国家公務員や地方公務員・私立学校などで勤務されていた場合、老齢厚生年金や経過的職域加算部分は共済組合から受け取ります。
この年金が一定額以上であれば扶養親族等申告書が送付されてきて年金から税金が天引きされますし一定額未満であれば天引きされません。
その関係を今日は整理してみたいと思います。
単一共済者と混在者
共済組合に加入したことがある場合、就職してから退職まで同じ共済組合に勤務していた方と、国民年金や厚生年金にも加入したことがある方がいます。
同じ共済組合だった方を単一共済者、共済組合のほか国民年金や厚生年金に加入していた方を混在者と言ったりします。
ちなみに、国家公務員と地方公務員はお互いの期間を通算することができるので両組合に加入していたとしても単一共済者と扱います。
単一共済者の場合には次の機関からそれぞれ年金が支払われます。
- 老齢基礎年金:日本年金機構から
- 老齢厚生年金+経過的職域加算:共済組合から
混在者の場合には次の機関からそれぞれ年金が支払われます。
- 老齢基礎年金+老齢厚生年金(民間分):日本年金機構から
- 老齢厚生年金(共済組合期間分)+経過的職域加算:共済組合から
日本年金機構と共済組合からそれぞれ年金が支払われますので、1年間で受け取った年金や税額について公的年金の源泉徴収票が2つ届くことになります。
【事務所お知らせ】年金から所得税が天引きされる基準
共済組合加入期間がある人が年金から所得税が天引き(源泉徴収)される基準は、老齢基礎年金を受け取っているかどうかで金額が変わります。
令和8年分の場合65歳以上の方で、
- 老齢基礎年金を受け取っている:年金額127万円以上
- 老齢基礎年金を受け取っていない:年金額205万円以上
となっています。
令和9年分は、
- 老齢基礎年金を受け取っている:年金額137万円以上
- 老齢基礎年金を受け取っていない:年金額214万円以上
なぜ老齢基礎年金を受け取っている場合のほうが基準額が小さいのかですが、以下のように考えてみるといいでしょう。
2つのサイフからお金をもらっている状態である
通常、1つの窓口(例えば日本年金機構)だけから年金をもらっている人は、国も「この人はこれしか収入がないんだ」と把握しやすいです。
そのため、65歳以上であれば「年金が205万円になるまでは税金は引かなくていいよ」という高めの基準が用意されています。
しかし、「共済組合」と「老齢基礎年金や老齢厚生年金」の2つをもらっている人は、国から見ると、
2つのサイフからそれぞれお金を受け取っている状態
になります。
それぞれの窓口が「低めの基準」で税金を引く
共済組合の窓口は、もう一方の「老齢基礎年金や老齢厚生年金」のサイフからいくら出ているかを完全にリアルタイムで足すことができません。
もし「片方だけで205万円まで引かない」というルールにしてしまうと、両方を足したときに、
本当は税金を払わなければいけないのに、1年中まったく税金を引いていなかった
という事態が起きてしまいます。
そのため、国はルールとして、
と決めています。
あくまで「前払い」なので損はしない
ただ、「基準が小さい(低い)」と聞くと、税金を多く取られて損をしているように感じるかもしれません。
しかし、これはあくまで、
後で足りなくならないように、あらかじめ少なめのラインから税金を小分けにして天引き(前払い)している
だけです。
1年が終わった後「確定申告」などを正しく行えば、2つの年金を合計した本当の年収に合わせて税金が再計算されます。
もし天引きが多すぎた場合は、「払いすぎた分」として後から手元に戻ってきます(還付)。
まとめ
今日の内容をまとめます。

共済年金の加入期間がある年金受給者の税金については、老齢基礎年金と老齢厚生年金のみを受給される方とは異なりますので気をつけたいところです。
では。
