節税という言葉をググってみると、
と書かれています。
一方で、脱税とは、
と書かれてあります。
ネットなど巷で話題の節税方法が一歩間違えたら脱税になってしまう可能性があるので、私は節税という言葉自体があまり好きではありません。
節税の方法を教えて!
ご相談をいただくときによくあるのが、節税の方法を教えてくださいというものです。
節税とは、非課税制度・控除制度等を活用して適法に税金額を軽減するという言葉の範囲内で行うものだと私は考えています。
私は勉強不足なところもあって複雑な節税方法はよく分かりません。
税務調査をしているときには、大きな法人ほど節税を考えて取り組んでおられたのですが、その部分が問題になることは実はそれほど多くありませんでした。
むしろ取引や経理方法がおかしいなど根本的な問題を見逃しているケースのほうをよく見かけました。
その例としてよくあったのが、手元に税金を払う余裕がないため税金を減らしたいというものでした。
小手先のテクニックで税金を減らそうと無理くりされているのが分かる時もありました。
その場合に脱税との境目が曖昧になっていて、怪しい経理処理をしていたり不審な取引をしていたりするために調査時間も長引きました。
もちろん調査官との間でもめますよね。
私は下手な節税手法を使って脱税っぽいようなことをするよりかは、節税という意味にそのまま沿った形で対応するのがいいと考えています。
【事務所お知らせ】非課税制度・控除制度等を活用する
節税の言葉の意味を分解してみます。
つまり、個人事業主の方でいいますと、
- 青色申告特別控除
- 土地・建物等の課税の特例(居住用財産の譲渡所得の課税など)
- 平均課税制度
- 所得控除(医療費控除や寄付金控除など)
- 税額控除(住宅ローン控除・機械等取得・給与支給額増加など)
が考えられます。
もちろん要件を満たさないと特典を受けることができませんし、そのために経理を操作することはダメです。
しかし、これらの適用を知らずに申告をしてしまうともったいないわけです。
これらは「法律で認められている」制度です。
私の思う節税って法律が認めているものを有効活用すること。
青色申告特別控除は最たるものだと思っていて、白色申告者でも帳簿や書類の保存は必要になっていて青色申告者との違いは今現在ほとんどありません。
申請書を提出することで青色申告特別控除を受けることができます。
さらに損益計算書だけでなく貸借対照表を作る、e-Taxで申告することでさらに上乗せになるわけです。
正しく申告することのほうが小手先のテクニックにこだわるよりはるかに健全だと思うのは私だけでしょうか。
適法に税金額を軽減する
もうひとつのポイントとして、
ということです。
ネットなどの情報を見ると節税という名の脱税行為があがっていたりします。
- 食費を全額経費にできるよ
- 雑費に何でも入れよう
- 不動産賃貸業を営んで給与所得と損益通算
これらは税務署に指摘されやすい処理だったりよく検討しないといけない問題だったりします。
専門家に問い合わせたほうがいいんじゃないかなと思うこともちらほら。
法人成りについても安易に考えている方もおられるようですが、私は無理に勧めることもしません。
時間をかけてじっくり検討していくものだと思っています。
自分の営まれている事業に応じて話は変わることも多いです。
必要経費になる・ならないなんて最たるもので、一律に経費なるなんて決めつけられるものではありません。
この事業だから必要な経費なんだと個別に判断していくものだと思いますので。
法律に従って適切な処理をすることで結果的に節税につながっていくと思うんですよね。
よく税金対策のために経費を作るということをされる方がいますが、それがたとえ適正な処理だったとしても手元にお金がなくなります。
じゃあ税金を納めるお金がなくなりますよね。
経費を無理やり作ってお金を減らすよりも、経費は減らさずに売上を増やして手元にお金を残して税金を納めるということのほうが健全じゃないのかなと。
経費の作り方ひとつとっても架空の経費を支払ったことにすれば脱税行為になるわけです。
一歩間違えたら当然違法行為になりえます。
まとめ
個人的なことで申し訳ありませんが、節税方法を教えてという問いには正直うまく答えられません。
まずその方のプライべートと事業両方の状況を聞かないとわかりかねます。
固定費が多くかかっているのならまずはそれを減らすことも大事だと思いますし、節税が一歩間違うと脱税になるという危機感があるからです。
「節税は簡単にできますよ!」って私には言えません。
もっと節税に詳しい税理士に頼んでいただいたほうがいいのかもしれません。
それくらい節税という言葉に敏感になっていますし、怖い言葉だなと思います。
では。