「利益が出てしまったから税金対策したい」が怖いと思うわけ

フリーランス(個人事業主)の方からのご相談で、

昨年より利益が出てしまったからどうしたらいいでしょうか?
税金対策したいんですけど…

と聞かれることがあります。

おそらく売上が昨年より増えたか、経費があまりかからなかったなのかなと想定できます。

しかし、その税金対策をしたところで逆効果になることもご説明させていただくようにしています。

お金は有限ですから。

手元にお金を残すこと

おそらく税金対策をしたいとおっしゃる方の多くは、税金を納めたくないと考えている方かなと思います。

一般的に、フリーランス(個人事業主)の方は、事業所得として確定申告をします。

事業所得は、収入金額から必要経費を差し引いて計算をしていき、利益としての所得金額に税率をかけたら税金が計算されるというのが基本的な流れです。

そのため、税金を減らすためには事業所得を減らす。

事業所得を減らすためには収入を減らすか経費を増やすということを考えがちです。

しかし、それって単純に考えていいものかなと思うんですね。

税率といっても、一律何パーセントと決まっているのではなく所得金額により段階的に決められています。

収入をあえて減らすことは売上をごまかす=脱税ですのでやってはいけないこと。

これは想像しやすいんです。

しかし、経費を増やしたところでその後かける税率が低ければそれほど税金が減るということはありません。

それよりも今手元にどれだけお金を残しているのかが大事だと思います。

無駄に経費を使って結局手元に何も残らなければ、税金すら払えないこともありえます。

生活をするうえでは事業だけではなくプライベートで使うお金も必要です。

経費をたくさん使ったら税金減らせると思っても、実際手元にお金がないほうが怖いです。

税金が払えない、生活できないほうがよっぽど大変。

私がよく例としてお話するのは、

経費を増やしたとしても結局税率にしたらたいしたことない。
それよりも手元に資金を確保して税金を払えるほうがよっぽどいいことだと思いますよ!

とお伝えするようにしています。

本当に「必要経費」なのか

所得が出そうだからといって経費を増やそうと考えている方がやりがちなのが、経費をでっちあげるということ。

つまり、経費じゃないのに経費にしてしまう。

払っていないのに経費にしてしまうというものです。

プライベートで買ったものを事業用の経費にするというのは税務調査でよく指摘されます。

こういうものは所得が出そうだと考える年末によく起こります。

1年間の収入と経費がある程度見通せるようになる12月ごろにいきなり支出が増えたりすることがあります。

それはたいてい経費ではないプライベートなものを買って経費にしてしまっていることが多いです。

経費の支払がないのに経費にしてしまうというのも起こりがちです。

特に現金支払いの場合には、領収書を相手に渡します。

その領収書を相手に渡さずに適当な金額を記入して払ったことと装うのです。

これは「架空経費」と言われ、不正となり重加算税という重たい罰金が科せられます。

税務調査では、本当に事業で必要な経費として支払っているのかどうかが確認されます。

税金対策として経費を増やそうと考える方の多くが陥りやすい間違いです。

【事務所お知らせ】    

資金繰りに困るのが一番心配

何度も書きますけど、税金対策をするより手元に資金を残すほうがいいと私は考えています。

経費を使うということは、お金が出て行っているということ。

手元にお金が残っていない状況になる可能性があるわけです。

もちろんどうしても必要なものを年末に買うというのは構いませんが、無理に経費を作り出す必要はないです。

それよりも所得が出たのに手元にお金がないほうが問題です。

未収が多いのかも知れませんので先方に回収の督促をする必要があります.

所得が出たからすぐ税金を減らそうという安易な発想は危険だと思います。

資金繰りって所得が出て資金があるときほどよく考えていただく必要があるかなと感じます。

無理に経費は使う必要はなく、税金を素直に払っていただくほうが手元にお金が残る可能性が高いです。

まとめ

今回は、あるご相談から無理な税金対策は逆効果であることを書いてみました。

年末に急遽無駄に経費を増やす方も見受けられますが、税務調査では必ずチェックされます。

それよりも資金繰りを長期的に考えて、本当に必要な経費なのか・手元にいくら置いておけば生活できるだろうか・税金が払えるだろうかを考えていく必要があります。

特に、所得が多く出た年ほど、手元のお金のありなしは検討したほうがいいと思います。

では。

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