先日、令和5年度の国税専門官の採用人数予定が発表になっていました。
国税専門B(理工・デジタル系) 約100名
これを見たときに今年も多いんだな…と思ってしまいました。
採用人数が多い状況が続いているようです。
私の採用当時を振り返ってみる
私が国税専門官として採用されたのは平成16年4月です。
当時国税専門官の採用は750人でした。
それでも多いなと思いましたけど、ここ最近は1,000人程度の採用なんですね。
あと、今年からデジタル・理工系の採用も始まるとのことで合わせて1,100人。
採用されて税務署に配属になる際には、法人課税・個人課税・資産課税・徴収という4つの区分に分かれていくことになります。
希望は聞いてもらえますけど希望通りに配属になるとは限りません。
時代背景も考えて人気なのは資産課税ですかね。
将来独立を考えても選ばれるかなと。
その次は配属人数が多い法人課税でしょうかね。
ただなぜここまで採用人数が増えているのでしょうか?
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退職者が多い
ここ最近定年延長をされる方も多い一方で中途退職される方も多い印象です。
私も15年勤務して退職しましたけど、同期の友人たちも退職している人が多くなってきています。
ある程度の年齢になると実務畑よりも管理職になってきますので現場で仕事を続けたくても続けられないという制約はあります。
もちろん給与は上がりますけど、それに伴って仕事の内容も変わります。
幹部との打ち合わせや責任もありしんどいと嘆いている方もおられました。
そういう状況が後輩職員に伝わっているということなのでしょう。
全く畑違いの仕事をやるという辛さは、ほかの公務員とはまた違うしんどさはあるのかなと思います。
採用者を増やしても退職者が上回るため人手不足が続いているという印象です。
人材育成がうまくいっていない
おそらく私が思うに採用人数を増やしているということは、30歳から50歳くらいまでの働き盛りの職員が少ないということを意味しています。
ちょうど私の世代くらいです。
この時期、採用人数を抑えていたようで700人前後。
採用が少ないのに退職者もいるとなるとそりゃ人手不足になります。
税務署で数年勤務すると特に制限がなければ国税局で勤務することになります。
国税局勤務までの経験年数が年々短くなってきている印象があります。
若手の優秀な人材を国税局に呼び込もうとしているのかもしれません。
一方で税務署はというと、基本的に年配職員(再雇用職員)と新人職員しかいないという状況に陥っています。
ここ最近の採用人数の増加により生まれた弊害かもしれません。
業務の経験がない新人職員が多い状況でその指導係を50歳以上の年配職員が担うわけです。
「世代間ギャップ」という言葉があるとおり、話がかみ合うとは限りません。
コミュニケーションを取るのが限りなく難しいでしょう。
調査手法もその年配職員のやり方次第ですから、変な癖がついてしまう可能性も否定できません。
また年配職員の指導が上手いかというとそういうわけでもありません。
新人職員からしたら「ちょっと上の先輩がひとりくらいいたらいいのに」と思ってしまいそうなのですが、その先輩が国税局にいるわけです。
私は国税局にいかずに税務署勤務でしたが、新人職員にも私から声をかけるようにしていました。
退職前の私は中堅職員でしたけど周りを見渡しても私より年上の方しかいませんでしたからできるだけ話を聞いて相談に乗ってあげようとはしていました。
人材育成面でも不安を抱えている職場であることは想定できます。
ずっと居続けるかどうか
しかし、女性職員や高卒で採用された職員にはとても恵まれた職場かもしれません。
産休・育休制度が充実していますし女性幹部登用も進んでいると聞きます。
実際内部部門では女性職員が大活躍です。
私もよく指導していただきました。
あと、大卒と高卒で採用試験は分かれていますけど中に入ったら比較的対等に扱ってくれます。
仕事ができる・やる気がある職員は学歴関係なく出世していきますので、学歴のことは気にしなくてもいいです。
むしろ高卒職員のほうが機転が利いて優秀だと思うことのほうが多かったです。
そのため、このままこの職場でいいと思えるのなら定年まで居続けるべきでしょうし、その気持ちがなくなったら退職するというのも手かなと感じます。
まとめ
国税庁ホームページに採用試験の案内があって採用人数1,100人なんだと思って気になったので記事にしてみました。
時代背景もあって公務員人気は下落傾向のようですね。
組織としてどうなんだろうと感じることはあります。
私も退職した身ですので嫌なところばかり見てしまいます。
でも同期の中にはバリバリ職員として働いていたり楽しそうに仕事をしていたりしますので働き方次第なのかなと感じています。
では。