記帳代行をする余裕がありません。
顧問業務ですと定期的に資料やデータをお送りいただけるため業務を平準化させることが可能です。
個人事業主の年1回申告も分量が多いとミスも起こりやすくなりますし疲れてきてしまいます。
これは私のキャパのなさのひとつなのかもしれませんが…。
まとめて一気に仕事をすることが苦手です。
【事務所お知らせ】検討事項が多い
法人の年1回申告のみの対応で本当にチェックできるのか不安に感じることがあります。
というのは、法人税申告書だけではなく内訳書の中身まで見ていくと検討すべきことって多いと思っているんですね。
例えば、役員報酬の内訳書。
申告書を作成するだけだったらそのまま集計すればいいんですけど、来年以降またはその翌年以降ってどうなんでしょうか?
また、法人税申告書や決算書が出来上がったときに税額控除を受けられるかどうかの検討ってどこまでできるのかなと。
その判断がすぐにできないので年1回の法人税申告はリスクが高くてお受けしていないのです。
社会保険や労働保険も
役員報酬や従業員給与について、社会保険や労働保険についても税理士ではなく社会保険労務士の立場で検討をしたいなと思うわけです。
源泉所得税担当が長かったこともあって源泉徴収には慎重になってしまいます。
源泉徴収漏れがないか、納付はきちんとされているのか。
特に源泉所得税の納付については内訳書にも記載しますしね。
社会保険や労働保険で届出もれがないかどうかは、年1回の法人税申告書作成時期になったらそこまでじっくり考えられないと思うんです。
もちろん法人税申告書のみの作成でかまわないのかもしれませんけど個人的に意識してしまいます。
法人税申告書を見ただけでわかる関与度合い
法人税申告書を見ていると税理士がどこまで関与しているのかがわかることがあります。
特に法人税申告書に添付する勘定科目内訳書や概況書ですね。
空白が多かったり適当に書かれているのが目立ち税務代理権限証書を見ると法人税申告書の作成のみ税理士が対応しているのかな?となんとなくわかります。
私でそうなのですから法人課税部門の調査官も気づくはずなんですね。
あまり関与されていないのが申告書上で明らかになると、
という風に税務調査に選ばれやすい方向に行きそうな気がするのです。
調査先を選定する上司である統括官もそのあたりは敏感に感じられているはずです。
もちろん年1回の申告でも細かく書いている税理士もいますので一概には言えません。
ただ概況書は法人税申告書作成のみの関与ですと記入できるところって限られますし適当になっていきがちな気がするんですよね。
なので、関与度合いを考えると年1回の法人税申告書作成だけを受け付けるのはやめることにしています。
まとめ
実は法人の方から年1回の確定申告書作成の依頼を受けたことがあるのですが、上記理由でお断りしました。
一番は私の業務を受けるキャパの問題です。業務を平準化したいという気持ちがありますので。
ひとりで活動する以上はどこかで線引きをしておきたいなと思ったのでこのような対応をさせていただいています。
では。