調査専門税理士&社労士という選択

開業したらどういう業務をメインにしたいかを考えたとき、税理士と社労士の両方の資格を活かすことと、今までの税務署勤務での経験を踏まえると一つの考えが浮かんできました。

それは「調査対応を専門にすること」です。

なぜこういう考えに至ったのか。またどうしていきたいかを書いてみたいと思います。

ひとり税理士の業務の仕方を参考にしてみる

最初は法人や個人の顧問業務(=定期的に訪問したり相談を受けて決算書や申告書を作成する)を中心に、と考えていました。

しかし、税務署勤務でしたので税理士事務所での勤務経験がなく、顧問業と言っても詳しくは分かりません。

おそらく記帳をして確定申告書を作成したり相談に乗るというようなことをするのでしょうが、実際にやってみないと不安があります。

せっかくなら申告書作成をメインにするより、税務調査対策や調査の事前相談をメインとして「困った時に頼られる税理士」「コンサルティング」を目指すのがいいかなと思ったのです。

また、ひとり開業する予定ですので、顧問業務をメインにしてしまうと何件も担当することができなくなり質が悪くなってしまいそうな気がしています。

実はこういう方向にしようかなと思ったのは、ある税理士のブログからでした。

ひとり税理士の内田敦さんのブログと書籍を拝見する機会があり、個人事業主税務調査専門というジャンルで活躍されているのを見て、これだ!と思ったのです。

ただ、私は税務署では法人担当でしたので個人の所得税の経験は確定申告期以外でほぼありません。

不安はないと言えばうそになりますが、税務署に勤務しているときから独学で所得税の勉強は続けていましたし、和歌山へ帰ってきてからもネットや書籍などで調べたりはしていました。

そこで分かったことは、個人事業主と法人に関しては税務調査で調査官から指摘されやすいところはほぼ一緒だということでした。

一部違うところがありますが、個人の譲渡や相続・贈与と違って個人事業主は商売をすることがメインなので法人と似ています。

ひょっとしたら法人で経験した税務調査を個人事業主の調査に応用できないかなと思ったのです。

ではなぜ経験してきた法人の税務調査をやらないのか?

これは実際法人の税務調査だと負担感が大きいと思ったのと、法人のほうが税理士の関与率が高いので差別化できないなと思ったからです。

今までお願いしている税理士にそのまま税務調査を依頼されることが多いと思うのです。

しかし、個人の場合は確定申告書自体は自分で作成することも十分可能なので、あえて税理士を頼むまでではないのかなと思っているのではないかと。

でも実際は個人でも税務調査が行われていて、その都度税務署のいいなりになってしまいひょっとしたら余計な税金まで払ってしまっている可能性もあるのではないかと思うのです。

また、今や副業をする時代。このコロナの影響でますます副業をする方が増えています。

サラリーマンが副業をすると基本的には確定申告が必要ですが、サラリーマンは通常年末調整で精算が終わってしまうので、確定申告する必要はないと考えてしまっているようです。

これからは確定申告の内容も知識として持っておいたほうがいいのかな思いますし、少しでも不安感を和らげるようなお手伝いができればいいなと思ったのです。

これは内田税理士の考えも大きく影響しています。とにかく法人は競争が多いのであえて個人、個人の中でも個人事業主やフリーランスの方を対象にしていこうと思っています。

社会保険労務士も調査専門で

税務調査を専門にするなら、社労士としての業務も調査専門にしようかなと。

しかし、ひとつ問題が。

多くの社労士が関与する調査は、年金事務所調査と労働基準監督署調査の大きく2つがあります。

社会保険の適用がある事業所の範囲に個人事業主が入っていない業種があるのです。

年金事務所調査で社会保険の加入状況の確認を行う際に、そもそも社会保険の適用がある事業所かどうかというのがあります。

社会保険の適用がある事業所はこの2つです。

①法人   ②個人で従業員5人以上の適用事業(5人以上+適用事業)

つまり、個人で従業員5人未満または非適用事業は社会保険に加入するのは任意なのです。

非適用事業とは、サービス業や法務、宗教などを指します。

したがって、個人事業主で従業員5人未満のサービス業を営んでいる場合は社会保険に加入しなくてもいいので、調査はこない可能性があります。

いっぽう労基署調査は、届け出た就業規則や労使協定などの作成し提出しているかどうかを確認することが多いです。

就業規則は、常時10人以上の従業員がいれば作成して労基署へ届出する必要があります。

また例えば時間外労働(残業)をさせるために36協定を作成して届出しますが、これは従業員が1人でも届出が必要です。

つまり、労基署調査は個人事業主でも従業員を雇用していれば調査の対象になることがあるということです。

結局、個人事業主やフリーランスの方に限定して年金事務所や労基署調査の対応を行うことも可能ではないかと思ったりしています。

従業員を抱えている個人事業主やフリーランスの方もおられますし、年金事務所調査は該当しなくても労基署調査に該当する事業主もいるのかなと思うのです。

また、従業員に未払残業代の支払を求められることや社会保険に加入する・しないのトラブルも多くあり、事業主の方も悩んでおられるのかもしれません。

法人だけが調査対応ではなく、こういう個人事業主やフリーランスの方も調査されることもあると思ったら、需要は少なからずあると思っています。

ただ、これらの調査は未経験ですので、最初は苦労するのかなと。

事前に書籍やネットで調べてどういうところがポイントかは分かっています。

経験を積めばもっとお伝えできることが増えるかなと思っています。

セミナーを開催したい

調査を専門にするにしてもお客様全てに対応できるわけではありませんし、自分で解決できるという方もおられるかと思うのです。

そこで、調査を対策するセミナーを開催したいなと思っています。

セミナーはオンラインでも対面でもいいのですが、少しでも不安を解消してもらえるようにできればいいなと。

セミナー開催をするためにパワーポイントで資料作りも始めました。

調査の流れや事前にチェックしてほしいことを、実体験と調べたことなどを織り込んで作っているところです。

税務署勤務のときは、説明会の担当と部内研修の講師の経験はありますが、なにせ緊張するタイプです。

でもお伝えすることで新たに得られるものや考えられていること、困っていることも知ることができるいい機会なのかなと思うのです。

ぜひ実現させたいことのひとつです。

法人向け調査対応をやるかどうか

今のところは個人事業者やフリーランス向けで調査対応をしていくつもりですが、法人向けの調査対応も業務に入れたらどうかな?というのも考えています。

しかし、それは自分にどれだけ依頼がいただけるかで考えようかなと。

もし需要があって法人向けの税務調査や年金事務所・労基署調査に依頼がきたらその時また考えようかなと思っています。

このブログでは法人の方向けの調査の情報もお伝えしていくつもりですし、法人向けの調査対応のマニュアルやチェックシートも作成しているところです。

正直他にも考えていることがあって、顧問業もまったくやらないというのは心配です。

毎月定額で入ってくる顧問料は生活していくうえで助かるので顧問業もやったほうがいいのかなとか。

ただ、業務を広げすぎると自分の能力をはるかに超えてしまったり、お客様にご迷惑をおかけしてまで無理な業務をお受けするのはやめたいなと。

自分ができないことは事前にできないと明示しておきたいなと思うのです。

また、もし個人事業主の税務調査対応をする依頼が来て、そのまま顧問もお願いしますとなった場合、それをお断りするのもどうかなと思ったりするのです。

例えば無申告の調査が来て申告書作成の依頼が来た場合、早急に申告書を提出することで税務署側は今後もその税理士が作成してくれるだろうということから調査を中止することもあります。

関与せず放っておいたらまた無申告になるでしょうし。

ただこれもお客様との信頼関係を築けるかどうか。

顧問業をやる税理士が大変そうに見えるのは、お客様の意向で随分左右されているということ。

値下げ要求やお客様のクレール処理などなど。源泉所得税の未納督促をしていたときに税理士からよく愚痴を聞かされていましたから。

今後事業を進めていくにつれ方向性は変えていいと思っています。ひとりで動けるメリットのひとつだと思います。

(補足)給与計算や年末調整ー経験した事務から

税務署での源泉所得税事務の経験から、給与計算や年末調整の質問や業務を請け負うというのも考えていますが、これは業務量が増えてしまいそうなので、ご依頼がいただけたら考えます。

まとめ

今後のことを考えたときに何を軸にするかは大事だと思っていて、たまたま内田税理士の書籍やブログを拝見する機会もあって調査を専門にするという道もあることを知りました。

ただまずは経験を積むこと。失敗することもたくさんあるので恐れずに受け入れることかなと。

最初からうまくいくなんて思っていないです。そうじゃなくても不器用な私ですから。

やってみないと始まらないと思っています。

方向性がきちっと固まったときにまたご報告したいと思います。

また、長々と書いてしまいました。

では。

[事務所お知らせ]

編集後記

持続化給付金の搾取、今度は現役の税務職員が逮捕されてしまいした。

もう悲しいですね。

なぜ止められなかったのか。

しかも、薬物にまで手を染めていたとのこと。

憤りすら感じます。

この逮捕で周りにどれだけ迷惑をかけているのか知ってほしいです。

芋づる式にいろいろ明るみになってきそうでこわいですね。

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