一人親方の税務調査ポイント ⑫資料はどこまで見せるのか

一人親方の税務調査ポイントの12回目。

今回は、税務調査の当日のお話です。

実際、自宅や事業所を訪れた調査官は、確定申告書作成に至る経緯や日々の経理・事業内容などについてヒヤリングを行います。

その際、資料の提示を求められますが、果たしてどこまで見せればいいのでしょうか?

【事務所お知らせ】    

資料の提示とは?

ここでいう資料の提示とは、領収書や請求書・契約書などのほか、事業で使っている現金や事業用口座の通帳などを調査官に見せることです。

税務調査では、確定申告書作成のもととなった資料をチェックしていきます。

原則:仕事に関係のある部分だけ見せればいい

原則は、仕事に関係のある部分だけを見せればいいということです。

例えば、自宅で税務調査を受ける場合にはリビングで行うことが多いので証拠資料は事前にリビングにすべて用意しておくのが鉄則です。

もし調査官からプライベートの部屋や寝室を見せてほしいと言われたとしても見せる必要はありません。

ただし、調査官からのヒヤリング中にプライベートの部屋に帳簿や通帳を保管しているという話になったら、そのプライベートの部屋も仕事に関係する場所となります。

この場合、どうしても見られたくない場所がある場合にはその旨を伝える努力はすべきです。

税務調査には協力すべきですが伝えなければ理解してもらえませんし、拒否するということは書類を隠しているのでは?という不信感を与えてしまいかねません。

ちなみに、現在進行中の年分の資料の保管状況も確認されます。

2024年に税務調査が行われる場合には、2023年分までの確定申告が調査対象となりますので2024年分は調査対象ではありません。

しかし、2024年の請求書や領収書などの資料の保管状況は確認されます。

ここでもし日ごろの保管状況がよかったら確定申告書の作成も丁寧にしていると信頼していただけることがあります。

プライベートの預金通帳は見せる?

調査官からプライベートで使っている預金通帳を見せてほしいといわれることがあります。

この場合は見せる必要があるでしょうか?

こちらも先ほどの原則通りで基本的に仕事で使っている通帳を見せればOKですが、見せなければならない場合があります。

それは、プライベート用の通帳で売上や経費の入出金をしている場合です。

これもヒヤリングで明らかになったり、事前に調査官が銀行への調査で口座情報を把握している場合があります。

生活費と資産状況の確認でプライベート用の通帳を見せてほしいといわれることもあります。

ですので、やましいことがなければ税務調査時に一緒に準備しておくほうがいいと思います。

家族の通帳を見せないといけないの?

一人親方の税務調査なのに家族の通帳を見せないといけないことがあります。

基本的には自分の通帳だけでいいのですが、売上や経費の入出金を家族の口座で行っている場合には、その口座も確認されることがあります。

また、生活費の確認のため、ほかに収入がないかどうかの確認のために家族の口座も確認されることがあります。

調査官は周囲を確認している

調査官は税務調査で使われるリビングを見渡しています。

ヒヤリングをしている最中に周囲を見渡して目につくところに何か書類が置いてあるとその書類を確認しようとします。

事業に必要な書類をすべてリビングに持ってきたとしても、置いてある書類が何か事業に関係のある書類ではないか?と考えます。

例えば、注文書や図面・工程表などは確定申告書を作成するのに必要な書類ではないですが大事な情報源(ほかに工事がおこなれているのか)となります。

もし見られたくないものがあれば放置せずに別の場所の保管しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、調査時に資料をどこまで見せるのかについて書いてみました。

原則は仕事に関係のあるもののみですが、調査官は何かにつけてプライベートの資料の保管状況を確認したがります。

プライベートの資料だと思っていたら売上や経費の資料の可能性があるからです。

もちろん嘘はついてはいけませんが、資料をどこまで見せるのかは調査官と粘り強く交渉するというのも大事かなと思います。

では。

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