最近、給与計算を勉強する機会がありました。
もともと業務メニューで掲げようか考えていたのですが需要がありそうな気がしたので一から理論的な背景を学ぼうと思って手に取った本をご紹介します。
給与計算は給与計算ソフトがやってくれる?
計算そのものは給与計算ソフトがやってくれますから、それほど計算の得意不得意は関係ないのかなと思います。
でもその計算をするまでの準備段階と計算後の手続きがきちんとできるのかが給与計算で大事になってくると思っています。
計算までの準備段階として、
- 社会保険料の計算
- 雇用保険料の計算
- 割増賃金(残業代)の計算
- 36協定などの届け出がきちんと行われているのかどうか
など。
計算終了後は、
- 給与の渡し方
- 源泉徴収事務
- 年末調整事務
などの一連の流れを、計算ソフトを完全に頼ってしまうのではなく理論で知っておくことが大事になってくるのかなと。
年末調整に関しては税理士業の一環でもありますので、本来給与計算と相性がいいのは税理士兼社労士だと思っていたのですがこれまで私は避けてきました。
しかし、先日本屋を巡った結果、ある1冊の本が目に留まりました。
沢井清治の基礎から学べる給与計算
「人事総務検定/給与計算技能特別認定講習」の公式テキストになっているものです。
検定テキストと書かれていますので「実務書ではないのかな?」と一見思いますよね。
しかし、記入例や計算例が豊富なのと図解がスッキリしていて読みやすいのが特徴です。
給与計算の前提となる基礎知識のページが充実しているのもこの本をおススメする理由のひとつです。
給与計算で気を付けたいのは、労働時間の把握だと思っています。
労働時間・時間外労働(残業時間)になるならないの判断も説明してくれています。
【事務所お知らせ】記入例が多い
先ほども書きましたけど、記入例が多いのがこの本の特徴です。
年末調整における扶養控除等申告書の記入なども詳細に書かれています。
計算方法と記入例が近い位置で挿入されているので読みやすくなっています。
この本は220ページちょっとですが、記入例や図解が多いので読む負担にはならないでしょう。
そのわりにポイントがまとめられているので重宝しています。
ほかの給与計算本との違い
本屋でほかにも給与計算に関する本を手に取ったのですが、どうも私には合いませんでした。
- 図解が多すぎて逆にごちゃごちゃしている
- 出版年度が古く制度が変わってしまっている(残業代の計算など)
- 本当に正しいのか分からない
- 読みにくい
- 無駄に分厚い
給与計算ソフトを使う前提で書かれていない本が多いなか、こちらの本は給与計算ソフトをどう使っていくかまで書かれています。
給与計算ソフトを使うのは決まっていることですのでその理論的背景をつかむ意味でコンパクトな本で充分なのかなと感じました。
「特別認定講習」は受ける必要ある?
こちらの本は講習の公式テキストと書かれていますが、講習を実際に受けて資格まで取る必要があるかというとそこまではいらないのかなと。
それよりもこの本を土台として次の詳細な給与計算本に進むとか、実際に給与計算を自分でやってみたほうが理解しやすいのかなと思います。
私は今もところ受験する予定はありませんが、どんなことをするのかなと興味はあったりしますね。
まとめ
今回は給与計算の本をご紹介してみました。
LECの社労士講座の講師が書かれていることもあって信頼はできるでしょうし、毎年改訂されているようです。
税務関係もLEC税理士講師に指導していただいている旨も書かれてあります。
給与計算、何をやったらいいのか分からない社労士にもおススメできる本です。
では。