受け取った年金にすべて税金がかかるの⁉

昨年から入っている年金相談ですが、今年も引き続いて年金相談センターや年金事務所に週1日程度入る予定にしています。

昨年末の相談からよく質問されたのが、受け取った年金に税金がかかるのかどうかということです。

確定申告時期が近づき気にされる方も多いのかなと。

そこで今回は受け取った年金すべてに税金がかかるものなのかついて書いてみたいと思います。

受け取れる年金の種類

受け取れる年金の種類として大きく分けると3種類あります。

  • 老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)
  • 障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金)
  • 遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)

公務員であった方などは共済年金を受け取ることができますが、扱いは各厚生年金と同じものとなっています。

老齢年金は、老後の保障という意味合いのもので原則65歳から受け取ることができます。

障害年金は、障害を負った方が請求することで受け取ることができます。

遺族年金は、働いていた方や年金を受け取っている方が亡くなった時にその遺族が受け取ることができます。

【事務所お知らせ】  

老齢は雑所得・遺族と障害は非課税

税金関係としての扱いですが、

老齢年金は雑所得にあたります。

1年間に受け取った年金額について、毎年1月になると源泉徴収票が送られてきます。

一方で、障害年金と遺族年金は非課税、つまり税金はかかりません。

何年間かさかのぼって受け取れる場合でも障害年金や遺族年金に税金はかかりません。

障害を負ったり、亡くなった方の遺族に対してまで税金をかけてしまうのは酷な話ですからね。

影響があること

老齢年金を受け取った場合は、雑所得で税金計算に含まれてくることになります。

では、老齢年金を受け取ったことでどのような影響が考えられるのかについてみていこうと思います。

扶養控除等

例えば、母を扶養している息子がいるとします。

母は老齢年金しかもらっていないとすると、息子が母の扶養控除を受けるためには、

母が65歳未満:年金収入-60万円≦48万円
→年金収入108万円以下
母が65歳以上:年金収入-110万円≦48万円
→年金収入158万円以下

であることが必要です。

母が年金収入だけでなくパート収入があったりしますと、パート収入は給与所得となり別の所得になりますので、合わせて確定申告をすることになります。

計算した結果、母の所得金額が48万円を超えてしまいますと息子は扶養控除を受けられなくなります。

公務員など共済年金を受け取ることができる方は年金額が多く、年金収入だけで扶養控除の要件を満たさない方もおられます。

お元気な方も多いのでまだまだ働きたいと思うこともあってあとからビックリされるケースもありますので注意が必要です。

給与だけでなく、土地建物・株を売った、配当を受け取った場合なども扶養控除に影響を与える可能性があり判断する必要があります。

専門家にご相談されることをおススメします。

所得税と住民税

一方で扶養控除を受けられなくなった母は、自分で受け取った年金のほかパート収入などがあれば所得税と住民税を払っていかなければなりません。

天引きされて受け取ることになるので、確定申告をすることで納めすぎた分は還付されることも多いですが、一方で足りないときは追加で納付することもあります。

なので必ずしも還付になるとは限りません。

介護保険料・後期高齢者医療制度

介護保険料の計算や後期高齢者医療制度の費用負担についても、受け取った老齢年金が多ければ高い保険料を支払わなければならないこともあります。

ただこの場合も、老齢年金だけというよりかは他の所得があった場合に一気に保険料が上がってしまう可能性があります。

まとめ

先日、年金相談の窓口にて遺族年金を請求された方がいて、自分の老齢年金を多くもらっていることで扶養控除の要件を満たさないかどうか心配されておられました。

「遺族年金は課税されません。税金の計算の対象にならないです。」

という旨をお伝えしたら安心されていました。

年金にかかる税金の話はよく聞かれますので今回記事にしてみました。

では。

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