税務調査での想定問答を考えておく

税務調査で実は一番大事だと思うのは、「事業主ご本人がどう説明するか」ということだと思っています。

事業を始めるに至った経緯や事業内容の説明、どうやって人を雇っているのか・商品をどうやって仕入れて販売しているのか、お金の出処、など。

税理士がいくら説明してもこれらの内容まで理解できていることは少ないのかなと。

これらのことについては、事業主本人が説明できるようにしておくようにしないといけないのですが、いきなり調査官から話をふられてもパニックになってしまいます。

そこで、私は今後依頼いただける事業主の方向けに「想定問答集」のようなものを作ってお渡ししようかなと思っています。

「想定問答集」を作ろうと思ったきっかけ

私自身がどちらかというと事前に準備しないと舞い上がってしまってうまく答えられないことがあります。

調査日当日は、いきなり調査が始まるわけではありません。

調査官から事業主に対して、世間話から入って事業内容を聞いていくのが通常です。

帳簿書類の調査は後回しです。この事業内容をどれだけ聞き取るかに時間を割きます。

話の内容からおかしいところはないか、隠している取引はないかなど、事業主への質問からあぶりだしていきます。

多くの事業主は調査に慣れていないことが多いので、ついつい世間話の延長で話がとまらなくなり墓穴を掘るケースを何度も見てきました。

おそらく何も準備していないからおかしな方向に話が進むと思っています。

調査官からどういう質問が来そうなのか、想定しておくことも必要だなと思うのです。

また、もう1つ作ろうと思ったきっかけとして、中央経済社の「税務弘報」に2回にわたって発行された税務調査50之心得というものを読んだからです。

これは税理士が実際に税務調査を体験したことから学んだことや心がけていることなどが書かれてて、とても参考になったものです。

何人かの税理士が事前準備の大切さを書かれていて、想定される問答集を作ってお客様に渡しておいた、という方がいらっしゃったのです。

私でさえ緊張するのにお客様の緊張は図り知れないと思うのです。それなのに何が聞かれるのかもわからないのは酷だなと思ったのです。

事前に何が聞かれそうなのかわかっているのであれば考えておく・対策しておくのに越したことはありませんから。

想定問答集を作るにあたって意識したこと

意識したのは、調査官が質問した意図を理解していただくことです。

この質問が来たときに、調査官はどこを確認したいのか。

例えば、こういう質問が来たとします。

どのような仕事をしていますか?いつからその仕事をしていますか?

この質問をしてきた意図は、「ほかに仕事をしていないか=本業以外の収入がないか」ということです。

事前に調査官はあらゆる情報をつかんで調査に臨んでいます。

それは申告書の情報だけにとどまらず、ネット検索やタレコミ・取引先の税務調査などからも情報を仕入れています。

この質問をして、ひょっとしたら嘘をついているのでは?と調査官は目を光らせるのです。

こういったように調査官からの質問には何かしら意図がありますので、それを資料化したいなと思ったのです。

実際に私が調査官として行っていた質問をもとに、法人向けではなく個人事業主向けにアレンジしました。

個人事業主専門の税理士のブログをも拝見して情報を集約してみました。

この何気ない調査官とのやり取りが実は一番重要だと思っているので、もし依頼いただいたときには漏らさずご説明できればと思っています。

「調査の流れ」をご理解いただくのがいい

税務調査で対策できることの1つとして、調査の流れをご理解いただくのがいいのかなと思っています。

いきなり調査が始まるわけではなくて、先ほど書いたような世間話から事業主への質問をするのがとても重要な位置づけであるということ。

この事業主への質問には税理士はタッチできないので、どれだけ事業主がうまく説明できるのかにかかっているということ。

調査全体の流れをご理解いただくと、どういった事前の準備が必要で、当日以降どう対応していけばいいのかがお分かりいただけるのかなと思っています。

まとめ

もちろん想定していないような質問が調査官から来ることも大いにありますが、もしわからなければ調べて後日回答でもいいので曖昧な回答は避けましょう。

嘘は一番よくありません。

またパニックになってしまった場合でも、事前にメモを用意しておくとちょっと改善されるかもしれませんし、調査官もそのあたりは理解してくれます。

税理士でも緊張する税務調査です。

できる限り事前に対策をしておいて聞かれたことに素直に対応することを心がけましょう。

では。

[事務所お知らせ]

編集後記

土曜日に日本税理士会連合会から税理士登録通知のハガキが届きました。

こちらに登録番号が記載されていました。

ハガキだったので正直誰でも内容が見える状態です。今のご時世ちょっと怖いなと。

情報漏えいとか何かに悪用されちゃうんじゃないかなと思ったり。

せっかくならマスキング処理などわからないようにしてほしかったな、と思ってしまいました。

また、その日は家族が出かけている間に事務所ホームページに載せる写真をスマホで撮影。

フォトスタジオで撮ってもらうことも考えたのですが、まずは家の庭でありのままの私を。

なぜひとりで撮影したかというと、さすがに家族に見られるのは恥ずかしいのと、こうしたらいいとかいろいろ言われるのが嫌だったので。

セルフシャッターが難しくて苦戦しましたが、なんとか撮りました。

一度載せてみて気が変わったら変更してもいいのかなと思っています。

やっぱり専門家に撮影してもらったほうがいいなとは感じましたね。。

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