外国人の脱退一時金を計算する際に、国民年金の加入なのか厚生年金の加入なのかで計算方法が異なります。
その際の注意点について書いてみたいと思います。
国民年金の脱退一時金
国民年金の脱退一時金は、日本国籍がない外国人の方で6か月以上国民年金を払っていて老齢年金の受給権がない人が出国後2年以内に請求をすることができます。
国民年金の脱退一時金は以下のように計算をします。
令和8年4月から令和9年3月までは令和8年度になります。
令和8年度の国民年金保険料は月17,920円です。
下の表は計算式で使用する支給額計算に用いる数と支給額です。

この表を見ると6月以上12月未満など保険料納付済期間等の月数の一定の範囲内では支給額は定額です。
例えば、保険料納付済期間等が6月の場合、
17,920円×1/2×6=53,760円
が脱退一時金の支給額となります。
注意点は、保険料納付済期間等が半年の範囲内なら変わらないということ。
例えば、保険料納付済期間等が6月(→6月以上)の場合と11月(→12月未満)の場合で支給額が変わらないのです。
なので、保険料納付済期間等を正しくカウントするために年金事務所で必ず確認をしていただきたいわけです。
「あと1か月国民年金を払っていたら(11月→12月)一つ上の支給額になっていた」ということもあるからです。
この国民年金の保険料納付済期間等はあくまで国民年金第1号被保険者(自分で国民年金を払っている方)の方が対象となります。
そのため、国民年金第3号被保険者(配偶者の扶養に入っていた期間)は保険料の負担がないため、脱退一時金の支給対象にはなりません。
ただし、過去に国民年金保険料を納付していた期間や、会社員として厚生年金に加入していた期間がある場合は、脱退一時金を請求できる可能性があります。
【事務所お知らせ】厚生年金の脱退一時金
厚生年金の脱退一時金は、日本国籍ではない外国人が6か月以上の厚生年金加入期間があり老齢年金の受給権がない人が出国後2年以内に請求することができます。
厚生年金の脱退一時金は以下のように計算をします。
ここで平均標準報酬額とは、 厚生年金保険被保険者期間の全部が2003年4月以降の方の場合、
で計算をします。
言い換えると、厚生年金をかけていた期間に勤務先から保険料計算のために届けられていた給与やボーナスを平均したものです。
支給率((保険料率×1/2 ) × 被保険者期間月数に応じた数) については難しく考える必要はなく以下の表の支給率を使います。

ちなみに、この厚生年金被保険者期間の月数(厚生年金に加入していた月数)についても6月の方(→6月以上)と11月の方(→12月未満)で支給率は同じになります。
具体例を使って厚生年金の脱退一時金を試算してみます。
標準報酬月額20万円、標準賞与額合計(その間に支給された標準賞与額)80万円
- 平均標準報酬額=20万円×15か月+80万円(=380万円)/15か月=253,333円
- 支給率=1.1
- 厚生年金の脱退一時金=253,333円×1.1=278,667円
となります。
まとめ
今日の内容をまとめます。

特に、あと1か月かけていたら支給額が上がるケースがあるので、請求前に必ず年金加入期間のチェックをお願いしたいですね。
では。

