助成金の申請を仕事としていない理由

社会保険労務士の中には助成金の申請を仕事とされている方がいらっしゃいます。

しかし、私自身助成金の申請の仕事は一切行っていません。

その理由を書いてみたいと思います。

助成金の申請を代理する

雇用や労働について社会保険労務士が事業主に代わって助成金の申請を行っています。

令和7年度の雇用・労働関係の助成金は大きく2種類あります。

  • 雇用関係助成金
  • 労働条件等関係助成金

雇用関係助成金は、雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両⽴⽀援、従業員の能⼒向上などに役立たせるために助成をするものです。

労働条件等関係助成金は、職場環境の改善、生産性向上に向けた取組について助成をするものです。

雇用関係助成金は、助成となる取り組みや対象者によりかなり細かくなってしまっており「助成金検索ツール」なるものまであります。

【事務所お知らせ】  

助成金の代理申請

実際、助成金の代理申請をしている社会保険労務士事務所で書類作成のお手伝いをしたことがあります。

また、事業主や同業者の税理士からも助成金の申請はされていないのかとお問い合わせをいただくことがあります。

しかし、私は助成金の申請は一切やっていませんし今後もやらないつもりです。

不正受給の怖さ

雇用調整助成金の不正受給のニュースが一時期たくさん報道されました。

社会保険労務士が関与しているケースが多かったです。

就業規則など事業者で取り決めている労働条件を助成金の申請要件に合うように書類上操作すれば助成できたということ。

不正受給とは、代表者のほか、役員、従業員または事業主の代理⼈等、支給申請・書類作成に関わった者が偽りその他不正⾏為により本来受けることのできない助成⾦を受け、または受けようとすることをいいます。このため、従業員や社会保険労務⼠が不正⾏為を⾏った場合であっても不正受給に該当します。

その助成金ほしさに書面上と実態を乖離させることが事業主を結果的に苦しめるのではないかと思っているんです。

助成金の要件にあてはまるように実態を整備していくことを事業主はしないといけませんから。

社会保険労務士からしても助成金が入ったらそこから成功報酬をいただけるわけですけど、事業主に提案し無理に申請をさせているというケースも耳にします。

助成金も収入

助成金が入金されてきました。

ではこれに税金がかからないのかというとそういうわけではありません。

助成金は原則として収入として確定申告をしなければなりません

ただし、助成金には消費税が含まれていませんので消費税の申告に含めなくてもかまいません。

国から支給されるものとはいえ収入には変わりないところは注意したいですね。

本業に力を入れてほしい

その助成金、今本当に必要ですか?

私はお客様から相談を受けたときにこう質問させていただいています。

助成金にはたくさんの種類があるためどんな目的で使うのかを確認するのですが特に目的が決まっておらずただお金が欲しいという理由の方が多いですね。

その場合は、とにかく本業に力を入れてほしいとお答えしています。

助成金は収入にはなるけど、結局その目的を達成したら終了。

もう入ってこないわけですね。

助成金はあくまで助成であって本業から得られる収入を補填できる力はありません。

お金が欲しいのなら本業で稼いでほしいなと思っています。

まとめ

個人事業主・フリーランスの方の仕事をメインにするようになってから助成金の申請のお話はほとんどありません。

助成金の申請はリスクが多い仕事だと思うのでお引き受けしていません。

では。

タイトルとURLをコピーしました