確定申告をする際には、個人事業主・フリーランスの方は自分で決算書を作成しなければなりません。
売上などの収入を集計しそれにかかった経費を集計することになります。
確定申告の時期にはさらにやっておきたいことがあります。
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経費を集計する意味
事業を行うためには、交通費や外注費・通信費など多くの経費がかかります。
事業をするうえでかかった経費は、1年間のもうけを計算する際に売上から差し引くだけでなく確定申告で所得税の申告をするうえでも大切になります。
決算書を見てみると経費の科目がたくさんあることがわかります。
なぜ経費の科目ってこんなに分かれているのでしょうか?
その理由のひとつが、どのような経費がいくらかかったのか決算書を見ればわかるようになっていることです。
すべての経費を「経費」という科目で集計していてはどの経費がいくらかかったのか分からなくなってしまいます。
ただし、経費を何という経費の科目を使っていけばいいのか迷うことが多いと思います。
その場合はある程度割りきりも必要で、どの科目で記録をしても経費であることには変わりません。
なのであまり神経質になる必要はないですが、一度この科目と決めたらあまり変えないほうがいいでしょう。
複数の年度を比べてみよう
先ほど、経費の科目を決めるのに神経質になる必要はないが一度決めたら変えないほうがいいと書きました。
なぜでしょう?
それは、経費の科目における金額の増減を確認するためです。
例えば、今年1年間の通信費という科目を集計してみたとします。
一般的には「ふーん、これだけかかったのね。」で決算書を作成して終わることかと思います。
特に確定申告期限間近なら数字だけ集計して満足という場合もあるかもしれませんね。
しかしここでとどまらずもう一歩踏み込んでみましょう。
前年の決算書にある通信費という科目を見て金額を比較してみるのです。
もしかしたら、大きく増えていることもあったり逆に減ったりしていることもあるでしょう。
金額が大して変わらないこともありますよね。
もし金額が大きく増えていたら、なぜ増えたのか・どうすれば減らすことができるのかを考えてみるのが実は大切なんですね。
さらに、3年分や5年分の経費を並べて比べてみると、通信費が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか、波があるのかなど傾向が見えてきます。
事務所経営をしていくうえで経費をたくさん使えばいいというものではありません。
節税目的で軽費を多く使って…という話を耳にしたりしますけど、それだけでは手元に残るお金が減っていく一方です。
経費を使った割に税金が安くならない、ということにもなりかねません。
経営に役立たせるためには複数年度の比較というのは大事になってきます。
税務調査の事前準備に
税務調査において調査先に訪問する際には事前に決算書の最低5年分はチェックしています。
決算書における経費の各科目それぞれ5年分を並べて比べているのです。
例えば、接待交際費。
今年の接待交際費がほかの年より多かった場合にはその理由を知りたくなりますよね。
ひょっとしたら事業で使ったものじゃなくてプライベートで食事に行った分もいれているんじゃないのって思ってしまいます。
経費の各科目の金額を複数年度比べるというのは税務調査の事前対策にもなります。
金額が大きくなった理由やその金額の証拠書類を保管しておくこと。
金額が少ない理由も説明できるように準備しておきましょう。
もし、やむを得ずある科目を別の科目に変更したのならその旨も説明できるようにしておくことも大事です。
まとめ
私も確定申告書を作成するときには必ず前年、さらにその前の年は必ず振り返って確認をするようにしています。
目の前の決算書の作成だけで終わらせてしまいがちですが、前年以前の経費の各科目を比べてみると新たな経営のヒントが見つかるかもしれません。
確定申告の時期だからこそ時間をとって考えてみたいものです。
では。