非居住者の方が日本で確定申告をする場合には、原則として日本で住んでいる居住者の計算方法の規定を使って計算をすることができます。
しかし、所得控除については一部の規定が適用できないこととなっています。
所得控除とは?
ではそもそも所得控除とは何か。
次の図は所得税の計算の仕組みを生成AIで作ってみました。

左から順番に大きく4つの手順で計算を行います。
- 各種所得の金額の計算
まず1年間に得た収入から非課税所得を除いてその収入を各種所得に分類します。さらに所得ごとに収入から経費を差し引きます - 課税所得金額の計算
各種所得の金額に基づいて総所得金額等を計算します。その際に損益通算や純損失等の繰越控除があればそれらを適用し、その金額からさらに所得控除を差し引きます→所得をマイナスするものが所得控除 - 所得税額の計算
課税所得金額に税率をかけて所得税額を計算します - 申告納税額の計算
所得税額から税額控除等を差し引き源泉徴収税額や予定納税額を差し引き所得税の納付または還付税額を計算します
今回取り上げる所得控除は、課税所得金額の計算の部分で雑損控除から基礎控除まで16種類あります。
居住者が所得控除を受けるときにはこの16種類すべて適用することができます。
【事務所お知らせ】非居住者の所得控除は3つに限定
非居住者について適用される所得控除は、
- 雑損控除
- 寄付金控除
- 基礎控除
の3つに限定されています。
さらに、雑損控除の対象となる資産は日本国内にあるものだけです。
基礎控除について居住者は最大104万円(令和8年分)控除できますが、非居住者は最大62万円(令和8年分)しか控除できません。

年の途中で居住者から非居住者になった場合
令和8年の途中で居住者から非居住者になった場合はどうなるのでしょうか?
図の所得控除の部分に焦点をあててみます。

令和8年分の確定申告をする場合、12月末の段階では非居住者です。
ですので、まず雑損控除・寄付金控除・基礎控除の3つについては非居住者の方と変わりません。
しかし、変わるのは以下の2つです。
医療費控除から地震保険料まで:居住者期間に支払ったものに限られます
障害者控除から特定親族特別控除まで:納税管理人の有無で判定時期が異なります
①納税管理人の届出がある:令和8年12月31日の現況
②納税管理人の届出がない:出国時の現況
①納税管理人の届出がある:令和8年12月31日の現況
②納税管理人の届出がない:出国時の現況
また、居住者期間の所得から控除しきれない所得控除がある場合には、その年の非居住者期間の所得から控除することができます。
まとめ
今日の内容のまとめとして、居住者から非居住者になった場合の所得税の流れの全体図を載せておきます。

非居住者の所得控除で注意したいのは基礎控除額と、年の途中で非居住者になった場合の取り扱いなので気をつけていただけたらと思います。
では。
