ねんきん定期便は厚生年金や国民年金に加入されている方の誕生月に送付され、今までの厚生年金の加入期間や国民年金の納付状況等を確認することができます。
また、将来の年金支給開始年齢や年金見込み額を知ることもできます。
しかし、ねんきん定期便にある年金見込み額には含まれていないものがありますので今回解説してみたいと思います。
60歳以降厚生年金に加入している人のねんきん定期便
ねんきん定期便は、35歳・45歳・59歳の節目年齢時はA4封筒で、節目年齢以外のかたにはハガキで送られてきます。
今回注目したいのが、60歳以降厚生年金に加入している方に送付されるねんきん定期便(ハガキ形式)です。
この定期便は、60歳以降の各誕生月の4か月前時点で退職したと仮定した年金見込み額が表示されます。
このねんきん定期便には、会社からお届けいただいている標準報酬月額(給与)や標準賞与額(ボーナス)が表示されています。
また、65歳時点の年金見込み額から5年間や10年間老齢年金を繰下げた場合(65歳時点の年金を置いておいて増やす)の見込み額も表示されています。
さらに、厚生年金基金に加入していた代行部分についても年金見込み額に含まれています。
【事務所お知らせ】年金見込み額に含まれないもの3つは重要
ねんきん定期便の年金見込み額に含まれていないもののうち次の3つは重要です。
加給年金・振替加算
配偶者・子がいる場合の加給年金額は年金見込み額に含まれていません。
厚生年金20年以上かけている夫が65歳以降、妻が原則65歳になるまでの間、配偶者の手当(加給年金額)として年423,700円が夫の厚生年金に上乗せされます。
一方で、妻が65歳以降は振替加算が老齢基礎年金に上乗せされますが生年月日に応じて年額が決まっています。
これがねんきん定期便の年金見込み額には含まれていませんので注意したいところです。
また、老齢厚生年金を65歳時点で受け取らずに置いておいて増やしている状態(繰下げ待機中)の場合は加給年金は支給されませんので注意したいところです。
在職老齢年金による支給停止
厚生年金を受け取りながら働く場合、給与+厚生年金が基準額(月65万円)を超えると厚生年金の一部または全額が支給停止となります。
停止額の計算方法は以下の通りです。
- 基本月額
1か月の厚生年金(報酬比例部分)額
*厚生年金基金を受け取っている場合は基金代行額も含めます - 総報酬月額相当額→①+②
①標準報酬月額:勤務先から日本年金機構へ届け出た金額
②過去1年間の賞与を12で割ったもの(1か月あたり賞与)
1.と2.を合計して在職老齢年金の基準額65万円と比較します。
- 合計額が65万円以下→厚生年金は全額受け取れる
- 合計額が65万円を超える→厚生年金は超えた額の半分が支給停止
この在職老齢年金による支給停止額も年金見込み額には含まれていません。
そのため、支給開始年齢の時点で在職老齢年金の停止額を試算しておくのもいいでしょう。
年金事務所や街角の年金相談センターで試算してくれます。
この際、繰下げ待機期間中、在職老齢年金制度により支給停止される額は繰下げ請求による加算額の計算に含まれません。
そのため、在職老齢年金による支給停止がある場合には老齢年金を繰下げた(65歳時点の年金を置いておいて増やす)場合の見込み額よりも少なくなります。

高年齢雇用継続給付による厚生年金支給停止
60歳~65歳の間に雇用保険の被保険者として働いている方を対象とした給付金で、60歳時点の賃金とそれ以降の賃金を比較して一定程度低下している場合に支給されます。
この場合、65歳前の老齢厚生年金を受け取りながら高年齢雇用継続給付を受けている方は厚生年金が一部支給停止になります。
停止額は標準報酬月額と賃金割合に応じた年金停止率から計算をします。
この高年齢雇用継続給付による厚生年金支給停止額も年金見込み額には含まれていません。
まとめ
今日の内容をまとめます。

特に年金額が少なくなる可能性のある在職老齢年金との調整については気をつけていただきたいです。
では。
