日本を出国して非居住者になる方の給与の源泉徴収より、非居住者の方が日本に入国してきて居住者になった場合の給与の源泉徴収が実は落とし穴なのかなと感じます。
そこで、今回は日本に入国する従業員に支払う給与の源泉徴収のしかたについて整理したいと思います。
入国時における給与の源泉徴収の整理
まず整理しておきたいのは次の3点です。
- 給与計算期間(いつ締めか)
- 支給日
- 入国日
つまり、「税額をゼロとできる」という規定があります。
しかし、この規定は給与の計算期間の途中で居住者から非居住者になった場合に認められるものです。
したがって、
具体例
では、ここからいくつか具体例を見てみます。入国後すぐに扶養控除等申告書を提出しているものとします。
事例①
- 給与計算期間 8月1日~8月31日
- 支給日 8月25日
- 入国日 8月20日
- 支給額300,000円、社会保険20,000円、扶養親族1人、月額表甲欄
入国日(8/20)より支給日(8/25)が後ですので支給日現在は居住者です。
したがって、日本の従業員と同じ居住者として源泉徴収を計算しますので、300,000円ー20,000=280,000円→5,560円が源泉徴収税額となります。
事例②
- 給与計算期間 8月1日~8月31日
- 支給日 8月25日
- 入国日 8月29日
- 支給額300,000円、社会保険20,000円、扶養親族1人、月額表甲欄
支給日(8/25)よりも入国日(8/29)が後ですので、支給日現在は非居住者です。
入国した日(8/29)から居住者になりますので、8/25~8/28の4日間が非居住者であるといえます。
したがって、非居住者として給与の源泉徴収を計算します。
非居住者として日本で受ける給与(国内源泉所得)については、20.42%の税率で計算を行い、給与計算期間のうち国内において行った勤務期間を按分します。
- 計算方法
300,000円×4日/31日=38,709円→国内源泉所得
38,709円×20.42%=7,904円が源泉徴収税額となります。 - 注意点
給与の計算期間の途中で入国し居住者になった場合なので、給与全額を国内源泉所得としなくてもよいという規定はありません。
事例③
- 給与計算期間 7月21日~8月20日
- 支給日 8月25日
- 入国日 8月21日
事例③は、給与計算期間が20日締めですでに給与計算期間を過ぎているケースです。
この場合でもまず支給日現在がどうなのかを確認します。
支給日(8/25)は入国日(8/21)よりも後ですので支給日現在は居住者です。
したがって、日本の従業員と同じ居住者として源泉徴収を計算しますので、300,000円ー20,000=280,000円→5,560円が源泉徴収税額となります。
事例④
- 給与計算期間 7月21日~8月20日
- 支給日 8月25日
- 入国日 8月30日
事例④は、給与計算期間が20日締めですでに給与計算期間を過ぎており、その後8/30に入国してきています。
ということは、支給日現在は非居住者となります。
また、給与計算期間すべて国外で勤務していますからすべて国外源泉所得と扱われますので日本で課税されません。
まとめ
今日の内容をまとめます。

入国時における給与の源泉徴収は、給与計算期間・支給日・入国日をきちんと確認することです。
ヒヤリングをする際などは図で整理してみることをおススメします。
では。
