営農取引報告書における売上計上の注意点

農家の方が確定申告書を作成するにあたっては、JAを通じて取引した場合請求をすれば1年間JAで取引をした報告書(営農取引報告書)を取り寄せることができます。

これをもとに決算書を作成することができますので活用されている農家も多いのかなと。

その際、気をつけたいのは売上の計上です。

*自宅にあったみかん

営農取引報告書は「入金ベース」

JAの営農取引報告書は、決算書を作成しやすいように各勘定科目ごとに整理されています。

しかし、ひとつ問題なのは入金ベースでの処理がされているということ。

実際にお金が入金・出金された時点で集計しているということです。

そのため、売上の計上時期が問題となります。

農業における売上の計上時期は、出荷した時です。

出荷したあとで入金があるわけですけど、出荷した時点が令和7年中で入金が令和8年になる場合には、令和7年の営農取引報告書に載ってこないのです。

この場合、営農取引報告書の数字だけではなくJAから届く出荷精算書をもとに令和7年中に出荷したものを売上に計上するのを忘れないようにしましょう。

出荷日と入金日が同じ年にある場合には簡易的に営農取引報告書ベースで売上を計上しておき、年をまたぐものを追加で売上として拾う方法もあります。

ただしこの方法は、毎年継続して経理していることが前提であり原則的な処理ではないと思います。

ちなみに、まだ入金されていない部分は売掛金ないしは未収入金などで経理をしておきます。

ポイントは、

  • 出荷日で売上を計上(→入金時ではない)
  • 未入金は売掛金または未収入金で

となります。

【事務所お知らせ】  

JA出荷精算書の出荷日をチェック

営農取引報告書に載っていない、年末に出荷をして年明け入金のものについては、出荷精算書をもとに売上を計上していきます。

出荷精算書にある出荷日が令和7年中になっていれば売上に計上しないといけない、というわけです。

出荷精算書の入金の際、販売手数料や運賃などが控除されるのが一般的です。

販売手数料や運賃などは経費となるので、じゃあ売上金額はその差額、つまり入金額で計上すればいいんんじゃないか?と思われるかもしれません。

しかし、売上は総額で計上します。

控除前の出荷金額が売上差引分は経費になります。

例えば、10,000円出荷し販売手数料や運賃として500円を差し引いた9,500円が入金されたとします。

この場合、出荷時に売上9,500円と計上するのではなく、

  • 売上:出荷時に10,000円
  • 経費:出荷時に500円
  • 売掛金または未収入金:出荷時に9,500円

とするのが一般的です。

ポイントは、

  • 出荷精算書の出荷総額を売上計上
  • 経費:販売手数料や運賃など

両方を計上することに気をつけましょう。

消費税にも影響

このような売上計上がもれていますと消費税にも影響してきます。

売上に含まれている消費税をもとに1年間で納める消費税を計算していきますので、売上が増えることにより消費税も増えるということになるわけです。

ただし、農家の方の場合にはインボイス登録をしているかどうかにより対応が異なります。

JA特例といって条件を満たせばインボイス登録をしなくてもいい場合があるからです。

2年前の売上が1,000万円以下でJA特例によりインボイス登録されていないのであれば消費税の申告は不要です。

ただし、インボイス登録をしていたり2年前の売上が1,000万円を超えている場合には消費税を申告しなければなりませんので売上計上は特に慎重にならないといけません。

まとめ

売上計上を漏らさないための対策としては、営農取引報告書だけで集計するのではなく出荷精算書もチェックをするということ。

特に出荷と入金が年をまたぐ場合は集計もれに注意が必要です。

では。

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