商業漫画家の方から話を聞きますと、出版社から支払われる原稿料等が源泉徴収(所得税が天引きされる)されることと確定申告の関係で迷われることがあるようです。
今回は、商業漫画家の方向けに源泉徴収と確定申告との関係について書いてみたいと思います。
出版社が商業漫画家に報酬を支払う
商業漫画家(以下、漫画家とします)は、出版社を介して作品を世に出し編集や宣伝のサポートを受けながら報酬を得る方です。
出版社から受け取る報酬には原稿料のほか、挿絵料・書籍(電子書籍)の印税・著作権の使用料などがあります。
このうち一定のものについては、報酬の支払者である出版社が源泉徴収(所得税の天引き)をした残りが振込まれることになります。
例えば、8月に原稿料100,000円を出版社が支払うときには10,210円が源泉徴収され、その残りである89,790円が漫画家に振り込まれてきます。
【事務所お知らせ】報酬の種類と源泉徴収税率
では、源泉徴収される報酬の種類と税率について漫画家が関係するものをご紹介してみます。
- 原稿料や挿絵料:源泉徴収税率10.21%(支払金額に10.21%をかけます)
→ただし1回の支払額が100万円を超える場合の超える部分は20.42% - 印税(書籍や電子書籍):源泉徴収税率10.21%
→出版社経由の印税が対象です - 著作権の使用料:源泉徴収税率10.21%
→キャラクター使用許諾料も対象です
ポイントは、
ということを押さえておきましょう。
一方で、DLsiteやBOOTH等に販売した場合のプラットフォーム売上は源泉徴収されませんので注意したいところです。
支払調書と総額・源泉徴収税額の集計
出版社は翌年1月末までに支払調書を作成して税務署に提出する必要があります。
まず、年明けに各出版社から送られてくる支払調書を確認します。
しかし、支払調書は漫画家に交付する義務はありません。
なので手元に届いていないということもありえます。
そのため、確定申告の際には、受け取った原稿料や印税などの総額と源泉徴収税額を自分で集計しておく必要があります。
例えば、8月に原稿料100,000円を出版社が支払うときには10,210円が源泉徴収され、その残りである89,790円が振り込まれてきた場合を考えてみます。
この場合、8月分としての原稿料収入の総額は100,000円、源泉徴収税額は10,210円となります。
仮に8月の売上が原稿料収入だけならば、8月の売上高は100,000円となります。
1年間の総額と源泉徴収税額を集計したうえで確定申告書を作成します。
この際源泉徴収税額は確定申告において「源泉徴収税額」として控除(差し引く)ことができます。
源泉徴収税額はいわば前払いをした税金なので確定申告の結果納めすぎた分は還付されます。
まとめ
今回の内容をまとめます。

売上高は振込額ではないことと、必ずしも支払調書が届くとは限らないことから売上総額と源泉徴収税額を自分で集計しておくことが大事です。
では。
