確定申告期間中、税務調査はやらないのか

2月から3月にかけて確定申告期間ですから基本的に税務職員はそちらにかかりきりになります。

しかし、地域によっては個人の確定申告書の提出が少ないところもあり、一部職員だけ確定申告業務をしてあとの職員は通常通りの仕事をしています。

では、税務調査はこの時期どうしているのでしょうか?

実は法人税調査はやっていたりします。

法人の税務調査ができる場合

基本的に調査ができる場合は限定されていて、原則的に税務調査はしないことになっています。

法人ですと税理士が関与しているところが多いため、規定により2月後半からは税理士へ調査予約の連絡を取ることができなくなっています。

なので実質税理士が関与している法人への調査はできません。

一方で、

税理士が関与していない法人
銀行調査や反面調査
調査をすでに受けていて進行中の法人

についてはそのまま調査が続けられます。

一番気を付けたいのは、税理士が関与していない法人の税務調査です。

税理士が関与していない法人の税務調査は、調査官からしたら狙い目なのです。

準備の段階から多数の誤りがあるという前提で調査をしてきますから。

実際申告書の中身をみただけで一目瞭然。

何これ?
あれ?

私もある税務署にいたときは2月から3月にかけて数件調査をしたことがありますが、たいてい誤りが見つかって不正が行われていました。

確定申告時期だから税務調査はない!は危険

確定申告時期は確かに税務調査が来る可能性は少なくなります。

しかし、全く来ないから放っておいていいや!は危険な考えです。

確定申告期間中に確定申告業務に従事しない職員は暇なのかというとそんなわけありません。

情報収集をしています。

今後行く調査先の案件をじっくりと検討する時間があります。

現在ですと簡易接触ということでお尋ね文書をお送りして修正を促すということもできますからね。

「確定申告で忙しい」で調査拒否できるか

確定申告時期ですので社長本人が確定申告をされる場合もあります。

基本的に役員報酬だけですと年末調整をすれば確定申告をしなくてもいいわけですが、株取引をしているとか、土地を譲渡したなどがあれば確定申告が必要です。

しかし、この確定申告のために忙しいことを理由に法人の税務調査を拒否できるのかというと、できないのが原則です。

あくまで法人に対する税務調査ですから。

ただし、社長個人または親族などにやむを得ない理由があれば調査を中止することがあります。

例えば病気になったとか亡くなった人がいるとか。

この時期に税務調査は来ないと思っている社長も多く驚かれたり不満を言われる方が多いです。

しかし、基本的には税務調査は通常どおり行われます。

もちろん日程の調整をすることは可能ですが、税務調査自体がなくなるということはなかなかありません。

調査官は勉強できる期間

普段調査官は調査案件の準備と調査終了に向けての報告と上司への決裁。

その後審理へ確認されて場合によっては幹部へ報告…。

調査官自身の自己研鑽がなかなかできないのです。

しかし、この確定申告時期は税務調査に行く機会が少なくなり基本的に「待つ状態」となるわけです。

そこで、私はこの時期に自席でこれまで行った調査のまとめをしたり、研修資料を読み返してみたりしていました。

確定申告に関わらなくても質問は受けますからそれとなく勉強していましたし。

ただ、「今確定申告時期なのか」と思うくらいゆっくりとした時間を過ごしていた期間でもありました。

ある税務署ではお客様でごった返しているということを耳にしていましたので、税務署によってこんなに違うんだなと若手ながら思っていましたね。

まとめ

今回は、確定申告期間中でも法人税調査は行われる可能性があるということを書きました。

やっぱり要注意なのは税理士が関与していない法人でしょうね。

少しでも調査件数を稼ぐ・職員をモチベーションを保つためには調査をしておきたいところですから。

確定申告期間だから調査なんか来ないよ!と思うのは危険です。

日ごろから税務調査はいつか来るという前提でいたほうがいいかなと思います。

では。

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