家族従業員に給与を払うことになってからの手続き

新年度になる4月から個人事業主の方の中には、新たに家族を従業員にして給与を支払うということを考える方もいらっしゃるかと思います。

新たに給与を支払うにあたってはいろいろと対応しなければならないことがあります。

家族従業員への給与は原則経費にならない

例えば、個人事業主である夫は4月から妻に事業を手伝ってもらうことにするとします。

この場合、妻に支払う給与は原則として経費にすることはできません。

なぜなら、家族内でお金を渡しているだけですからね。

ただし、例外として、青色申告をしている人で税務署へ届出書を提出することにより支払った給与を経費にすることができます。

届出書は、その年の3月15日までとなっているため、令和8年から支払う場合はすでに過ぎてしまっています。

ただし、新たに妻を従業員として雇った場合には、雇った日から2ヶ月以内に届出をすれば認められます。

4月1日から妻を従業員として雇う場合には、5月31日までに届出をすればOKです。

届け出の注意点としては、

  • 実際に支払っている事実があること
  • 仕事に見合った金額かどうか
  • 届出の範囲内かどうか

がポイントです。

【事務所お知らせ】  

個人事業主が必要なこと

個人事業主である夫が妻を家族従業員として雇って給与を支払う場合には、支払った給与から所得税を差し引いて税務署へ納付をしなければなりません。

この所得税は基本的に支払った月の翌月10日までに納付することになっていますが、申請をすることにより半年に1回納付することもできます。

給与の支払額から所得税を差し引くにあたっては、「源泉徴収税額表」というものを使って計算をすることになります。

この表は、月額表と日額表で大きく分かれています。

月額表は毎月一定時期に支払う場合に使われるもので、日額表はその日払いで使うものだと思っていただけたらと思います。

妻に支払う場合は毎月25日など1ヶ月分をまとめて支払う場合が一般的ですので月額表を使います。

月額表には甲欄と乙欄があり、乙欄は所得税額が高めに設定されています。

甲欄は扶養控除等申告書という書類を提出した方が適用する税額で安く設定されており、年末調整をすることにより確定申告をする必要がなくなります。

そのため、妻に扶養控除等申告書へ記入をしてもらったうえで税額表甲欄で計算をすると手間が省けます。

そのあと、1年間に妻に支払った給与をもとに年末調整を行います。

年末調整をするときには、毎月の給与支払時から源泉徴収簿という集計表に記入をしておくと整理しやすいです。

源泉徴収簿は国税庁ホームページにありますし給与計算ソフトを入れていただいていればそれで集計することもできます。

年末調整終了後は、妻に源泉徴収票を交付して、税務署に1年間に支払った給与などを法定調書合計表として提出することになります。

まとめると、

  • 妻に扶養控除等申告書を記入してもらう
  • 毎月の給与支給時:税額表甲欄で所得税の計算と税務署へ納付(申請により半年に1回の納付にできる)→源泉徴収簿へ記入
  • 年末調整の計算
  • 源泉徴収票の作成と交付
  • 法定調書合計表を税務署へ提出

という流れです。

妻が必要なこと

給与を受け取る妻は、給与を受け取る会社員の方と同じです。

給与を受け取るときには所得税が差し引かれたものが支払われます。

甲欄を使って所得税を計算している場合には、年末調整の際に年末調整に関する書類を記入して提出することで確定申告をする必要はありません。

しかし、医療費控除など税金の還付を受けるために確定申告をすることもできます。

確定申告をするうえでは、夫に発行してもらった源泉徴収票が必要になります。

一方で、扶養控除等申告書を提出していない乙欄の場合には、妻本人が確定申告をする必要がありますので手間がかかります。

妻が必要なことは、年末調整時に年末調整関係書類へ記入をしてもらう必要があることです。

年末調整関係書類とは、扶養控除等申告書・生命保険料控除申告書・配偶者控除〜基礎控除申告書を指します。

給与計算が大変

給与を計算するということで所得税を差し引いて納付をしなければならないことと、年末調整をするという手間が増えることになります。

なので、家族従業員を雇ったときには専門家へ相談をしたり顧問をお願いしたほうがいいのかなと思います。

毎月のことですので忘れてしまうこともあるでしょう。

期限が遅れてしまいますと罰金がかかることがあります。

経理とはまた違う緊張感がありますので、多少お金がかかっても計算をしてもらえる方がいると安心かと思います。

給与計算の専門は社会保険労務士ですけど、年末調整は税理士しか行ってはならない取り決めとなっています。

もし毎月の所得税の計算や年末調整で不安なら税務署へ相談するのもいいでしょう。

まとめ

今回は、家族従業員を雇ったときにやるべきことをまとめてみました。

意外とやることが多いので、忘れるのが怖いなと感じます。

最初だけでも専門家に依頼するというのもありかと思います。

では。

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