年金って確定申告しなくてもバレない⁉

年金相談をしているときや確定申告時期のご相談をお受けしているとこの言葉を聞くことがあります。

これを言う方は、今も働きながら給与をもらいつつ年金も受け取っている方。

同業者にもたまに質問されますが、私の答えは一貫しています。

【事務所お知らせ】  

給与と年金両方もらう方は確定申告

現在65歳を過ぎても働き続けている方も多いですね。

勤務先から給与をもらっていると年末調整をします。

年末調整が終わると年明け1月ごろに源泉徴収票がお手元に届いて確定申告せずに終了する、という方が多いです。

もちろん医療費控除などの控除を受けたい方は確定申告をすることで還付を受けることができます。

一方で、年金は年末調整という制度がありませんので基本は確定申告が必要です。

しかし、年金のみの方は扶養親族等申告書を日本年金機構に提出することで確定申告をする必要がなくなります(住民税の申告は必要な場合がありますけど)。

ここでポイントなのは、確定申告が不要なのはあくまで給与のみ・年金のみを受け取っている方であり、給与と年金両方をもらっている場合には確定申告をします。

年金の所得とは?

年金所得は雑所得に分類され、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算をします。

収入金額はその1年間に受け取った金額であり、1月に日本年金機構から年金の源泉徴収票が送られてきますのでその金額です。

公的年金等控除は、65歳以上の方で110万円・65歳未満の方で60万円という最低ラインを押さえておきましょう。

110万円や60万円を超えると雑所得が発生してきます。

もし65歳以上で年金のみ受け取っている方であれば、自分の基礎控除48万円がありますので年金収入158万円以下であれば所得税はかかってこないことになります。

65歳以上の方であれば公的年金等控除110万円を超える年金収入があると所得税を計算するもととなる所得が発生するわけです。

この場合、所得が発生しているにも関わらず申告をしていないので無申告となるわけです。

ただこんなことをおっしゃる方もいます。

年金収入が少ないから申告しなくてもいいよね?

65歳以上の方で在職中のため給与のほかに年金収入が120万円あるとします。

公的年金等控除110万円を差し引いたら雑所得10万円と計算されますが、「少額だから申告しなくていいよね?」と聞かれます。

私は少額でもダメなものはダメだよとお伝えしています。

ただ、年金をもらっている方が確定申告をしなくてもいい場合があります。

〇確定申告が不要な場合
年金収入が400万円以下+その他の所得20万円以下

その他の所得は年金から得られる所得以外のものを言いますので給与所得も当然に入ります。

給与所得は給与収入から給与所得控除を差し引いて計算をします。最低額は55万円。

したがって、給与所得20万円以下=給与収入75万円以下となります。

「1年間で給与収入75万円」って1年お勤めの方であればこの金額よりは多いはずです。

つまり、年金収入が少ないからと言っても給与をもらっている以上基本的に確定申告をする必要があります。

年金の源泉徴収票を見て源泉徴収税額がたとえ0円だったとしても、給与収入があれば確定申告が必要になるというわけです。

年金の情報は把握されている

年金を受け取っている情報はすでに役所で把握されています。

日本年金機構から役所や税務署に報告が行われていますので、年金の収入が漏れていると一目瞭然です。

これまで一回も役所や税務署から連絡が来ていないけど…という方もおられるかもしれませんが、指摘されていないだけかもしれません。

私が相談対応をしていてお話をするのは、給与と年金両方もらっていたら原則どおり確定申告してね、とお伝えすること。

例外を知ることは後回し。

例外を知っておくのは専門家である税理士や社労士でよくて、基本的に原則通りをお話して確定申告をするかはご本人に判断いただいています。

まとめ

給与と年金両方をもらうと確定申告が必要だ、というのをお話するとみなさん嫌な顔をされます(苦笑)。

確定申告をしたことがなければめんどくさく感じるんでしょうね。

特に給与収入より年金収入のほうが少ないため年金収入は申告しなくていいやと考えてしまうのかもしれません。

ただ、年末調整を会社にやってもらい自分で確定申告をした経験がないというのもある意味おかしな話で、自営業の方は毎年確定申告されているわけです。

「少額だから確定申告しなくてもいいよね?」は安易な考えだと思ってしまいます。

では。

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