70歳以降、在職老齢年金との調整はどうなるの?

働きながら年金を受け取る場合(在職老齢年金)には年金が調整される場合があります。

一方で、70歳を迎えますと厚生年金保険料の負担がなくなりますので調整もなくなりそうな気がしますが…。

在職老齢年金の調整方法

まず、働きながら年金を受け取る場合(在職老齢年金)の調整方法です。

  1. 基本月額
    1か月の厚生年金(報酬比例部分)額
    *厚生年金基金を受け取っている場合は基金代行額も含めます
  2. 総報酬月額相当額=①+②
    ①標準報酬月額:勤務先から日本年金機構へ届け出た給与
    ②過去1年間のボーナスを12で割ったもの(1か月あたり賞与)

1.と2.を合計して在職老齢年金の基準額65万円(令和8年4月以降)と比較します。

  • 合計額が65万円以下→厚生年金は全額受け取れる
  • 合計額が65万円を超える→厚生年金は超えた額の半分が支給停止

あくまで在職老齢年金に調整がかかるのは厚生年金の部分であり、基礎年金は全額受け取れます。

また、配偶者加給年金額は厚生年金を一部でも受け取っていたら支給されます。

【事務所お知らせ】  

70歳を迎えたら「保険料負担はないけど調整あり」

ある会社の代表者が70歳を迎えました。

これまで健康保険料のほか厚生年金保険料も会社と本人が折半して負担していました。

厚生年金保険料の負担が70歳になるとなくなります。

負担がなくなるから在職老齢年金の調整がなくなるか、というとそうではありません。

70歳以降も働き続ける場合には、健康保険の報酬額に基づいて(標準報酬月額相当額といいます)在職老齢年金の調整が行われます。

そのため、70歳を迎えた段階で給与を減らすという選択を取られる方もいらっしゃいます。

以下、70歳未満の場合との比較を整理してみました。

給与額を変更するなら「70歳到達届」を

70歳を迎えた代表者が在職老齢年金により年金が調整されないように給与額を変更することにした場合には、70歳到達届の提出が必要です。

70歳到達時点の標準報酬月額相当額が70歳到達前の標準報酬月額と変更がなければ提出しなくてもかまいません。

日本年金機構側で自動的に70歳以降の記録(厚生年金保険の資格喪失・標準報酬月額相当額)が処理されます。

今回のように給与額を変更することにより70歳到達前の標準報酬月額と異なる場合には「厚生年金保険 70歳到達届」を年金事務所へ提出します。

提出を忘れてしまいますと在職老齢年金の調整額の計算が実態と異なってしまうおそれがあります。

70歳到達届を提出するかどうかの判断は、標準報酬月額相当額に「変更があるか」で判断することになります。

75歳以降はどうなるの?

75歳以降も継続して代表者として働いている場合には、健康保険から後期高齢者医療保険制度に加入することになります。

健康保険には75歳まで加入します。

しかし、保険制度が変わっても在職老齢年金の調整は引き続き行われますので注意したいところです。

まとめ

今日の内容をまとめます。

770歳以降は厚生年金保険料の負担はなくなりますが、在職老齢年金の調整は引き続き行われます。

75歳になり後期高齢者医療保険へと移行した場合でも引き続き調整されるところがポイントです。

では。

 

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