意外といる無年金者~お知らせが来たら相談してほしい

先月から市役所にて出張年金相談に従事しています。

まだ数回しか入っていないのですが、年金がもらえる期間に加入されておらずこのままでは年金がもらえない方をお見掛けしました。

理由があるとは思うのですが、お知らせがご自宅に送付されてきたはずなのです。

何か届いたら相談してほしいなと思います。

【事務所お知らせ】    

日本年金機構から来るお知らせ

ここで、年金の支給が開始されるまで日本年金機構から送付されてくるお知らせを整理してみたいと思います。

  • 毎年の誕生月:ねんきん定期便(ハガキ)
  • 59歳の誕生月:ねんきん定期便(水色のA4判封筒)
  • 60歳の誕生月3か月前
    ①老齢年金のご案内(青色のハガキ)
    →年金受給権があるが厚生年金に1年未満加入
    ②年金記入期間確認のお願い(緑色のハガキ)
    →現在年金受給権がないため年金の加入履歴やカラ期間を確認する
  • 60歳の翌月ごろ:国民年金の加入期間終了と国民年金加入月数のお知らせ(ハガキ)
    →60歳前月が国民年金の第1号・第3号被保険者
  • 60歳以降受給開始年齢までの誕生月:ねんきん定期便(ハガキ)
    →国民年金・厚生年金の加入者
  • 支給開始年齢の3か月前:年金請求書(事前送付用)
  • 受給後の誕生月:ねんきん定期便(ハガキ)
    →支給開始年齢後に厚生年金に加入中の場合

老齢年金をもらえるのは「10年以上」

老齢年金(国民年金と厚生年金)をもらえるためには、保険料納付期間などの合計が10年(120月)以上必要です。

この10年以上かどうかは、以下のように計算をします。

国民年金期間+厚生年金期間+共済年金期間+カラ期間≧10年(120月)

国民年金期間については、保険料を納付している期間・保険料を免除されている期間・保険料の支払いを猶予されている期間を含みます。

皆様ひとりひとりに基礎年金番号が振られており、国民年金期間・厚生年金期間・共済年金期間は管理されています。

しかし、カラ期間は本人からの申請で判明する期間となっています。

カラ期間とは

カラ期間とは、年金の加入期間10年の計算には含めますが、年金額には反映しない期間をいいます。

主なカラ期間は、

  • 結婚後20歳から昭和61年3月末までに夫が厚生年金に加入中でその妻が国民年金に任意加入していなかった期間
  • 平成3年3月以前の20歳以降の学生で任意加入しなかった期間
  • 日本国籍があり海外に居住している20歳から60歳までの期間
  • 任意加入をしたものの保険料を納めなかった期間

をいいます。

国民年金の強制加入と任意加入
①強制加入期間:保険料を納付すると納付期間になり年金額に反映します。保険料を納付しないと未納期間になり年金額に反映しませんし加入期間にもなりません。
②任意加入期間:加入して保険料を納付すると納付期間になり年金額に反映します。任意加入しない期間はカラ期間となり加入期間に入りますが年金額に反映しません。

10年の加入期間がない方へ

では、10年の加入期間がない方はどうしたらいいのでしょうか?

気がつく時期によるかなと思いますけど、できるだけ早い段階で確認をいただくほうがいいと思います。

まず毎年誕生月に来る「ねんきん定期便」を見ていただき加入期間を確認するというのが大事です。

次に、60歳3か月前に年金加入期間確認のお願い(緑色のハガキ)が来たときに確認ができます。

これが来るということは10年に達していない、と判断できます。

もしこれらすべて確認してやはり10年満たさないとなったらどうするのか。

そのとき、60歳以降に国民年金に任意加入をします。

65歳までまたは老齢基礎年金額が満額に達するまで加入することができます。

任意加入の手続きは、年金事務所または市区町村役場の国民年金課で行います。

国民年金保険料は令和5年度で「1か月あたり16,520円」支払いますので、1年間ですと198,240円支払う必要があります。

ですので、65歳近くになって年金加入期間が足りないとご相談される方がいたりするとなぜ早く相談してくれなかったのかなと残念に思うことがあります。

未納期間にしないこと~国民年金には免除制度あり

この10年加入期間を満たさない方は国民年金のみ加入している方が多い印象です。

国民年金を納めていかなければならない場合には、納付が遅れてしまうまたは納付できない状況になってしまうことも考えられます。

納付していないのか納付できないのかは本来区別されるべきですが、何も意思表示がないと納付していないのと同じ。

納付していないは未納期間となり10年には入りません。

しかし、納付できない場合は免除制度を利用することで10年に入れることができます。

保険料の納付が難しいのなら保険料の免除制度を利用する。

学生には学生納付特例・50歳未満の方には納付猶予制度という制度も利用するといいでしょう。

どちらも市区町村役場で手続きを行います。

保険料免除や納付特例・納付猶予期間は10年以内であれば後から保険料を納めることができます。

通常の未納であれば2年1か月以内に納付という期間制限があります。

なので、保険料を納めることができないのなら免除や猶予の申請をすること。

何も手続きをしないのは未納であることと同じです。

未納が影響をするのは老齢年金だけではありません。

障害年金でも未納だと要件を満たさない場合があることはブログでも紹介させていただいています。

障害年金を受けるための要件 納付要件について

遺族年金も同じです。

遺族年金はもっと厳しくて亡くなった人が25年以上(300月以上)加入していないもらえない場合があります。

この免除や猶予という制度は、年金をもらえる年齢に達したときに「申請しておいてよかったな~」と気づくかと思います。

一方で「申請しておけば年金をもらえていたかもしれない…」と気づかされるのです。

まとめ

国民年金のみ加入で未納状態の方は年金をもらえない無年金者の方が多いです。

今生活が厳しい、お金がなく困っていて年金がほしい。

じゃあ今までなせ相談してくれなかったのかと。

今さら言われてもどうしようもないことってあるんですよね。

特に年金がもらえる段階になって相談に来られてもなと。

そうならないために定期的にくる日本年金機構からのお知らせを見ていただくことです。

分からないことは曖昧にせずに確認をすることが大事です。

事前予約は必要ですが年金事務所や出張相談・街角の年金相談センターへ来訪いただくこともできますので相談窓口は用意されています。

お手数ですけど何か届いたら内容を確認していただき相談していただきたいなと思います。

では。

 

 

タイトルとURLをコピーしました