個人事業主が副業した場合の確定申告

個人事業主の方で本業以外に会社やお客様から頼まれて副業として収入を得ることがあります。

この場合の確定申告についての注意点を整理してみたいと思います。

「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」では?

まず確認しておきたいのが、「副業所得が20万円以下なら確定申告不要では?」という話です。

これは給与所得者(会社員)にのみ適用されるものであり、個人事業主には適用されません。

副業の所得が少額であっても、個人事業主は本業と合算して確定申告が必要であることは注意したいです。
【事務所お知らせ】  

4つの視点で整理

本業を持つ個人事業主が副業を行うときには、業種を問わず以下の視点を確認しておきましょう。

  1. 本業
    現在すでに営んでいる事業と副業の所得は本業と合算して1つの確定申告書にまとめる必要があります。
  2. 副業の種類
    業種によって形態は様々あります。事業所得か雑所得かの判断材料になります。
    副業が事業所得になるか雑所得になるかは、継続性や反復性・規模で判断するのが一般的です。
  3. 所得税申告での注意点
    所得区分の判定・経費の按分・記帳区分(売上高の内訳を作るとか雑収入とするなど)・必要書類・青色申告の特典の適用有無を検討する必要があります。
  4. 消費税申告での注意点
    簡易課税を選択している場合、本業・副業それぞれの取引を事業区分ごとに分けて集計する必要があります。

先日、記帳指導で似たような話がありましたのでご紹介したいと思います。

詳細は伏せておきます。

金物屋×配送業

本業は金物屋を営んでいます。

一般消費者向け(小売)と建築業者などのプロ向け(卸売)の両方に販売をしています。

先日、荷物運送をある卸売業者から配送業(運送)を依頼され副業で行うことになりました。

この場合、所得税申告での注意点としては、以下の3つが挙げられます。

  • 本業と副業の所得は合算して1つの確定申告書にまとめて申告が必要です。つまり副業もきちんと申告が必要です。
  • 配送業としての運賃収入は、金物屋の売上と帳簿上で明確に区別して管理する必要があります。
    →例えば、会計ソフトで補助科目として売上(金物)と売上(配送)と分けたり、金物売上は売上高・配送業は雑収入とする、などが考えられます。
  • 例えば、自分の店で扱っている金物(商品)を配送費込みで業者に届けた場合には、商品代金と配送料を分けて記帳する必要があります。

消費税申告での注意点としては、簡易課税を選択している方であれば事業区分判定がメインとなります。

  • 簡易課税を選択している場合には、売上を事業ごとに区分して集計する必要があります。
  • 金物屋(小売):第2種事業(みなし仕入れ率80%)
  • 金物屋(卸売):第1種事業(みなし仕入れ率90%)
  • 配送業:第5種事業(みなし仕入れ率50%)

製炭業×鳥獣駆除

和歌山県は紀州備長炭が有名ですので製炭業(炭を製造・販売)を本業で営んでいる個人事業主もいらっしゃいます。

また、イノシシやクマなどの鳥獣被害が多発しており役場から委託されて有害鳥獣駆除の仕事を副業で行っているとします。

副業による報酬は「報奨金」という形で受け取っています。

所得税申告での注意点は以下の3点です。

  • 製炭業の所得と鳥獣駆除の所得を合算し、1枚の確定申告書で申告をする必要があります。
    *所得とは、収入から必要経費を差し引いたあとの金額です。
  • 鳥獣駆除の報奨金収入は、事業所得の雑収入(か雑所得の収入)にします。
    個人的には、製炭業収入=売上高、鳥獣駆除報奨金=雑収入と区別するほうがいいかなと感じます。
  • 猟銃・わな・弾薬・作業着・車のガソリン代などは必要経費にできます。

消費税申告での注意点としては、簡易課税を選択している方であれば事業区分判定がメインとなります。

  • 製炭業の売上だけではなく報奨金収入も消費税の課税売上に含める
  • 製炭業:第3種事業(みなし仕入れ率70%)
  • 鳥獣駆除報奨金:第5種事業(みなし仕入れ率50%)
    →捕獲という役務の提供に対する対価とみなされるためです

まとめ

今日の内容をまとめます。

個人事業主はたとえ副業が少額であったとしても本業と合わせて確定申告が必要です。

そして、消費税を簡易課税にて申告する場合には業種区分をきちんと区別することが大事です。

では。

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