「期ずれ」で注意したいポイント 

本来は当期に計上すべき売上を翌期に計上するなど、期間損益のずれのことを「期ずれ」といいます。

期ずれは税務調査において必ず最初にチェックされる項目です。

今回はこの期ずれについて注意したいポイントについて書いてみたいと思います。

会計上と税務上も考え方は同じ

会計では、1年という期間内で売上(収入)から対応させるべき費用や損失を控除することで利益(または損失)を計算します。

税金を計算するうえでもこの考え方は同じで、売上(収入)から必要経費を差し引いて所得(もうけ)を計算していきます。

会計上も税務上も、各年度の利益や所得については厳密な期間計算を行い、計上年度の誤りによるものも認められていません。

そのため、「どうせ翌期の売上になるのだから修正しなくていいんじゃないか」と思われがちですがそれではいけないということです。

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金額的重要性(重要性の原則)との関係

会計には重要性の原則というものが存在します。

重要性の原則とは、重要性の高いものは厳密な処理を、重要性の低いものは簡便的な処理や表示も容認するというものです。

では何をもって重要かどうかを考えるのかですが、一番分かりやすいのは金額が大きいかどうかです。

期ずれが生じやすいものとして、売上や仕入・外注費・人件費・商品の棚卸がありこれらは金額的も大きいうえ、件数も多くなりがちです。

一方で、ほかの営業費用については金額的に重要性が低いものも多いため少額の支出については厳密に期間計算をしなくてもいいということもあります。

そのため、期ずれを考えるうえで営業における主要な項目は金額も大きく重要性が高いので真っ先に確認をしていくことになります。

具体的な対応策

では、ここから重要性の高いものの対応策について書いていきたいと思います。

売上高・仕入高・外注費

これらは期末前後の取引内容をチェックして翌期に計上したもののなかで当期に計上すべきものがないかどうかを判断します。

具体的には、期末前後2~3か月程度の領収書や請求書の内容をチェックしていくのが一般的です。

もしこの中で期末までに商品が販売されていないものがあれば在庫の計上漏れになります。

外注費も一見期ずれは関係なさそうに見えますが、完成までに決算を挟んでしまう場合には仕掛中ということになりですべてを経費にすることができません。

売上と仕入・外注費は対応していますので、当期の売上の計上がもれているのであればそれに見合う仕入・外注費はきちんと計上されているのかも確認しておきます。

調査官はつい売上計上もればかり指摘しようとしてきますが、それに見合う仕入・外注費もあれば当然に認めてもらうべきです。

人件費

給与台帳と給与の元帳とのチェックが必要です。

決算期と給与の締め日の相違によるもので、通常は未払になるはずです。

棚卸資産

商品などを販売している場合には、在庫管理が大切です。

実地での棚卸原票や棚卸の明細表のチェックをしておく必要があります。

期ずれで重加算税が課されてしまうことも

期ずれが不正と判断されてしまい重加算税という重たい罰金を支払う羽目になってしまうこともありえます。

例えば、売上の計上日を翌期へと意図的にずらした場合です。

請求書や納品書の日付を翌期の初日へ改ざんしたとします。

先方の請求書や領収書の控えを見たら日付が一致していませんし、手元にあるほかの書類から日付を操作していることがわかってしまいます。

商品ですと期末在庫も一致してこないことも想定されます。

ひとつ日付を改ざんするとどこかで「ほころび」が出てきてしまいます。

重加算税には「事実の仮装・隠ぺい」という要件があります。

事実の仮装・隠ぺいの具体例として、今回の例のような証拠書類の改ざん等も含まれており脱税目的でなくても存在していれば当てはまるとされています。

普通期ずれは単なるミスで済むことが多いですが、意図的に操作をしてしまうと重加算税が課されてしまうこともあるということは知っておきたいところです。

まとめ

期ずれは税務調査の中でまず最初にチェックされる項目です。

ここでミスを指摘したら調査官は最低限のノルマはクリアできたことになり安心するものです。

その後の調査に勢いをつかせてしまうことになりかねませんので十分な対策をしておくことが必要です。

では。

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