先日のブログでは、入国してきた従業員に支払う給与の源泉徴収の計算について書いてみましたが、今回は賞与を支払う場合の源泉徴収について書いてみます。
賞与の計算期間・支給日・入国日
給与の源泉徴収の際にも取り上げましたが、ポイントは3つ。
- 賞与の計算期間
- 支給日
- 入国日
です。
今回は賞与なので計算期間が1か月とは限りません。
例えば、賞与を6月と12月の年2回支給している会社であれば賞与の計算期間は「6か月」という場合が多いかと思います。
あとは、賞与の支給日と入国日がいつになるのかで課税関係が異なることになります。
【事務所お知らせ】賞与の税額計算とは?
ではそもそも日本の従業員に賞与を支払うときの源泉徴収税額の計算はどうなっているのでしょうか?
賞与の源泉徴収税額は、一般的には、賞与に対する源泉徴収税額の算出率表を使って計算をします。

しかし、給与の税額表を使って求めるケース(例えば、前月に給与支払がない人に支払う賞与)もあります。
さらに、扶養控除等申告書を提出していれば甲欄・提出がなければ乙欄で計算を行います。
具体例
ではここから3つの事例を見ていきます。
すべての事例で入国後すぐに扶養控除等申告書を提出しているものとします。
事例①
- 賞与の計算期間 7月1日から12月31日(6か月)
- 支給日 翌年1月10日
- 入国日 10月1日
- 支給額 500,000円
- 賞与から差し引かれる社会保険料70,000円
- 前月支給の社会保険料控除後の給与210,000円
- 扶養親族1人
入国日のあとに支給日が来ていますので、支給日現在は日本の居住者となりますので日本の従業員と同じように源泉徴収を行います。
したがって、賞与500,000円をもとに源泉徴収を計算します。
- 前月支給の社会保険料控除後の給与210,000円が含まれている「107千円以上250千円未満」の行と賞与の金額に乗ずべき率欄との交わるところ→2.042%
- (賞与500,000円ー賞与から控除する社会保険料70,000円)×2.042%=賞与の源泉徴収税額8,780円(1円未満端数切捨て)
事例②
- 賞与の計算期間 7月1日から12月31日(6か月)
- 支給日 翌年1月10日
- 入国日 翌年1月1日
- 支給額 1,000,000円
- 賞与から差し引かれる社会保険料200,000円
- 扶養親族0人
翌年1月に入国後すぐに賞与の支給日が来たケースですので支給日時点では居住者です。
しかし今回の場合、居住者として勤務した前月給与がありません。
前月給与の支給がない場合の賞与の税額計算は給与の月額表(甲欄)を使って計算を行います。
- (賞与1,000,000円ー賞与から差し引かれる社会保険料200,000円)÷6=133,333円
→賞与の計算期間6か月で割って1か月あたりの賞与を計算しています - 月額表甲欄・扶養親族0人にあてはめる:税額1,600円
→1か月あたりの賞与を給与の月額表にあてはめます

- 賞与の源泉徴収税額 1,600円×6=9,600円
→1か月あたりの賞与を6倍してもとに戻します
この計算方法は、いわゆる6で割って6かけるという「6分6乗方式」ともよばれます。
事例③
- 賞与の計算期間 7月1日から12月31日(6か月)
- 支給日 翌年1月10日
- 入国日 翌年1月20日
- 支給額 500,000円
この場合、支給日現在はまだ入国していませんので非居住者です。
賞与の計算期間すべて外国での勤務に対応するものですので国外源泉所得となり日本では課税されません。
したがって、今回の賞与500,000円については源泉徴収は不要となります。
まとめ
今日の内容をまとめます。

支給日と入国日がポイントとなるのは給与と変わりません。
しかし、前月給与があるかないかで賞与の計算の仕方が変わりますので気をつけたいところです。
では。
