パート・アルバイトの社会保険・雇用保険

昨日はパート・アルバイトの源泉所得税について書いてみたのですが、計算するにあたっては社会保険料を控除する必要があります。

一般の社員とは異なり社会保険の加入にも特徴がありますのでここでまとめてみたいと思います。

社会保険料と社会保険

ここでいう社会保険料とは、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料です。

税法において社会保険料として控除するものはこの4つを指します。

しかし、社会保険に加入すると言った場合の社会保険は、健康保険・介護保険・厚生年金保険を指します。

雇用保険は労働保険のひとつで加入する要件が社会保険と異なっています。

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月ごとの源泉所得税額の計算

給与の源泉所得税は、支給総額から非課税となる通勤手当を除いた額から社会保険料を控除した後の支給金額をもとに税額表にあてはめて計算をします。

パートやアルバイトの方の場合でも計算の仕方は同じで、社会保険に加入しているのであれば給与から差し引かれることになります。

パートやアルバイトの社会保険

法人の場合や個人事業主で従業員5人以上の場合については、原則的に社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険)が適用されます。

そのためこれらで働く従業員は全員が社会保険に加入することになります。

ただあくまでここでいう従業員はフルタイムで働く社員です。

パートやアルバイトは一般的にフルタイム社員よりも勤務時間が短いわけです。

そこで、一般社員と比較して1週間の所定労働時間数と1か月の所定労働日数の両方が4分の3以上であるパート・アルバイトは社会保険に加入することになっています。

例えば、

一般社員の1週間の所定労働時間が40時間、1か月の所定労働日数が22日だとすると、

  • 1週間の所定労働時間:40時間×3/4=30時間以上
  • 1か月の所定労働日数:22日×3/4=16.5日→17日以上

の両方を満たせば社会保険に加入することになります。

ただし、以下の要件をすべて満たすパート・アルバイトでも社会保険に加入することになります。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 月収が88,000円以上(賞与や残業手当・通勤手当を除く)
  • 2か月超の継続勤務が見込まれる
  • 学生ではない
  • 従業員が101人以上の事業所に勤務

比較的従業員数の多い事業所に勤務するパート・アルバイトで1週20時間以上の勤務がある場合には注意が必要です。

パート・アルバイトの雇用保険

雇用保険は健康保険・介護保険・厚生年金保険と加入する要件が異なります。

パート・アルバイトで以下の両方の要件を満たす場合には雇用保険に加入しなければなりません。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 継続31日以上の雇用が見込まれる

雇用保険だけ加入しているパート・アルバイトも

社会保険と雇用保険で加入する要件が違いますのでまとめてみます。

注目したいのは1週間の所定労働時間です。

社会保険とは、健康保険・介護保険・厚生年金保険のことです。

〇は加入、×は加入しなくてもいいことを指しています。

週20時間以上 週30時間以上 週40時間
社会保険 ×
社会保険(従業員101人以上)
雇用保険

パートやアルバイトですと、雇用保険のみ加入している場合もあり得ます。

この方たちは別途自分で国民年金や国民健康保険に加入して支払っていることになります。

社会保険に加入をさせる流れ

パート・アルバイトの社会保険の加入の流れは徐々に加速しています。

これまでは加入しなくてもよかったのに加入しなければならないとなると、給与をもらうときの手取り額が減ります。

一方で、国民年金のほか厚生年金にも加入し保険料を支払っていることになりますので将来受け取れる年金額(厚生年金)が増えます。

ただ国としては、国民年金や国民健康保険の保険料は個人ひとりひとりで支払うことになりますので未納という状態が生じる可能性があり避けたいところなのです。

一方で社会保険に加入してもらうと勤務先経由で強制的に給与から天引きできるためとりっぱぐれがないわけです。

国としての収入確保のために社会保険に加入させたいという意図が見えてきます。

まとめ

前回に引き続いてパート・アルバイトの社会保険について書いてみました。

給与計算をする際にパートやアルバイトがいると気を付けないといけない部分があるので2回に分けて書いてみました。

では。

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